英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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高校入試でスピーキング導入

2017年12月20日 | 指導現場にて
都立高校の入試で、英語にスピーキングが課されるニュースが話題になりました。以下、朝日新聞デジタルからの引用です。
都立高校入試、英語にスピーキング導入へ、19年度以降に

東京都立高校の入試で英語を話す能力を測る独自のスピーキングテストを実施するよう、都教育委員会の検討委員会が提言をまとめた。都教委は、2019年度以降の試行に向け、具体化のための検討を進める。

教育内容を定めた国の学習指導要領は、中学英語で「読む・書く・聞く・話す」の4技能の基礎を育むとしている、しかし、現行の都立高入試に「話す」を測る試験がなく、学校で話す力の指導に影響しているという指摘があった。

このため、英語教育に関する有識者会議が昨年9月、都立高入試で4技能を測る試験に実施について検討するよう提言。これを受けて、今年7月から検討を始めた大学教授や都教委幹部らによる委員会は、検定試験などを実施する民間団体と連携して独自のスピーキングテストをつくり、受験者が1回だけ受けられる仕組みを提言。配点や実施時期などの具体的な内容は、都教委が来年度検討し、19年度以降に試行する考えだ。

公立高入試では、大阪府教委が英検などの外部試験の結果を入試に反映させる仕組みを導入している。しかし、都教委では、外部試験の場合、学習指導要領に沿っていなかったり、経済的事情で受験回数に差が生じたりする課題もあるとし、全員が都独自の試験を受けられる形を目指すという。
(以上、朝日新聞デジタルから引用)

長野県でも、県立高校入試の在り方を考える「県高校入学者選抜制度等検討委員会」の議論がヤマ場を迎えています。いくつかの検討課題の一つが英語でのスピーキングテストの導入です。2020年度導入の大学入学共通テストの英語で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価する狙いで民間検定試験導入が決まっており、そうした国の動向を踏まえた考え方です。

理想論としては高校入試へのスピーキング導入はいいと思いますが、試験を作成し実行する時間と費用や、各中学校で生徒一人一人に対策するにはほぼ不可能という点を考慮すれば、現実論として、私は懐疑的です。大学入試と同様に、英検などの民間検定試験を利用するのが現実的ですが、たとえそうしたとしても、中学卒業レベルである3級のスピーキングは、質問文に対して単語一語だけで答えたとしても5点の配点で4点を取れるため、スピーキングという形式だけを取ってはいるものの、そもそも本当に話す力を計れるかは疑問です。

個人的な考えとしては、中学のうちは文法と音読を中心とした勉強で、読む力をじっくりと作り上げていけば十分と考えます。もちろん、話すトレーニングを行わなくていいということではなく、それはそれで少し時間を割いてアウトプットも心がければいいと思います。英検3級に合格していれば、高校入試で加点があるようにすれば、モチベーションアップにもつながるかも知れません。高校入試そのものでスピーキングを課してしまうと、その対策ばかりに気が取られ、語学力の基本である読む勉強が軽視されるのを危惧しています。


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