ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

喜楽館へ行ったで

2022年06月13日 | 上方落語楽しんだで
 昨日の昼食は天津飯。ちゃちゃと調理して、食べて、さっさと後かたづけして家を出る。ええ天気や。行先は新開地喜楽館。昼席を見に行った。ワシは喜楽館のタニマチやから電話で予約して席を確保してもらってた。開場まで少し時間があるので近くの喫茶店でレイコをいただく。タニマチの名刺で割引をしてもらう。
 時間や。喜楽館に入る。ほどなく笑福亭喬路さん開演前の一席。7代目松喬師匠の末っ子のお弟子さん。「犬の眼」をやらはった。がんばってください。
 開口一番は桂小梅さん。「平林」を元気にやらはったのはええけど、マクラで美術館ネタ。ご婦人が絵を見てる。「これは?」「ルノアールでございます」「ゴッホでございます」「これはピカソね」「いいえ鏡でございます」このくすぐりはもう古い。ピカソ=わけわからん絵という認識はさすがにもう古いやろ。もっとマニアックな画家なら面白いやろな。「これは」「岩佐又兵衛でございます」じゃホラーになるな。
 2番手は林家花丸さん。落語家は木戸銭払って客として同業者の落語を聞くことはご法度。だから他の趣味を持っている落語家が多いとのマクラ。花丸さんは「宝塚」年間60回も行ったことがおありだとか。「こんにちは」「お、こっち入り」をタカラヅカ調でやって笑いを取らはった。本編は子狸を助ける噺。あ、「狸賽」かなと思ったが、狸が化けたのはサイコロやのうて鯉。「狸の鯉」やった。ワシ、この噺をナマで聞いたのは初めて。
 さて次は、きょうのお目当ての一人。内海英華姐さん。この日の喜楽館は「文化庁芸術祭受賞者ウィーク」ちゅう企画やったけど、その受賞者が英華姐さん。姐さんの「女道楽」がお上にほめられたちゅうこってすな。おめでとうございます。内海英華姐さん。このあと出てくる笑福亭鶴二さんとラジオ番組をやってはるんですって。鶴二さんをいじるマクラ。あいかわらずの三味線の超絶技巧。少し年をめさはったけど、やっぱり色っぽい。
 仲入り前の仲トリはさっき英華姐さんにいじられた笑福亭鶴二さん。マクラで姐さんをいじり返す。とつぜん内海英華姐さん高座に乱入。大笑い。こういうハプニングは生の落語会ならではやな。
 鶴二さんは「竹の水仙」をやらはった。こういうボロボロのおっさんがじつはエライ先生というのはひとつのパターンやな。「抜け雀」がそうやし、「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」もそうやな。
 さて仲入り後の最初は笑福亭銀瓶さん。銀瓶さんはなかなかの文章家(落語家さんには筆が立つ人が多い)以前、銀瓶さんの自叙伝「師弟」を読んだけど面白かった。
 以前、繁昌亭である落語をやったとき、下げで寝転ぶんやけど、桂福車さんのアドバイスで、「どうせ幕が下りるんやから、寝ころんだままでええやん」とゆわれて、そのとおりしたら、楽屋におった桂ざこば師匠にえらいおこられた。ざこば師匠マジでおこったはったんか、しゃれったんか、さてどっちでっしゃろな。
きょうは、その落語をやります、と「書き割り盗人」をやって、ほんまに下げで寝転んだまま終わらはった。
 さて、トリ前は講談。旭堂南龍さん。「長門守由来」上方の講談は、「難波戦記」なんか大阪夏の陣冬の陣あたりを話題にする講談が多い。この講談もそれ。豊臣方の武将木村重成の官名は長門守。なぜ重成が長門守になったのか。
 さて、トリは桂文之助さん。大ネタ「らくだ」この噺、6代目笑福亭松鶴師匠の代名詞みたいやけど、文之助さんの大師匠桂米朝師匠もやらはった。文之助さんの「らくだ」はきっちり米朝師匠の「らくだ」やった。
 で、上方落語で心は満足、どこでお腹を満足させようか。ワシ一人やったらグリル一平で食うことが多いけど、この時は家人と二人。三宮のイタメシ屋に入った。オードブルとピザ、パスタ、パン、デザート、コーヒー。ピザがでっかかった。お腹いっぱいになった。あれであの値段やったら安いんやないの。