自然を体験する旅

エコツーリズム・プロデューサーの壱岐健一郎がお届けする旅に関するスローなブログ

太陽を追って回転する住宅

2004-11-18 11:11:57 | ドイツ

ここまでやるのか?環境首都の名に恥じない町づくりに溜息もでていたが、
この家を見たら更に驚いた。
9月にしては強い陽射しの中で、この物体がキラキラと輝いていた。
とても住宅とは見えなかったが、”バウムハウス(樹木型住宅)”「ヘリオトロープ」
というらしい。
家の外側部分は高質ガラスで覆われており、保温効果を高めている。
太陽光を効率よく摂取できるよう多角面の建築物は主軸を中心に回転し、
中心部にある居間にはいつでも太陽光が入るように設計されている。
多数貼られたソーラーパネルが約60坪の居住面積の住宅の必要エネルギー1.5Kw/hを
全てまかなっている。フライブルクの中心部から車で10分くらいの
景観のよい斜面に立つ住宅は近未来の理想か・・・落ち着かないなーとも思えてくるが、
これくらいやらなきゃ・・とも。
住人は設計者本人とのこと。身をもって実験していた。

環境首都フライブルクから先生が来てくれた

2004-11-12 09:44:59 | ドイツ

今日、11月12日18時から銀座ソニービルで講演会がある。
「エコロジーだけが経済を救う」の著者フランツ・アルトさんの来日講演だ。
先日まで北京での世界エネルギー会議の帰りに立ち寄っていただいたらしい。
この機会に生のお話を聴講したい。とっくに申込みましたが、
興味がある人は下記へどうぞ。
http://www.eco-online.org/

写真は先月のエコツアーの際、大聖堂ミュンスター展望台から
フライブルクの町と黒い森を臨んだもの。
ドイツの風力発電は世界一。景観と野鳥保護の物議もあるが、
自然エネルギーを利用する環境がライフスタイルに溶け込んでいるいるのは
素晴らしいことだと思う。

ライン川流域エコツアー日記(6)

2004-10-04 09:11:43 | ドイツ

フライブルク市民が誇るエコステイションは緑に包まれた居心地のいいところだった。
責任者の一人、ラフフさんは大勢の視察者が訪問する中、我々のためにセミナーと
野外の施設を親切に案内してくれた。
以前このブログで紹介したNZの個人住宅と同じように屋根上は草に覆われていた。
但し、こちらの場合は規模が大きいし、周りの人工物とのマッチングを計算したもののような気がした。

ライン川流域エコツアー日記(5)

2004-09-28 14:04:17 | ドイツ
9月12日(日)
ライン川を越えてフランスに入った。EU本部のある古都ストラスブールは町自体が世界文化遺産だ。中心部にあるノートルダム大聖堂の展望台から見渡すと、一面赤茶けた屋根と壁面が歴史を発光している。大聖堂にも使われているこの土地特有の砂岩の建造物を豊な緑と水路が覆っている。なんとも美しい町だ。その中を最新のトラムが縦横に走っている。
ドイツと比べるとファッションの国らしく、スタイリッシュなデザインでモスグリーンの車体が新旧をうまくマッチさせている。どうしてこんなにセンスがいいのかなー。

ライン川流域エコツアー日記(4)

2004-09-28 13:58:53 | ドイツ
中央駅の横のクラインガルテン(市民農園)を通り抜け、アウトバーンの上にできた広大なビオトーブを訪ねた。
この下に150キロ以上の猛スピードで自動車が走っている高速道路があるとは信じがたいのんびりした空気が流れていた。ところが突然のベルに一同がその場から離散した。そして、自転車が猛スピードで駆け抜けていった。そこは歩行者用と自転車用が白線で仕切られた道路だった。ドイツのいたるところの道路には日本では数少ない自転車専用道路が設置されていることを忘れていた。オリンピック自転車競技で日本を破り金メダルを獲得した国の自転車(バイク)利用者はハンパじゃない。通勤スタイルも決まっていた。のんびり気分のおのぼりさん一行はそれ以降自転車優先社会?を肝に銘じただろう。
 一台の自転車が停まった。とてもこれまでの颯爽としたサイクリストではなかったが、とても親しげに話しかけてきた。日本語ができるわけでもないが、ガイドが環境視察に来たことを伝えると、持論をまくし立て始めた。もちろんドイツ語で。嫌味がないので聞いていたが、しばらくするとようやく終わった。なんでも今(朝9時)まで近所で飲んでいたらしい。そして、愛車(自転車)で気持ちよさそうに帰っていった。これもドイツ風帰ってきた酔っ払い・・・だろうか。いずれにしろダンケシェン!

