江戸観光案内

古地図を片手に江戸の痕跡を見つけてみませんか?

下谷稲荷

2011-09-03 | まち歩き

時代小説を読んでいると、度々、下谷という地名が登場します。この下谷という地名は、本所や深川のように広域の地域を総称する地名で、ここからここまでが下谷と厳密な境界が在るわけではありません。そのため、普段、鉄道の駅名を地名代わりに使っている現代人の中で、江戸時代に下谷と呼ばれた地域をパッと思い浮かべられる人はそう多くは無いと思いますが、大体のエリアでいうと上野と浅草の間の地域といえます。台地になっている高台の上野に対して低い土地なので古くから下谷と呼ばれていたのだそうです。上野の上に下谷の下で、なるほどという感じですね。

下谷稲荷(現在は下谷神社)はそんな下谷に在る神社で、浅草通り沿いに立つ大きな赤い鳥居が印象的です。創建は天平二年(730年)と大変古く、程近い地下鉄銀座線・稲荷町駅の名前も、下谷稲荷の存在により、かつてこの地域が稲荷町と呼ばれていたことに由来します。


時代小説の中では、池波正太郎著「御老中毒殺」(剣客商売(一)に収録、新潮社)で、女剣士の三冬が驟雨を避けるために下谷稲荷の大鳥居脇の茶店で雨宿りをする場面で登場しています。


下谷稲荷 東京都台東区東上野3-29-8

地下鉄銀座線 稲荷町駅から約160m 徒歩約2分


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