食・飲・読の日記

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ふうふうつみれ鍋 居酒屋ぜんや@坂井希久子

2021-04-05 15:38:17 | 本(さ)
  ふうふうつみれ鍋 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
武家の次男坊・林只次郎は、当代一の美声を誇る鴬ルリオの雛が成長し、美しい声音で歌い始めたことに喜ぶ。その雄の若鳥一羽を馴染みの旦那衆の誰に譲るかを、居酒屋「ぜんや」で美味しい食事を囲みつつ決めることになった。豆腐と筍のうま煮、筍羹、筍ご飯と筍づくしの絶品料理が並ぶなか、旦那衆は鴬への愛情をそれぞれの表現で主張するのだが…。庶民の味方の居酒屋「ぜんや」、女将・お妙が癒しの笑顔でお迎えします。心にも体にもしあわせ沁み渡る、傑作人情小説第七巻。




居酒屋ぜんやシリーズ第六巻の読書感想文はこちら

只次郎、いい男になってきてる! やさしくてほがらかで頭の回転がよく、体もたくましくなってきた! 相変わらずお妙の料理をおいしそうに食べる様もいいね! 前巻でややこしい問題は解決しているので、今回はほんわか楽しい居酒屋ぜんやです。只次郎とお妙のやり取り、ふふふっとほほえんじゃう。三話目までは。あれこれあって、最後はいつものふたりに戻りました。戻ったのがいいのか悪いのか。ふたりの関係はちっとも進展せず、じれったい感じもするけれど、このまま白黒つけない穏やかな関係もいいのかも!?

一話ずつのちょこっと感想。
春告げ鳥:ルリオの子をめぐって繰り広げられる馴染みの旦那衆の話し合い、江戸の大店を切り回してきただけあって、丁々発止のやり取りがおもしろかった! 只次郎が姪のお栄のためにルリオの子を利用するとは意外だったけど、お栄を思えばこそなんだな。家を出てもなお、お栄を大事に思う只次郎、やさしいね。

授かり物:升川屋とその妻お志乃の夫婦けんか。こんなの前にもあったよねぇ。お妙を頼らず、何とかしなさいな、升川屋。それからおえん、ダイエット成功どころか、本来の目的も成就、おめでとう!

半夏生:只さんに扮する只次郎、生き生きしてる。本当に商人に向いているのかも。そんな只次郎、商人になるまたとないチャンスが到来。が、お妙を好いている只次郎、お妙は只次郎に好意はみじんもありませんという態度をとるし、悩みは尽きないよねぇ。

遠雷:只さんに恋するお浜が居酒屋ぜんやに乗り込んできた。若さの勢い、ずっと愛されて生きてきた強み、お妙とは対照的です。お妙の心に変化があったかな?

秋の風:三河屋の押しの強さ、ずるがしこさ、さすが大店の主人です。あれこれ悩んだ只次郎、腹も決まって、さぁというところで三河屋にしてやられるっていうね。只次郎らしいと言えば只次郎らしい。最後はいつもの只次郎とお妙になっていたけれど、この先どうなるのかなぁ。

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