ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

カササギ殺人事件

2021年03月19日 | 本を読んだで
アンソニー・ホロヴィッツ   山田蘭訳      東京創元社

 小生は西宮の生まれだから、西宮には親戚もいる。その西宮の親戚がウチに来るとき、ときどき手土産で持ってくるお菓子に、おかき巻きというお菓子がある。おかきをおかきで巻いたおかき。お世辞にもおしゃれであか抜けたお菓子とはいえないが、けっこうおいしい。
 この小説は、この西宮銘菓おかき巻きみたいな小説である。小説を小説で巻いてある。一粒で二度おいしい。一読で二読おもしろいのである。
 上巻を読みはじめて、あれ、製本ミスじゃないだろかと思うだろう。中扉が2度出てくる。なぜかはネタばれになるのでいえないが、上巻を読み進めていくうちに面白いのでそんなことは気にしなくなる。
 で、ちょっと不満を残しながら下巻にとりかかる。下巻がおかき巻きの外側のおかきということだ。なんのこっちゃ判らんと思うが、読めば判る。