ライン川流域エコツアー日記(3)

2004-09-28 05:14:37 | ドイツ
9月10日(金)
昨日カールスルーエに到着した。日本には馴染みがないが、ドイツの最高裁判所があり、司法の要の都市らしく、カールスルーエ城を中心に扇状に道路が延びている。現在、町の名前を世界に知られるようになったのは「カールスルーエ方式」と言われる都市交通システムだ。トラム、Sバーン、路線バス等が同じ路面を縦横に行き交っている。それでも主役は徒歩や自転車で行き交う市民。日本では考えられない同じ面でのまさに「交通」ができている。自動車は中心部から締め出されているが、周囲の主要駅には、垣根のない駐車場がゆったりと作られており、パーク&ライドがスムーズに実践されている。自家用車で市街地に行くことが不便と思われるくらい、公共交通網が充実している。線路が広軌でできているので電車の車内が広く、安定していて、乗り心地がいい。学生達と別行動をとった中高年3人は郊外の温泉リゾートという名前に惹かれて、そのままSバーンを乗り継ぎ、   静かな村に着いた。そこから路線バスの終点まで行き、軽いハイキングを楽しむことになった。2時間ほど歩くともとの駅にたどり着いた。われわれ以上の年配者たちが目立ったが、そこには平和な時間がゆっくり流れていた。

ライン川流域エコツアー日記(2)

2004-09-22 05:17:34 | ドイツ

2004年9月9日(木)
今回の目的は環境創造学部に属する大学2年~4年生14人と担当教授2名でドイツの町づくりを視察することだった。特に範囲を絞って、ライン川流域の主要都市に滞在し、街を歩き回って身をもって体験することが目的だった。正規の授業の一環だが、ライン川そのものを感じるために観光旅行のハイライトコース、ライン川下り(リューデスハイム~ザンクトゴアハウゼン)を2時間楽しんだ。最高の天気でのんびりと優雅な気分を味わっていたが、以前の観光ツアーでは発見しなかったが、今回はいやがおうにも目に焼きついた。この流域はロマンチック街道と並び古城の林立する美しい景観で有名な世界遺産地域だが、
突然、赤茶けた地肌を表す採石現場が不自然に出現した。正体は第2次世界大戦後の補償問題に絡んだオランダ企業による国を挙げての事業らしい。爆撃後のような直接的なものではないが、大戦後、半世紀以上たった今も続く戦争の影を見た。最大の環境破壊は戦争であることを、ライン川をのんびり進む遊覧船の上で、改めて感じた。


ライン川流域エコツアー日記(1)

2004-09-21 03:42:52 | ドイツ
長い間投稿をサボってしまいました。スローライフを提案する者が完全に仕事に追われています。追われおわれて今度は15年ぶりのドイツに行ってきました。愛用のVAIOがお釈迦になってしまいましたのでおニューのノートPCを持参し現地からブログをと試みましたが、根っからのアナログ人間。結局音信不通になってしまいました。ライブではありませんが、極端な時差だと思って寄稿します。
従来の「自然を体験する旅」とは内容が異なりますが、これもエコツアーとしてごい紹介します。

9月8日(水)
 ほぼ満席の大韓航空(KE)905便はソウル・インチョン空港を定刻に飛び立った。成田からの乗り継ぎの時間は適度の休憩と、海外への気分転換には丁度いいかもしれない。待ち時間に少額のユーロとウォンを手に入れた。搭乗ゲート付近ではUS$1で15分間インターネットが使用できた。10日後再度乗り継ぎの際は5時間の待ち時間をマッサージや買い物で十分飽きずにいられるだろう。20年以上も乗ったことがないKEの機内食のビビンバはなかなかいけた。フライトアテンダントもみんな感じがよかった。最近の韓国ブームでも感じることだが、いい意味で隣国との壁がなくなってきたようだ。
 フランクフルトのガイドは絵津子パウルスさん。在住33年の大ベテラン。歯切れのいい語り口はまさにドイツ人らしい?。成田出発前の遅刻者対応のために両替時間が取れなかったが、フランクフルト空港で絵津子さんのお世話になった。今回は現地での現金払いのために多額の両替が必要だったので、銀行の手数料を交渉して安くしていただいたのは大助かりだった。東西ドイツ合併以前に来てから15年くらい振りだが、最近のアジアの大都市の変貌と比較すると、昔のままだった。しかし、自分自身や環境が大きく変わっての訪問だけに新鮮な緊張感も味わった初日となった。フランクフルト中央駅前のコンティネンタルホテルは昔のままの駅前ビジネスホテル風でこれから最も多く利用することになるSバーンやトラムの行き交う音が旅情をそそった。一方では、絵津子さんいよれば世界の金融の中心都市であるとともに、アムステルダム、ジュネーブと並んで麻薬取引のメッカというありがたくない称号ももらっているようだ。