河太郎の摸写図 続燕石十種 「筠庭雑録(いんていざつろく)」
2025.4
寛永(1624~1644年)年中、豊後国(大分県)肥田にて捕えた河童の図がある。
原本は、鍋島摂津守殿が所持している。身長は一尺五寸許(ばかり)に描かれており、傍にこう記してある。
頭のさらに蓋があり、蛤などの形のように窪んでおり、深さは一寸ばかりある。歯は亀のようで、奥歯は上下四枚、とがり歯である。背の色は亀のようである。脇ばらに 柔かな立筋がある。ここをつかめば、動くことが出来なくなる。
手足が縮めば、亀のように甲の内へ入る。手足の節は、うらがえしにも前にも自由に曲がる。尾は、亀のようで、一寸四五分のとがり尾である。
なま臭いこと甚だしいとある。
続燕石十種 「筠庭雑録(いんていざつろく)」 広文庫より