食・飲・読の日記

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昨夜のカレー、明日のパン@木皿泉

2015-03-25 11:31:42 | 本(か)
  昨夜のカレー、明日のパン@木皿泉 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだー。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。




読み始めは、不思議な感性の持ち主の人たちのお話かと思いましたが、読み進むにつれ、その個性豊かな面々が私のうちに形になって現れ、魅了されました。ギフにとっては息子、テツコにとっては夫である一樹が亡くなったという悲しみを胸に抱きつつ、日常を送っている2人。ギフのほんわかした雰囲気や、ちょっとおとぼけなところにホッとします。家庭を作るのを怖がるテツコ、その優しさが伝わってきます。一樹にリンクしていろいろな人が登場しますが、ほんと、一樹はすてきな青年だったんだなと思います。この物語の中心にはギフとテツコが住んでいる、大きな銀杏の木のある家があります。そこに暮らしがあるからこそ、ギフとテツコは一緒にいるんだなと思います。そしてテツコの恋人?婚約者?の岩井もその暮らしに少しずつ入ってきました。きっとそこにある暮らしは永遠に続いていくんだろうな。

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