『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

いわき市内に鎮座する7つの「式内社」

2007年05月03日 | 歴史
次に紹介するのは、いわき市内に鎮座する、
いわゆる「式内社」についての記述だ。
出典は、大須賀筠軒(おおすがいんけん 1841年~1912年)の
『磐城誌料歳時民俗記』(明治25年(1892)序文執筆)。

按ニ、寛文巳酉、曲松ノ處士、葛山為篤選スル磐城風土記ニ、
延喜式内七社ノ中、菅波村ノ大國魂、湯本村ノ温泉、
住吉村ノ住吉、上矢田村ノ鹿島ノ四座アツテ、
二脵、佐麻久峯、子鍬倉ノ三遺址ナシトアリ。
其後、内藤候、古社ノ湮滅ヲ歎キ、有司ニ命ジ、
徧ク封内ヲ捜索シ、遂ニ三遺址ヲ審カニスルヲ得タリ。
二脵ハ天和ノ頃、義概朝臣、之ヲ下小川ニ得タリ。
吉田家ノ勘文ト符号ス。夏井川ノ二叉ニ流レシヲ以テ
二脵ノ号ハ起リシモノトゾ。
佐麻久峯モ舊記亡滅、祭神ヲ詳カニセズ。
義泰朝臣、書ヲ以テ吉田兼連朝臣ニ質問セシモ、未考ノ答ナリシ。
爾後、嗣君義孝朝臣ニ及ビ、社家者流吉川氏ニ問フテ、
其神ノ五十猛命ヲ祀リシ事ヲ詳カニス。子鍬倉ハ本櫻甼ノ士邸内ニアリ。
其邉ヨリ曲玉ヲ掘リ出セル事ナドアリテ、
其古蹟タル疑ナキヲ以テ後更ニ今ノ揚土臺ヘ遷サレタリ。
三侯ノ神社ニ功アル、偉ナリト謂フベシ。

いわき市内に鎮座する「式内社」、
つまり、延喜式に記載のある神社は、
平菅波の大国魂神社、湯本の温泉神社、住吉の住吉神社、
鹿島上矢田の鹿島神社、小川の二俣神社、平の佐麻久峯神社、
平の子鍬倉神社の7社だ。

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