![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/5d/9ae1e1e765e400dde741ecdf6f0fddfe.jpg)
かなり出遅れてしまいましたが、いい機会なので“伝説のバンド”続きでもう一つ。
本日は、あの“Crosswind(クロスウインド)”のデヴュー作です。
私が学生の頃、‘クロスウインド’を聴いてるって人は、周りに意外といませんでした・・私も含めて。
丁度、デジタル・ディレイが出回りだした頃でしょうか、フィジカルな新奏法というのがネタ切れとなり、巷ではエフェクターブームとなったことがありました。
エイドリアン・ブリューが象使い(笑)としてもてはやされてた頃、日本にも猛獣使いがおるんじゃァ~と、音楽誌の紙面を賑わせてたのがこの小川銀次さんでした。
Tokaiの‘タルボ’ってギターを使っておられる写真を当時よく見かけたものです。
そうそう・・小川氏はアラン・ホールズワース先生に関しても造詣が深く、先生のJIMCO盤数作でライナーを書かれてます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b0/d8fe65eae2e2543e8fb920f2603a4545.jpg)
私自身が音源として彼のギターを聴いたのは、実際、妹が持ってたGAOの‘RoiRoi’だけなんですよね。
だから、この作品は予備知識がほとんど無いまま、誰かさんに煽られるがまま(笑)買っちゃった・・ってのが正直なところなんです。
でも、大正解・・ぶっとびました!(笑)
リーダー小川銀次氏(g)は'56年9月24日生まれで、現在ちょうど50歳・・この作品のリリース時は若干21歳だったんですね。
この1st作は、氏にとってもバンドとしても、初めて世に出た作品となるようです。
クロスウインド自体は、ねずみ小僧というバンドが前身になるようで、'76年頃からメンバーチェンジを重ねながら活動していたそうです。
デヴュー当時のメンツは、小川銀次(g,e-per,clavi)、遠藤敬三(b,per)、杉本清(d,per,synth-d)、丸尾めぐみ(pf,e-pf,synth,vo)の4人で、この年の4月に固まった面々だったとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/a0/d62065e330f03c10a7dc4b422139d6f0.jpg)
短期間の強硬スケジュールで、8月にリリース・・制作工程を考えると、収録期間はどう考えても1ヶ月以内ということになりますね・・もしかしたら2週間くらいだったかもね。
なお、今回の初CD化のボートラとして2曲ライヴテイクが入ってますが、'79年に違うメンツで演ったもののようです。
小川氏(g)、サイタヨシエ(d)、小林一夫(b)、古木吉彦(kb)がクレジットされてます・・ドラム以外は2nd作の面々ですね。
1.蟻の大移動
強烈なチョッパーで始まる、まさにハードフュージョン・・ハードロックかな。
テーマのメロディは、ギターで弾くにはかなりつらい運指を要求されます。
フレージングやトーンがかなりオゲレツ(笑)で超個性的・・誰々風というイメージが出てきませんね。
ギターソロも含め音符の洪水です・・この一曲でぶっとびました・・当然一押しでしょう!
2.猫と小鳥の不思議な旅
アナログシンセのストリングスが、さすがに時代を感じさせますネ。
Cパートのコード展開がダイナミックで、プログレの匂いがプンプンするいい感じのバラードです。
すでに、ギターで猫と小鳥を表現してますネ・・さすがです。
3.流氷
波音のSEとピアノ~ローズに加え、ボリュームコントロールされたギターなどが実に絵画的です。
小川氏はおそらく相当握力が強いようで、単音のノートのピッチがかなり揺れてます・・これもいい味です。
4.ダンサー
超トリッキー・・リターン・トゥー・フォーエヴァーみたいですネ。
短すぎですが、ん次点!
