『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

陰暦10月10日  鍬からき

2007年12月11日 | 歴史
大須賀筠軒(天保12(1841)年~大正元(1912)年)が、
明治25(1892)年に書き記した
『磐城誌料歳時民俗記』(歴史春秋社刊)を
ひも解くこととします。
どうぞ、お付き合いください。

さて、『磐城誌料歳時民俗記』の陰暦10月10日の項には、
次のような記述もあります。

十日 「鍬からき」トテ、五、七人ヅヽ思ヒ々々ニ集リ、酒食ヲ饗ス。是ハ耕作ノ鋤鍬ニテ思ハズ殺セル土中ノ虫ノ供養ナリトゾ。

これを現代的な表現に改めると、
次のようになるかと思います。

陰暦10月10日 「鍬(くわ)からき」といって、
五、七人ずつ思い思いに集まり、
酒を飲み、御馳走を食べる。
この「鍬からき」という習俗には、
農作業のなかで鋤(すき)や鍬(くわ)などで
知らず知らずのうちに殺してしまった
土の中の虫たちへの供養の意味が込められている。

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