ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

喜楽館の4周年記念特別公演

2022年07月14日 | 上方落語楽しんだで
 神戸新開地の喜楽館ができて4周年となります。で、4周年記念特別公演をやっております。これは喜楽館のタニマチの小生も行かねばなりません。午前中、会社で仕事をして午後より半日有給休暇を取って新開地へ行く。
 喜楽館に着きました。呼び込み太鼓が鳴らされています。入り口にメリケンさんが座ってはった。大阪の新世界の通天閣にビリケンさんがおるねんから、新開地の喜楽館にもなんぞおってもええやろ、とゆうことでできたのが、このメリケンさん。新世界がビリケンさんやから港町神戸はメリケン波止場にちなんでメリケンさんというわけ。デザインは桂あやめ師匠。ひざをなでると落語家の笑い声が聞こえます。なでました。桂文福師匠の大笑いが聞こえました。
 さて、開演前の一席は月亭希遊さん。「鷺とり」の鷺がでてこないバージョン、鷺の替りにガタロが出てくる噺をやらはった。ガタロ、河童のことやねんけど、大昔、川底をさらって金属くずなんかを回収して金にしてるおっさんをガタロとゆう。こんなん若い人は知らんやろ。
 開口一番は桂華紋さん。「牛ほめ」の半ば家の普請をほめるとこまで、台所の柱の節穴に秋葉さんのお札を張るとこまででした。
 2番手は笑福亭由瓶さん。「癪のあい薬」をやらはった。このときは林家染吉さんがこの噺をやらはったが、期せずして染丸一門と鶴瓶一門の「癪のあい薬」の聞き比べとなりました。甲乙つけがたいです。噺のうまさでは染吉さん、元気の良さでは由瓶さんですね。ハゲ頭をぺろぺろなめられるお侍のおかしさは両方おなじぐらいです。
 色もんは滑稽音曲の囃子座。クラリネット、太鼓鐘、バンジョーの3人組。いまや懐かしいチンドン屋さんです。ジャズのスタンダードナンバー「A列車で行こう」を演奏してくれました。
 仲入り前のモタレは林家染二さん。あのパワフル染二です。やった演目は「貧乏神」です。この噺、もとは小佐田定雄さんが桂枝雀師匠のために書いた噺ですが、今や古典となりいろんな噺家さんがやります。登場人物?(神)の貧乏神がなんとも哀れで悲しくそしておかしい名作です。枝雀師匠の貧乏神はなんともいえんペーソスがありましたが、パワフル染二さんの貧乏神は、元気な染二さんがやるから、哀しい仲にもたくましさが垣間見えて、なかなか味わいがある貧乏神でした。染二さんの貧乏神のファンになりました。
 さて仲入り後の最初は桂あやめさん。なんとも鮮やかな着物で高座に上がらはった。あいかわらず色っぽい。入り口にあるメリケンさんにまつわるマクラ。通天閣のビリケンさんが有名ですが、実は日本初のビリケン像は神戸にあるんですって。ここ喜楽館の近くの松尾稲荷神社にビリケンさんがいてはる。というマクラをしゃべっていると下座でチンと鐘がなった。「あ、吉弥さんがきはった」このあと出る桂吉弥さんが遅れているのであやめさんが時間かせぎしてはったんです。で、本編に。本編は「コンパ大作戦」あやめ落語の大定番です。
 で、遅れてた桂吉弥さん。なんでもJRの新快速が遅れてたんですって。小生もJRで通勤してるのですが、しょっちゅうダイヤが狂ってますね。なんか「電車とお客さまとの接触」が多いです。その吉弥さんが演じたのは「七段目」芝居噺です。う~む。さすがに米朝一門の芝居噺です。師匠の吉朝師匠によく似てきました。
 さてトリは笑福亭松喬師匠です。少し年をとらはった。マクラは博打の話。ぼんくら息子なんていう「ぼんくら」という言葉。もとは半丁賭博からきたんですって。「ぼん」半か丁かの盆の上が暗くて愚かなことからきてる言葉だそうです。
で、ばくち打ちが出てくる落語。「へっつい幽霊」です。主人公は博打うちののうてんの熊五郎。「らくだ」にも熊五郎が出てきますが、あちらはヤタケタでムチャもんですが、こちらの熊五郎はそれなりの筋の通った男。勘当されたアホぼんの面倒を見てます。その熊五郎、出てきた幽霊と博打をします。松喬師匠、泥棒の噺もうまいけど博打うちの噺もうまいです。
 落語を楽しんだあとはお食事です。三宮に移動して駅前のミント神戸に行きました。7階の台湾料理の京鼎楼に行きました。夏の台湾夜市コースをいただきました。小籠包がおいしゅうございました。点心がいろいろ出てきてたのしく満足しました。もちろん水分補給も怠りません。