江戸観光案内

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妻恋明神

2012-12-22 | まち歩き

妻恋明神(現在の妻恋神社)は蔵前橋通を挟んで神田明神の北側に在る神社で、近くの妻恋坂の名前の由来となったことでも知られています。

「古事記」や「日本書紀」に登場する日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のおり、三浦半島から房総へ渡るときに大暴風雨に遭い、妃の弟橘媛(おとたちばなひめ)が夫の身代わりとして海中に身を投げて海神を鎮め、尊の一行を救ったとの伝説があり、尊の妃を慕われる心を哀れんで、尊と妃を祀ったのが、妻恋神社の起こりと伝えられています。


鬼平犯科帳(池波正太郎著、文藝春秋)に登場する、元盗賊の引き込み役の絵師・石田竹仙は妻恋明神の裏手に住んでおり、作品中では「石田竹仙家の裏手は、細い道をへだてて、幕府の組屋敷の土塀になっている。玄関は立舟坂に面して妻恋町の町家と向かい合ってい、南側は垣根ごしに妻恋明神の杉木立をのぞむという・・・」と記されています。

余談ですが、ここに登場する「立舟坂」は、近くにその名の坂が無いことから、妻恋神社の東に在る「立爪坂」のことではないかと想像されます。


参考

[1] 妻恋神社ホームページ

[2] 妻恋神社案内板、昭和五十九年三月、文京区教育委員会


妻恋神社 東京都文京区湯島3-2-6

東京メトロ銀座線 末広町駅から約450m 徒歩約6分

JR御茶ノ水駅から約500m 徒歩約7分


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立舟坂は立爪坂のことか?


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