ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

北斎漫画

2019年10月07日 | 映画みたで

監督 新藤兼人
出演 緒形拳、西田敏行、田中裕子、樋口可南子

 葛飾北斎を映像化した作品としては、アニメ「百日紅」テレビドラマ「眩くらら」そして、この映画と3本観た。「百日紅」と「眩くらら」は主人公は北斎の娘お栄。この「北斎漫画」は北斎が主人公であるが、お栄も重要な登場人物である。北斎を取り巻く重要な人物としては、娘で弟子のお栄以外に戯作者の滝沢馬琴がいる。
「百日紅」には馬琴は出てなかったが、この映画と「眩くらら」には出ていた。葛飾北斎と滝沢馬琴。当代の人気絵師と作家。平井和正と生頼範義か星新一と真鍋博といったところか。
 その馬琴、この映画ではお栄よりも重要な人物として描かれている。史実では、どうも北斎と馬琴はコンビを解消したらしいが、この映画では最晩年まで友として描かれている。
 もう一人の重要脇役のお栄は「百日紅」と「眩くらら」は一人前のクリエイターとなっているが、こちらではたんなる北斎のアシスタントである。
 で、肝心の北斎だが、「百日紅」と「眩くらら」では晩年の画号のとおり、まさしく「画狂人」で、画以外は眼中になかったが、この映画では樋口演じるお直という人物を創ることによって、男性としての北斎を描写している。お直、葛飾北明がモデルかな。