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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

美雪晴れ みをつくし料理帖@高田郁

2014-09-21 10:43:27 | 本(た)
  美雪晴れ みをつくし料理帖@高田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳。悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、漸く訪れた幸せの兆しだった。しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしいー。一方で澪も、幼馴染みのあさひ太夫こと野江の身請けについて、また料理人としての自らの行く末について、懊悩する日々を送っていた…。いよいよ佳境を迎える「みをつくし料理帖」シリーズ。幸せの種を蒔く、第九弾。




残月 みをつくし料理帖の感想文はこちら

第九弾の美雪晴れ、澪を取り囲む人と人とのつながりがより一層強く濃く感じられ、また一歩一歩目標にむかって進んでいく澪の成長・強さに驚きました。料理に対する真摯な姿勢はずっと変わらないものの、自分の進むべき道を見つけた澪がどのように目標を叶えるのか、興味津々のラストでした。プッと笑ったり、涙したり、喜んだり、息を飲んだり、ホッとしたり、私のいろいろな感情がわきでてくる一冊でした。
澪を取り囲む芳をはじめ、種市、りう、おりょう、ふきとおなじみに面々に加え、新しい仲間も増えました。しかし今回はなんといっても一柳の主・柳吾が素敵すぎます。かっこよすぎます。芳を大事に思い、料理を大切にし、周りの状況を見極めて的確に決断し、でも相手を尊重する、素晴らしいお人です。ピリッと毒の効いた清右衛門先生、お金でなく知恵を出してくれる摂津屋が物語のいいアクセントになっています。芳の息子・佐兵衛は料理の道に戻るのか、慈愛にみちた源斉先生は澪とこれまでとは違った関係になるのか、そしてなにより澪はお金を稼いで野江を見受けできるのか、あぁ気になること満載! 次の第十弾で最終巻。読むのが待ち遠しいような、もったいないような‥そんな気分です。

1話ごとのちょこっと感想↓
神帰月―味わい焼き蒲鉾 いきなり笑いました。そして芳が決意を固めて、息子の佐兵衛とも心を通わすことができて、本当によかった!
美雪晴れ―立春大根もち 又次を思うみんなの切ない気持ちに涙。「料理に身をつくす」と言った源斉先生の言葉が印象的でした。
華燭―宝つくし 柳吾の素晴らしさ全開!野江ちゃん元気そうで少し安心しました。
ひと筋の道―昔ながら とうとうお金を稼いで野江を身請けするスタートを切った澪。周囲の応援、支えもすばらしいです。私も一緒に応援している気分です。

特別収録―富士日和 あぁ小松原さま(澪の元婚約者)、お久しぶりです。特別収録でもお姿拝見できてうれしかったです。

残月 みをつくし料理帖@高田郁

2014-05-20 12:19:08 | 本(た)
  残月 みをつくし料理帖@高田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、澪と「つる家」の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる家」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に遺した言葉の真意を知りたいという。澪の幼馴染み、あさひ太夫こと野江のその後とは――(第一話「残月」)。その他、若旦那・佐兵衛との再会は叶うのか?料理屋「登龍楼」に呼び出された澪の新たなる試練とは…。雲外蒼天を胸に、料理に生きる澪と「つる家」の新たなる決意。希望溢れるシリーズ第八弾。




みをつくし料理帖シリーズ、とても好きな作品です。主人公・澪は人にも料理にも真摯で一生懸命で、涙もろい一方負けん気が強い頑固で男前なところもあります。そんな澪の周りには、澪と一緒に暮らしている気高い心を持ちつつ、いろんな苦難を乗り越えてきた芳、幼馴染で吉原にいる美しい野江、つる屋の主人で生粋の江戸っ子の種市、つる屋の看板娘(!?)りう、一緒につる屋で働く肝っ玉母ちゃんって感じのおりょうさん、患者のことを心から考える医師・源斉先生、口は悪いが実はするどい視点でいろんなことを読み取る清右衛門先生などなどなどなど、まだたくさんの素敵な人がいます。もちろん、イヤーな奴もたくさんいるんですが‥ そうそう料理帖というだけに、お料理の描写も読みごたえがあります。

シリーズ第8弾は、相手を思う気持ちや、心の痛みや、素敵なアドバイスなどに何度か涙腺がゆるみました。それぞれが進む道の方向を見つけた、そんな希望の光が差し込んだような1冊でした。みんなバラバラになっちゃうかもってちょっと心配も。でも相手を思う気持ちがあれば、居場所が違うようになって大丈夫なんだろうなと思います。もう一度シリーズ第1弾から読み直したい気持ちでいっぱいです!

