夜中の物音

夜半何やら物音が

姫か？

姫はここに　

私の傍らに

居る

気のせいかな？

しばらく耳を澄ませていると

まだ物音は続く

風？

窓を開けてみようと思うのだけれど

体は思うように動きださない

決して金縛りなどと言うものではないけれど

動く気になれない

・・・・

シェフは気にならないのか

あらら

まだリビングに居る

でも居眠りしているようだ

姫何だろうね？

と

一層姫を抱きしめて

耳を澄ます

表はそんなに風が強いのかな？

気になりながらも

ただじっとしている自分

かつての記憶が少しよみがえり

動くことが怖い

じっとやり過ごす方がいいような気がして

しばらくして

猫だろうか

トコトコと歩く音

この音は人の物ではない

猫ちゃんの音・・・・

そう思うことにする

結局朝までまんじりともせずに

本を読んで過ごした

仄明るくなって

そのうちに早い出勤の人の動き出す気配

申し越し明るさを増した頃に

起き上がってみた

部屋のあちこちを見る

何事も変わった風もないことに

安堵して

朝が始まった

何だったのかな？

谷中過ぎから仕事しているあの人に聞いてみよう



昨夜は風が強かったんだよね

きっと



そう思うことにしよう



過去の記憶と言うのは

思いがけない時

思いがけなく

よみがえって

時には幸せな気持ちを

時には不安な気持ちを

よぎらせる



なんでもない

なんでもない

そう信じていよう



世間にある

普通には考えられない出来事がたくさんあって

この地方でも振り込め詐欺や暴力事件泥棒騒ぎなど

新聞に掲載されていること

悲しいことです

心に

疑心暗鬼な気持ちや

不安な気持ちを植え付ける

みんなが信じあって

まっすぐそのままに気持ちを交わしあうことが

素敵で大切なのに

もしもその人が被害者に成ったらどんな気持ちがするのだろう

そう考えることなどないのかな・・・

平穏無事に

ごくごく普通に

足るを知りながら

過ごせたらいいのにね





今夜はどんな音が聞こえるのかと

少し思いながら