最近、刃物であかの他人を突然に殺傷する事件が度々発生しています。
日本は本当にどうなっているのでしょう。
新聞紙上を賑わしているニュースの中には、普段私たちが生活している感覚からするとびっくりするようなことが多くなっています。
子育てにおいては、ノイローゼから子供を窓から投げ捨ててしまったとか、殺してしまったとか、子供の養育の放棄が増えているとか、
高齢者の介護では、認知症の高齢者への悪質な詐欺が絶えないとか、介護の重荷から家族が崩壊したとか、
あかの他人を突然、刃物で殺傷するとか、
刑務所に入りたいから誰でもよいから殺したかったとか、
毎日、びっくりするような事件で驚きの一言です。
従来、日本に存在した相互に認知し合い、相互扶助を日常のものとしていたコミュニティが、
現在も健全に引き継がれていれば、起こりえなかったのではないかと思われるような事件ばかりです。
昔の農耕を中心とした村社会においては、個人のプライバシーが守られないという問題はありましたが、
人々の間には農作物の収穫という共通目標があり、収穫に向かって皆が協力し、助け合って仕事を進め、
また、各種の祭りなどの祝祭行事を行い、共に祈りや喜びを分かち合う中で、共同体としての意識を高め、
子育ても、高齢者のケアも、相互扶助の精神によった対応がなされていました。
この共同体における相互扶助の精神は、街や村の形成においても息づき、自然と人が調和した優雅さを生み出した訳ですが、
西欧の産業革命以降に表れた経済合理主義が、建物の建て方や道路の整備の仕方に浸透し、
街なかにあった調和や優雅さは消え失せ、他者との共存の基盤が失われたきました。
現代の社会には、ぎすぎすした人間模様が行き交う人々の表情に垣間見えて本当に悲しい社会です。
人間関係がどんどん希薄になっていくと共に、人間関係の希薄さが悩みとなり、ストレスを感じている人も少なくありません。
人間関係において、何らかの不満を感じているという意味においては、日本社会にとって大きなテーマではないでしょうか。
現代は高度情報化社会が進み、インターネットという新しいインフラが出現し、
ＰＣや携帯電話を利用したコミューケーションツールも昔に比べれば、ぐっと増えています。
コミュニケーションの機会の増加が必ずしも、希薄さの解消に繋がっているとは言えませんし、
希薄さを解消するための土壌が用意されているとも言えないと思います。
間違いないことは人間関係が希薄であると感じている人々が数多く存在しているということではないでしょうか。
人間関係の希薄さの誘因としては、核家族化、価値観の多様化、終身雇用の衰退、
ニート・フリーターの増加など様々なものが挙げられる一方、それらとは別に、
個人が人間関係をうまく形成できないといった精神面での未成熟さなどもあるかもしれません。
いずれにしろ、人間関係そのものは流動的で環境に左右されやすいものですから、
もし人間関係の希薄さに悩んでいるのであれば、まず置かれた環境を客観的に分析し、
環境を改善、あるいは思い切って、環境を変えるという手段を考えてみるのも価値があるのではないでしょうか。
しかし、問題は社会が正しい認識の上に立って社会全体が対応していくことが大切だと思います。
また、日本の教育についても根本的に考え直さなければならないと思います。
親は子の為だと ・・ よく言いますが、本当は自分たち（親）の為では ・・・
偏差値教育などどうでもいいことだと思いますが・・・・。
偏差値で人の優劣を決定すること自体間違っています。
そういった中で、
●２０１３年２月１８日午後１０時２０分ごろ、沖縄県宮古島市平良西里の路上で、
「男４、５人がけんかしている」と１１０番があった。県警宮古島署員が駆け付けたところ、
住所、職業不詳仲間明人さん（４８）が意識不明の状態で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。
同署は１９日未明、傷害容疑で同県浦添市仲西、自称アルバイトＮ容疑者（３４）ら２人を逮捕した。
今後容疑を傷害致死に切り替えて調べるとのこと。
●２０１３年２月２６日午後５時ごろ、東京都墨田区のＪＲ錦糸町駅のホームで、「男性が刃物で刺された」と駅員から１１０番があった。
警視庁本所署員が駆け付けると、千葉県船橋市の飲食店従業員の男性（３９）が背中を切られており軽傷。
切り付けたとみられる２０～３０代の男が逃走しており、同署が傷害事件として行方を追っている。
同署などによると、男性は総武線快速上り電車（１５両編成）に乗っていた際、
隣に座っていた男と体がぶつかって口論になった。同駅で下車すると、ホームで男にいきなり切り付けられたという。
●２０１３年３月１９日午前８時１５分ごろ、東京都江東区東陽の東京メトロ東西線東陽町駅の出入り口近くで、
男が刃物を振り回し、警視庁深川署によると3人が刺された。男は駅員に取り押さえられ、同署が詳しい状況などを調べている。
東京消防庁によると、刺された３人のうち２人は６０代と５０代の男性で、いずれも背中を刺されたが意識はあるという。
しかし、東京メトロ東西線・東陽町駅前で１９日朝、発生した事件では、通勤・通学ラッシュでごった返す中での凶行に、
駅周辺は一時、逃げまどう人の悲鳴で騒然とした雰囲気に包まれた。男は４人に軽傷を負わせた後、
さらに通行人を追いかけ続けたが、最後は襲いかかった男性らに、その場で取り押さえられた。
同駅の出入り口付近にいた男性によると、男に追いかけられていた男性の１人が、
駅近くの商店の店先にあった幟(のぼり)を手に防戦。男は刃物を振り回しながら「ふざけんじゃねえ」などと叫びながら
激しく抵抗していたが、サオで何度も体を突かれ、その場に倒れ込んだところを数人の男性によって一斉に押さえつけられた。
男はうつぶせ状態にされ、手を背後にねじられて取り押さえられた。その後、駆けつけた警察官に引き渡されたという。
目撃した江東区内の主婦（６３）は、「危険を顧みず、刃物を持った相手に向かっていくなんてすごい。
おかげで被害が広がらずに済んだ」と、胸をなで下ろしていた。
勇気あるこの男性が被害の拡大を防ぐことになったことは感動を覚えます。
最近、身の回りで注意すべきことがあっても見て見ぬふりをするというのが当たり前になっていますが、
この方のような姿勢は社会に大切なものを語りかけているように思えます。
昭和３０年代の人間関係や日本社会のあり方を取り戻してほしいものです。
貧しくても、人々の心は温かかったと思います。
昔がよかったと思うのは歳のせいかもしれません。
でも、現代の世の中は何かがおかしいと思いますが ・・・。
