あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

電気羊の夢。

2005-06-06 18:56:50 | cyber
脳の研究用にIBMがスーパーコンピュータを納入したというニュース。

スーパーコンピュータで脳の研究というのは、馴染みがないのですが、
同大学の研究プロジェクトでは、2年をかけて、新皮質と呼ばれる脳の主要部分を電気化学的にシミュレートする立体モデルを開発していく。また、脳の他の部分のシミュレーションも行い、いずれは脳全体を対象とする予定だ。

とのことです。
「電気化学的」というのがちょっとイメージできないのですが、シナプスいっこいっこの動作や成長っぷりをシミュレーションするのでしょうか?

であるなら、わたしの理解が正しければ、これは「脳」です。
シミュレーションの仕方とか、体感というか感覚器官をどうするのかとかに拠って、いろいろ幅が出てくるとは思うのですが、これが目指してるのは、脳そのものを作ることです。
コンピュータシミュレーション一般に当てはまることと思いますが、この方向は、一般的な感覚で言う「科学的」に脳を「理解」することとは、多分、ちょっと違います。
モデル化というか抽象化の方向とか一般法則を導くことをいったんあきらめて、そのためのデータ収集に使える道具を作ろうとしているように思います。おそらくは、「原理はわからないがとりあえず実験に使えるもの」ができるんじゃないかと思います。
直感的には、「結局単純なモデルにはならないからそのまま使っちゃえ」ということになりそうな気がしてます。
この研究で使われることはなくても、入出力装置としての身体、人型ロボットは、もう存在しているように思います。


目的上、人間の脳の動きを真似する必要があるので、疲れたりとか眠ったりとかもするようになるはずです。欲求を持たせる必要も出てくるでしょう。意識とは何か、ということもまだよくわからない状態で、「意識をもったコンピュータ」が生まれようとしているのかも知れません。創造主も意味を知らず、本人も意味を知らず、ある意味人間的な気もします。
研究者の目的は病気の治療法の研究のようですが、「本人」の生きる目的は、どんなものでしょう。

神経の動きをシミュレーションして脳全体をモデル化しようという試み自体は、多分かなり古いものと思います。
4096プロセッサが、どんな人格を描けるのか、あるいは描けないのか、わたしにはわかりませんが、「観測者としての人間」が予想できないような「人格」が作れそう、そのように意図せずとも発生しそう、という直観はあります。
いまの世の中、身体性より、思考や心こそが人間の本質、人間にとって重要なもの、高度なもの、と思われているように思いますが、そんな意識も、変わっていくのかも知れません。
コンピュータ達が見る電気羊の夢を、わたしたちが映像として見られる日が近づいてるのかもしれません。
逆もまた真なら、コンピュータには人間はどう映るでしょうか。


参照記事:
(Cnet, ZDnet)

Diska

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