5.長いレール
ドラムのシンバルワーク&ベースのポワーンが疾走する機関車のようです。
途中のエレピソロのところなど、リズムの切り替えが巧みですね・・杉本氏は凄いドラマーだったんだ。
熱く展開されるギターソロ・・ほんとに気持ちいいほどオゲレツです。(笑)
6.だんだん畑で鬼ごっこ
かわいいイントロですね・・子供が駆け回る情景が目に浮かぶようです。
ちょっとミュート気味での高速パッセージは、高中正義師匠を彷彿させるものがあります。
ドラマチックなエンディングなど聴いてると、ライヴで観てみたかった衝動にかられますね。
7.夕やけ
遠藤氏もエフェクターマニアだったようですね・・ジャコみたい。
めぐみさんのスキャットがノスタルジックでいい感じですネ。
8.クロスウインド
バンドのテーマというより、小川銀次その人のテーマといった感が強いですネ。
キング・クリムゾンを彷彿させます・・カッコいいです。
【bonus tracks】
9.蟻の大移動 (live version)
10.流氷 (live version)
どちらもこのスタジオ盤からの選曲となりますが、ドラムの弱さがちょっと気になります。
しかしながら、若干リズムを見失いつつも、根性で弾き切ってる小川氏の熱い演奏が充分堪能できますネ。
この作品のリリース時の状況を考えても、決して恵まれた環境でなかったことは明白です。
そんな混沌とした中で生まれたかれらの音楽は、まるで鋭い輝きを放つダイヤの原石のようです。
私は、荒削りながら、手探りで無から生まれてくる新しいモノに強く惹かれます・・洗練されたモノとは違う力を感じるからです。
・・これはそんな作品の一つではないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/bc/2821d0efdfb5f3a11665f5ac4a087f9e.jpg)
この作品の当時のメンバーその後を追ってみました。
遠藤敬三氏は、その後マリーンのバックバンド‘ウィスパー’のリーダーとなり、故松原みきさんや庄野真代さんなどのバックでの活動や、WappaGappaなんてプログレバンドを率いておられ、現在も音楽学校の講師などで活躍されてるそうです。
杉本清氏は、競馬中継の大御所と同姓同名ですが・・多分違う人でしょうね、現在の消息は掴めてません。
丸尾めぐみ氏は、脱退後‘東京おとぼけCATS’に加わり‘どんまいメグミ’名義で彼らの2nd作‘船乗りの夢’に参加し、その後、加藤登紀子さんなどソロアーティストのレコーディングや、劇伴などの活動を地道に続けておられるようです。
小川氏は、もちろん現役バリバリですが、体をちょっと悪くされてるようで、セーブしながらバンド活動もこなしておられるようですね。
・・大吟醸なんてすごいボックス・セットをリリースされたりね。
ついでですが、3rd&ライヴも同様に買ってしまいました。
・・でも、いまだにちゃんと聴けてません・・やれやれ。(笑)
本日は、あの“Crosswind(クロスウインド)”のデヴュー作です。
私が学生の頃、‘クロスウインド’を聴いてるって人は、周りに意外といませんでした・・私も含めて。
丁度、デジタル・ディレイが出回りだした頃でしょうか、フィジカルな新奏法というのがネタ切れとなり、巷ではエフェクターブームとなったことがありました。
エイドリアン・ブリューが象使い(笑)としてもてはやされてた頃、日本にも猛獣使いがおるんじゃァ~と、音楽誌の紙面を賑わせてたのがこの小川銀次さんでした。
Tokaiの‘タルボ’ってギターを使っておられる写真を当時よく見かけたものです。
そうそう・・小川氏はアラン・ホールズワース先生に関しても造詣が深く、先生のJIMCO盤数作でライナーを書かれてます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b0/d8fe65eae2e2543e8fb920f2603a4545.jpg)
私自身が音源として彼のギターを聴いたのは、実際、妹が持ってたGAOの‘RoiRoi’だけなんですよね。
だから、この作品は予備知識がほとんど無いまま、誰かさんに煽られるがまま(笑)買っちゃった・・ってのが正直なところなんです。
でも、大正解・・ぶっとびました!(笑)
リーダー小川銀次氏(g)は'56年9月24日生まれで、現在ちょうど50歳・・この作品のリリース時は若干21歳だったんですね。
この1st作は、氏にとってもバンドとしても、初めて世に出た作品となるようです。
クロスウインド自体は、ねずみ小僧というバンドが前身になるようで、'76年頃からメンバーチェンジを重ねながら活動していたそうです。
デヴュー当時のメンツは、小川銀次(g,e-per,clavi)、遠藤敬三(b,per)、杉本清(d,per,synth-d)、丸尾めぐみ(pf,e-pf,synth,vo)の4人で、この年の4月に固まった面々だったとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/a0/d62065e330f03c10a7dc4b422139d6f0.jpg)
短期間の強硬スケジュールで、8月にリリース・・制作工程を考えると、収録期間はどう考えても1ヶ月以内ということになりますね・・もしかしたら2週間くらいだったかもね。
なお、今回の初CD化のボートラとして2曲ライヴテイクが入ってますが、'79年に違うメンツで演ったもののようです。
小川氏(g)、サイタヨシエ(d)、小林一夫(b)、古木吉彦(kb)がクレジットされてます・・ドラム以外は2nd作の面々ですね。
1.蟻の大移動
強烈なチョッパーで始まる、まさにハードフュージョン・・ハードロックかな。
テーマのメロディは、ギターで弾くにはかなりつらい運指を要求されます。
フレージングやトーンがかなりオゲレツ(笑)で超個性的・・誰々風というイメージが出てきませんね。
ギターソロも含め音符の洪水です・・この一曲でぶっとびました・・当然一押しでしょう!
2.猫と小鳥の不思議な旅
アナログシンセのストリングスが、さすがに時代を感じさせますネ。
Cパートのコード展開がダイナミックで、プログレの匂いがプンプンするいい感じのバラードです。
すでに、ギターで猫と小鳥を表現してますネ・・さすがです。
3.流氷
波音のSEとピアノ~ローズに加え、ボリュームコントロールされたギターなどが実に絵画的です。
小川氏はおそらく相当握力が強いようで、単音のノートのピッチがかなり揺れてます・・これもいい味です。
4.ダンサー
超トリッキー・・リターン・トゥー・フォーエヴァーみたいですネ。
短すぎですが、ん次点!
