橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

ほとばしっていた坂本花織と樋口新葉

2022-02-18 00:33:41 | Weblog
北京五輪フィギュア女子、坂本花織が銅メダル、樋口新葉が5位に入賞した。
 
坂本花織の滑り。特にショートと、樋口新葉のフリーのステップシークエンスは「ほとばしるような」という言葉がぴったりの生命力を感じさせる滑りだった。
 
全身で表現するフィギュアスケートの素晴らしい演技、例えば今回の五輪での坂本花織の演技は、曲の世界観を表現するとかいうレベルではなく、自らの中に潜んでいた光を見出し、その魂のほとばしりを表現していた。それはまさに「自分を生きる」ということのように思えた。
 
樋口新葉選手は多分、やや身体が硬いのだろうし、坂本花織選手は骨太だけれど、それを克服するということではなく、一見ハンディと思われる点も活かした表現方法を見つけ、今の自分そのものをもっとも美しく表現していた。美しさのあり方も十人十色、絶対的な美しさなどないということを教えてくれた。
 
話は飛躍するが、私はガンになって、自分にどこかで嘘をついて生きてきたことを悔い、これまでの人生を抜け出し、自分の魂が求めるままに生きられるようになりたいと思った。そうすることが、病を良くするためにも必要だと思ってきた。そして、それは相当に難しいことだと実感している。
 
しかし、氷上の彼女たちは21歳という若さでそんな難しいことをやってのけている。彼女らは確かに「自分を生きて」いた。そこに至るはどんな努力があっただろう。
 
スポーツや芸術が力を与えてくれるというのはこういうことで、フィギュアスケートというのは、スポーツと芸術の両面を併せ持つということが、大きな感動につながっているのだと、あらためて思った今回の北京五輪だった。今のような五輪開催には賛成はしないが、こういう滑りが見られたことはよかった。もう、五輪はずっとアテネでやればいいんだよね。
 
今年に入って、「のびのび」という言葉が似合うパフォーマンスをよく見かける。今日の坂本花織や樋口新葉、そして鍵山優真。分野は全然違うけど、女性で初めてNHK新人落語大賞とった桂二葉とかも。閉塞の時代にも風は吹く。


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