『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

釘念仏

2006年10月11日 | 伝説
高木誠一は、いわき市平北神谷の十九夜講の際に唱えられる「釘念仏」
「血の池和讃」「十九夜和讃」という三つの念仏和讃の歌詞も紹介している。
今回は、そのうちの「釘念仏」を紹介する。

 釘念仏
抑々、坂東下野の国、日光山の麓にて、有山寺の其内に、
釘念仏の縁起あり。
其身々々の科により、長さ八寸また四寸、一尺二寸の釘うてば、
かうべに五本、手に六本、胸と腹とに十四本、腰と足とに二十四本、
四十九本の釘うてば、其時亡者のなげく声、
娑婆に子供を持つ人は、卒塔婆を立てて弔へば、胸と腹との釘ぬける、
手の内供養で弔へば、腰と足との釘ぬける、
四十九本の釘の数、下は奈落の底までも、上は今世の空までも、
ひびき渡ると歎くなり。
                『石城北神谷誌』より


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 十九夜講 高木誠一の記録 | トップ | 時間を旅するということ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

伝説」カテゴリの最新記事