5.長いレール
ドラムのシンバルワーク&ベースのポワーンが疾走する機関車のようです。
途中のエレピソロのところなど、リズムの切り替えが巧みですね・・杉本氏は凄いドラマーだったんだ。
熱く展開されるギターソロ・・ほんとに気持ちいいほどオゲレツです。(笑)
6.だんだん畑で鬼ごっこ
かわいいイントロですね・・子供が駆け回る情景が目に浮かぶようです。
ちょっとミュート気味での高速パッセージは、高中正義師匠を彷彿させるものがあります。
ドラマチックなエンディングなど聴いてると、ライヴで観てみたかった衝動にかられますね。
7.夕やけ
遠藤氏もエフェクターマニアだったようですね・・ジャコみたい。
めぐみさんのスキャットがノスタルジックでいい感じですネ。
8.クロスウインド
バンドのテーマというより、小川銀次その人のテーマといった感が強いですネ。
キング・クリムゾンを彷彿させます・・カッコいいです。
【bonus tracks】
9.蟻の大移動 (live version)
10.流氷 (live version)
どちらもこのスタジオ盤からの選曲となりますが、ドラムの弱さがちょっと気になります。
しかしながら、若干リズムを見失いつつも、根性で弾き切ってる小川氏の熱い演奏が充分堪能できますネ。
この作品のリリース時の状況を考えても、決して恵まれた環境でなかったことは明白です。
そんな混沌とした中で生まれたかれらの音楽は、まるで鋭い輝きを放つダイヤの原石のようです。
私は、荒削りながら、手探りで無から生まれてくる新しいモノに強く惹かれます・・洗練されたモノとは違う力を感じるからです。
・・これはそんな作品の一つではないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/bc/2821d0efdfb5f3a11665f5ac4a087f9e.jpg)
この作品の当時のメンバーその後を追ってみました。
遠藤敬三氏は、その後マリーンのバックバンド‘ウィスパー’のリーダーとなり、故松原みきさんや庄野真代さんなどのバックでの活動や、WappaGappaなんてプログレバンドを率いておられ、現在も音楽学校の講師などで活躍されてるそうです。
杉本清氏は、競馬中継の大御所と同姓同名ですが・・多分違う人でしょうね、現在の消息は掴めてません。
丸尾めぐみ氏は、脱退後‘東京おとぼけCATS’に加わり‘どんまいメグミ’名義で彼らの2nd作‘船乗りの夢’に参加し、その後、加藤登紀子さんなどソロアーティストのレコーディングや、劇伴などの活動を地道に続けておられるようです。
小川氏は、もちろん現役バリバリですが、体をちょっと悪くされてるようで、セーブしながらバンド活動もこなしておられるようですね。
・・大吟醸なんてすごいボックス・セットをリリースされたりね。
ついでですが、3rd&ライヴも同様に買ってしまいました。
・・でも、いまだにちゃんと聴けてません・・やれやれ。(笑)
おっと!!!銀二さんですね。いつかは登場すると思っていました(笑)
私がこのアルバムを聴いたのは結構遅れて「そして夢の国へ」「クロスウィンドⅡ」の後でした(汗)正直、「そして夢の国へ」の印象が強すぎてあまり記憶に無かったりします。CDではボーナストラックが収録されたのですか・・・興味深いですね。
今回のレビューを読みなが早速聴き込んでみる事にします。(CD-Rですけどネ)
ありがとう御座いました。
そんな盤なんでやっぱし思い入れはひとしおですね。
やっぱし銀次さんのギターは唯一無比です!
・・とんでもないです。
CD-Rということはアナログ移設ですか。
せっかくなんで、CD買ってください。(笑)
せめてライヴだけでも・・って、まだ聴いてないけど。(笑)
レヴュー遅くなりました。
買って正解でしたよ・・ありがとうございます。(笑)
なかなか聴く時間がとれなくて・・後2枚どうしよ。
これで更にDVDなんかが出た日にゃどうしましょうネ・・ホントに出そうだな。(笑)
レヴュー予告してたのに大変遅くなりました。(汗)
そういや2ndのこと全く書いてなかった・・すんません、1stと一緒に購入してました。
・・オマケのライヴCDが欲しかったので・・。
作品的には2ndの方が絶対上でしょうね、でも私はこっちが好きです。
・・レヴュー期待してます。(笑)
訂正です。銀二さんじゃなく“銀次さん”でしたね(恥)
elmar35さんのところにお邪魔する度に欲しい物がどんどん増えていきます。困りました(笑)やはりクロスウインドも・・・どうしよう!
追伸:安達久実クラブパンゲアとTime Controlはお陰様でゲットしました(遅っ!)
いやいや、物欲の嵐に悩ませられてるのはお互い様ですよ。
今月、あまりの放漫さ加減に家内がぶち切れてしまって、大変です。(涙)
突然失礼いたします。
首記の件、今年の8月2日に3回忌を迎えるにあたりCROSSWINDのライブCDを追悼版としてリリースするプロジェクトをクラウドファンディングで進めています。
もし、ご興味ございましたら、是非!ご支援賜りたくお願い申し上げます。
https://www.muevo.jp/campaigns/1253
どうぞ宜しくお願い致します。
以上 鈴木茂雄