橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

この際、陰謀論に風穴を

2022-07-18 01:30:06 | 国内情勢

メディアの中のそれなりの年齢以上の人々や知識人と言われる人の多くや政治家たちは、これまでも統一教会と特定の政治家の関係を知っていて、俎上に上げて問題視することはなかった。赤旗は記事化していたが、それが国会で大きく取り上げられ、世の中に拡散することはなかった。ネット上にはそうした情報がいくつも転がっていたが、根拠のないネット情報というイメージの前に問題化することはなかった。触らぬ神に祟りなしといわんばかりにスルーされてきた。その問題を掘り起こすことが、どういう災厄をその人にもたらすのか?

どこまでが真実でどこまでが陰謀論か判然としない世界で、この問題を深掘りしたら自分が潰されるという恐怖で、みな問題を見て見ぬ振りしてきた。特別会計の闇を暴こうとした石井紘基議員が殺されたり、原発事故の真実に迫ろうとしたジャーナリストが自殺したり、そういうことが疑惑を知るものをより萎縮させた。

しかし、皮肉なことに、安倍元総理を殺害するという蛮行をきっかけに、これまで知っていながら知らないふりをしていたことをメディアも語り始めている。悲劇的な事件の真相究明という大義名分を得て、やっと言論は動き始めた。しかし、今朝の日曜討論で江川紹子氏の指摘を司会者がスルーしたように、いまだ動揺を隠さないメディアもある。裏には何があるのかわからない。私などが知ることのできない、世界の権力の秘密があるのか・・・。

しかし、そう考えることは陰謀論に絡め取られ、さらなる言論の萎縮を招く。今は、きっかけはどうあれ、陰謀論を隠れ蓑にあいまいなまま放置されてきたことを追求できるだけするべきだ。

Qアノンだのなんだの、世界が陰謀論に覆われ始めている今、悲劇がきっかけだとはいえ、せっかく空いた風穴をこのまま閉じてしまっては、さらに陰謀論が幅を利かせる世の中になってしまう。

人の恐れや不安につけ込んで、陰謀論の影に隠れて好き勝手するものを許してはいけないと思う。
こんなこと書きながら、私も言葉を発することが怖かったりする。でも、この風穴から何かを変えていかねばならないとも思う。