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江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

江戸時代を中心とした、面白い話を、探して、紹介します。

利根川のカッパ 「利根川図志」

2020-01-01 12:07:22 | カッパ
利根川のカッパ   
                        2020.1.1
「利根川図志」より

「望海毎談」に、利根川にネネコという河伯(カッパ)がいた、とある。
年々その住みかは変わっていた。
地元の人々は、その居る所を知っていた。
その居る所では、害があった。

実際に、カッパの害のある話は、多い。
「香山牛山」の「活套」中巻に、筑紫の方には河伯の害が多いと記されている。
カッパの害にあったら、金銀花(きんぎんか:忍冬ニンドウの花のつぼみ)を煎じて、服用すれば、神のような効きめがあるという。
試してみると良い。

手指を截断したのを、接ぐ薬方を、カッパより受けたるという話があるが、疑わしいとは思っていた。
しかし、そういうことも有るか、とも思うようになった。

編者注:利根川は、日本一の大河であるにも関わらず、カッパの話は少ない。
    「利根川図誌」に見つけたので、ここに記す。
    「利根川図志」は、赤松宗旦(あかまつそうたん)の著で、1855年に刊行された。

本草記聞でのカッパの記述 

2020-01-01 11:39:38 | カッパ
本草記聞でのカッパの記述 
                2020.1.1
形は猿のようであり、眼は丸く、鼻は長く出ている。
頭が赤いのもある。頭頂に、ハマグリのカラのような皿がある。
これに水をたたえれば、力を増すとの俗説がある。
全身の色は淡黒く、少し青黄を帯びている。
腹及び背には、甲羅がある。
手足を縮めて甲羅のなかに隠す事が出き、亀の様である。
手足を伸ばせば人の形の様である。
手足に皆五つの指がある。
また、水かきもある。
全身にはなはだ生臭い臭いがある。

以上、「本草記聞」小野蘭山(1729-1810年)著 より



家の中の怪奇現象(江戸時代のポルターガイスト) 「黄華堂医話」

2020-01-01 11:26:23 | 怪談
家の中の怪奇現象(江戸時代のポルターガイスト)

伊勢の津に、堀某(なにがし)と言う武士がいた
その家に、突然、妖怪が出るようになった。
衣服がひとりでに、箪笥から出てきて、家の中をめぐり歩き、多くの器も、動き回った。
しかし、主は、武勇の人であったので、妖怪も畏れたのか、
   主が家にいる時は、昼夜とも怪奇現象は起こらなかった。
主が、外にいる時だけ、必ずその妖怪が怪奇現象を起こした。

このような事が、一月あまり起こった。
はじめは、家の者達は、驚き恐れて、気を失ったりしたが、日が経つにつれ、みなその事になれ、女子供まで、恐れなくなった。
茶碗、たばこ盆などが、しぜんと動き回るのを見て、かえって面白がるようになったので、その怪奇現象は、止まったとの事である。

「黄華堂医話」より

編者注:これは、ポルターガイスト(Poltergeist)現象でしょう。
    江戸時代のポルターガイスト。