橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

TBS金曜10時ドラマ枠

2017-05-20 01:35:51 | メディア批評

今クールのTBS金曜10時ドラマ枠「リバース」の主題歌、シェネルの「Destiny」が意外に良い。これまであまり気にしてなかったけど、毎週聞いてるうちに「さ・だ・め・を・し・ん・じ・て・る」の1音に1字のサビのラストが気持ちよいことに気づいた。この金曜10時枠は前々クールの「砂の塔」の主題歌(THE YELLOW MONKEYの「砂の塔」)も同じように、毎週見てるうちにジワジワ来たが、ドラマの内容と主題歌の連動がもっとも上手く行っているドラマ枠ではないかと思う。

TBSのドラマは火曜10時の「カルテット」のエンディング曲にしろ、「逃げ恥」の「恋」にしろ、テーマとなる曲が決してタイアップではなく、ドラマの一部として成立していて、そのへんは他局より1歩抜きん出ている気がする。

ところで、金曜10時枠の話に戻るが、この枠、「砂の塔」から見始め、前クールの「下克上受験」は飛ばして、今回の「リバース」を見てるので、てっきり、サスペンス枠なのかと思いこんでいた。実際には違うようだが、もういっそのことサスペンス枠にしちゃったらいいんではないかと思う。

「砂の塔」は最終回視聴率13%超えを記録したし、「リバース」は1クールでやるにはちょっとネタが少なすぎる気もするが、悪くない。どちらも、現代的な社会現象や問題をうまく話に織り込みながら、翻弄される人間の姿と複雑な人間心理を描くことにテーマの中心をおいていて、社会の仕組みの矛盾や推理の鮮やかさを中心に据える昨今の警察もの、推理もののドラマとは一線を画している。

最初はタワーマンションのママ友のマウンティングの話かと思っていた「砂の塔」が、実は母親とは何かを考えさせる、今、日テレで放送中の「母になる」のテーマに近いものを含んだ、しかも巧妙な仕掛けの施されたサスペンスであったことが、この枠に注目するきっかけとなった。今回の「リバース」も結末を知っていても(原作読者は知ってると思うが)、人間心理のドラマとして見られるし。

このTBS金曜10時枠、意外にありそうでなかった現代における松本清張ドラマ的な枠になりそうな気がするのだけれど、サスペンス枠にしません?TBSさん。
考えてみたら火10の「カルテット」もサスペンスだったなあ。

見てないドラマのほうが多いので、ほかにいいサスペンスがあったらごめんちゃい。