橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

喫茶店でゆで卵をもらう

2014-06-26 23:35:22 | Weblog

今日、隣町の喫茶店に行ったら、そこはお客さんのほとんどが近所の常連さんだった。しかし、疎外感を感じることはなかった。傍観していることに違和感を感じなくていい雰囲気は、店の人の素朴な対応から来てるのだろう。

店の人が常連さんに作りすぎた煮卵をあげようとして、あまり好きじゃないからいらないと言われていたから、お勘定の時に、あの煮卵売ってもらえません?と聞いてみた。すると、いつのまにか他の常連さんにあげちゃっていたようで、すいませんと、かわりにゆで卵を1つくれた。

夕方おじいちゃんとやってきた小学生は宿題をしているし、釣り帰りのおじさんは、ほかの常連さんにサバいるか?と聞いている。もちろんそこではいろんな愚痴や人生相談もおおっぴらに話されていた。

自分もその店の常連になって積極的に仲良くしようとまでは思わないが、そういう場所に座ってるのは嫌ではない。そこにいる人にはそれぞれの生活があるんだということがなんとなく垣間見えるから。今そういう場所はあまりない。

喫茶店がカフェになり、よそゆき顔で行く場所になって久しい。

よそゆき顔でたくさんの人が集まってるとき、人はアバターみたいに見える。今、ここに座っているアバターを端末から遠隔操作している「あなた」は一体どんな生活をしているの…?アバターの周りには透明な壁があって、「あなた」をかいま見せてくれない。もちろん、さらけ出せとはいわないし、あなた本人に出てこいともいわない。

ただ、そのアバターの向こうにあなたがちょっと見える気がするね…とも思いたいのである。