1話ごとのちょこっと感想↓
残月―かのひとの面影膳 大切な人を亡くしたふきに種市が語る言葉に感動しました。
彼岸まで―慰め海苔巻  芳が紆余曲折の末、行方不明の息子と再会。芳の心が少しでも穏やかになるようにと願わずにはいられませんでした。
みくじは吉―麗し鼈甲球 澪と野江の再会。よかった‥ 澪がつる屋と離れ進む道筋を見つけたようで、それがどういう風になるか気になります。
寒中の麦―心ゆるす葛湯 芳が幸せになる! 芳の人柄ゆえのことだけど、本当によかった!

やさぐれるには、まだ早い!@豊島ミホ

2013-08-11 12:00:00 | 本(た)
  やさぐれるには、まだ早い!@豊島ミホ 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
「ミホちゃん、彼氏に何あげるの?」「ヤカン」大学入学を機に秋田から上京して20歳で作家になった豊島ミホの東京っぽくない東京暮らし。初めて彼氏の居るクリスマス、AV鑑賞入門、ひとり花火大会、同棲問題…。“底辺女子高生”だった彼女は、ここで何を見つけたのか。それとも、何も見つからなかったのか。




タイトルがおもしろくて、初めて豊島ミホさんの作品を読んでみました。頭の中で考えていることが文章になったような感じ。おもしろかったです。変わった考え方をする人だなぁと思いました。「理想の彼氏」「十年ドライヤー」が好きでした 特に「理想の彼氏」、理想の彼氏の条件を書くというお話で、最初に108個書き出したなんて、面白すぎる! 自分でもちょっとやってみようかなと思ったけど、現在の夫君とのギャップが大きくなったら怖いのでやめておきました

うさぎパン@瀧羽麻子

2013-07-14 12:00:00 | 本(た)
  うさぎパン@瀧羽麻子 

あらすじ(文庫本背表紙より)
お嬢様学校育ちの優子は、高校生になって同級生の富田君と大好きなパン屋巡りを始める。継母と暮らす優子と両親が離婚した富田君。二人はお互いへの淡い思い、家族への気持ちを深めていく。そんなある日、優子の前に思いがけない女性が現れ…。書き下ろし短編「はちみつ」も加えた、ささやかだけれど眩い青春の日々の物語。




「うさぎパン」は、初々しい優子の語る恋と母親のお話がすんなり心に入ってきました この世にいないはずの母親との会話もすんなりと  高校生のころって、友達や大人やいろんな人の影響を受けてたなぁと懐かしく思い出しました。なんかちょっと自分の青春時代とリンクするような感じ。食べ物の存在も大きい 質の高いパン屋やケーキ屋がたくさんあるこの町に行ってみたくなります

シモネッタの男と女@田丸公美子

2013-06-23 12:00:00 | 本(た)
  シモネッタの男と女@田丸公美子 

あらすじ(文庫本背表紙より)
人生には、前世から定めとしか思えない運命的な出逢いがある。――著者が深く関わった、年齢も国境も超えた六人の男女。彼らの人生をたどり直し、一流の通訳者ならではの洞察力と共鳴力で、生きることの現実を鮮やかに描き切った珠玉のエッセイ集。愛するものを失っても、いつか光は射すのだと教えてくれる本。




イタリアにはいろんな人がいるんだなぁ。そのいろんな人に深く関わっていく著者がすごくパワフル 著者のバイタリティが面白かったし、憧れたりしました  日本人男性がひとり描かれてるんだけど、著者の創造?妄想?が膨らみすぎてて、実際の彼とのギャップつまり著者のがっかり感が伝わってきたのが印象的でした。