大学受験生だった頃、英語の長文を読んでいても、意味が分かるような分からないような感覚がありました。言ってみれば、自分から英文を追っかけているのだけど、追いつかないイメージ。だから、問題が正解してもどこか腑に落ちず、常に不安でした。
ところが、今は、英文を追っかけなくても、英文の方から私の中にスッと入ってきてくれるイメージです。ガツガツ読もうとしなくても、英文構造をとらえ、英文の内容が理解できる感覚。
受験生当時と現在では、何が違うのか。簡潔にまとめると次の2点になります。
①英文構造について予測と修正ができる。
②背景知識がある。
①について。例えば ~ing が出てきた場合、現在分詞なのか動名詞なのか、現在分詞だったら限定用法なのか叙述用法なのか、限定用法なら前置修飾なのか後置修飾なのか、はたまた分詞構文なのか。動名詞だったら、要素はSCOのどれか・・・など、瞬時に予測し、一つの可能性が消えれば次の可能性へと予測の修正ができるようになりました。
①ができるようになるには、確固たる英文法の知識の習得と、その知識を使って、多くの英文を正しく読む英文解釈のトレーニングが欠かせません。単語の意味は分かるのに英文が理解できないその原因を、文法的に追究していくことが必要です。そのような知の作業を体系的に示してくれたのが、あの名著『英文解釈教室』です。
②について。どんなに英語が読めても、その内容についての背景知識がないと、何を言っているのか分かりません。私の感覚では、英語の長文読解の半分は背景知識が占めているように思っています。もちろん日本語でいいので、いろいろなことに興味を持ち、特に興味を引くことは、ネットや本で調べて知識を掘り下げておく。そうすると、同内容の英文が出題された時、スッと体の中に英文の方から入ってきてくれます。
①も②も一朝一夕には身につかず、毎日少しずつ、積み上げていくしかありません。でも、今から行動に移せば、一年後には大きな変化を感じることができるはずです。
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