goo blog サービス終了のお知らせ 

あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

ライアーゲーム。

2007-07-25 02:15:43 | books
普段行かない本屋さんに行ったらライアーゲームのコミックスが平積みになってたので衝動買いしてみました。ドラマ化されて好評のうちに放映終了したらしい、とかいうのは知ってたのですが、全然見てないです。雑誌のも読んでないです。
読んだのは店頭にあった1巻から4巻まで。まだ続いてるようです。
内容説明は端折ります。興味のある人はWikipediaか本編を。

おもしろかったです。

絵柄とか新聞のドラマ予告とかを見た範囲では、週刊少年ジャンプの「よくわかんないルールが支配する現代SFファンタジーバトル物で、話や矛盾やテーマはどうあれとりあえずキャラ立ちしたら勝ち」系のイメージを持ってたのですが(まぁ、ある意味そうなのですが)、もうちょっと重いもののようです。

キャラクターを描くために用意された世界、じゃなくて、主役はゲームであってこのゲームを描くためにキャラクターを持ってきた、「この人が」じゃなく「このゲームは」の方が重要、という感じでしょうか。

このお話に出てくるゲームは、何かの暗示をしてると感じました。
派閥と信用と数字、投資と回収と負債、そしてマネー。
あるいは、この上も、ミもフタもない明示かも知れません。


Google: LIAR GAME(恒常的且つ適切と思えるURLが見つからなかったのでGoogle…)

Diska

OS自作入門。

2006-03-09 20:33:58 | books
「OS自作入門」という本を買った。
30日でブートローダからWindowSystemまで完備なOSを自作する。
読むに当たっての前提は「簡単なプログラムなら書いたことがあるよ」で充分、と言う。ちょっとイマドキノギジュツシャの技術力というか資質を買いかぶってる気がしなくもないけど、「このタイトル、この値段の本を、読もうと思うほどの物好き」という条件も付けるなら正しそうだ。
ぼくが最後まで興味をもって読破できるか分からないけど、とりあえず読み進んでみよう。

たぶん、IBM-PCを扱うに当たってずっと前からほしかったのは、そして、いままで一度も見つけることができなかったのは、こういう本だ。
MSXのにおいがした。


「0日目」の、4節
無知なら無知でいいじゃないか

が、熱い。


とりあえず「一日目」読了。
自作ブートローダー完成!・・・?

完成したファイルがCDで用意してあるけど、どこまで手を動かすべきかは、読むに当たってちょっと迷う。
マシン語打ち込みをバカ正直にやってみたけど、ちょっとB5版ログイン誌の時代の気分。asm化で短くなったり読みやすくなってくのが楽しい。
あんまり強調されてないけど、たぶん、バイナリエディタやDB命令って、ソフト屋の原体験として重要な気もする。


「30日でできる! OS自作入門」のページ

KimI

ぼくたちの洗脳社会。

2005-05-23 19:20:10 | books
岡田斗司夫の「ぼくたちの洗脳社会」を読んだ。
ぼくの理解では、オタク学の古典的思想書。
買ったのは朝日新聞社の文庫(ISBN4-02-261244-4)。最初の版は1995/12らしい。
著者は、個人的には「ゼネプロの」とかいう枕言葉がしっくり来るんだけど、最近だと「マンガ夜話の」が通りがいいか。オタキングとして知られているらしい。
10年も前の本だけど、面倒だから、その辺はテキトウに脳内補完して読もう。
----
知価革命」から
豊富なものをたくさん使うことを格好よいと感じる美意識と、不足なものを節約するのは正しいと信じる倫理観

という考え方を持ってきて、これを中心に農業革命、産業革命で起こったパラダイムシフト、人の考え方の変化を説明。
その上で、次に来るのは
・価値観を流通、消費するのがかっこいい
・モノを消費するのはかっこよくない
時代である。これを自由洗脳主義と呼んで、洗脳社会と呼ぼう。
というのがこの本の主張らしい。

いまメディアが果たしている洗脳装置の役割が個人の物となって、互いを洗脳しあう社会。
「洗脳」は、別に「感化」とかでもいいんだろうけど、まぁ、キャッチーだ。「啓蒙と洗脳」とか使い分けると、洗脳者側の価値観のニュアンスが入っちゃうから、敢えて「洗脳」で統一した、と説明されている。

その洗脳社会の例示が「パソコン通信」とか「コミケ」とかいうのは、時代とか筆者の立ち位置とかツッコミどころはあるんだけど、その辺はBLOGとかSNSとかそれっぽいハヤリモノに脳内補完するのがまっとうな読み方だろう。
----
人々が産業革命の価値観に失望したら、洗脳社会がくる。
過渡期には苦痛もあるだろう。
価値観が換わるし、前と後でどっちが幸せか比較するのは無意味だ。
けど、こんなおもしろい経験はそうそうあるものじゃない。

突き放して、受け入れて、楽しむ視点はSF屋、「ゼネプロの」岡田斗司夫の感性なのだろう。
----
----
全く抵抗なく読んだ。
勘違いかもしれないが、「わかったあ」と思った。というか、既にわかってた気がした。
うまい予言だった、とか、今になって再販されてる時点で、既にいまの読者にウケそうという価値判断が入ってるとか、まぁ、いろいろ解釈はあるんだろうけど。

国も経済も宗教も、人の価値観が動かしてる。
価値観が換われば世界が変わる。
価値観は流動しはじめている。
ということは、ぼくには疑う余地がない。

どう収束するか、進むのが「いい」のか、わかんないんだけどね。
----
なんで今の時期に突然読もうと思ったかというとその前に読んだ「電波男」で引用されてたからなんだけど…。

KimI

複雑な世界、単純な法則。

2005-04-07 01:58:50 | books
最近、「複雑な世界、単純な法則」という本を読んだ。

個人的な経験から言えば、これは「複雑系の科学」の本だ。
原題「NEXUS: Small Worlds and the Groundbreaking Science of Networks」からは、この本が「ネットワークの科学」の本らしいことがわかる。内容も、ぼくの理解の仕方で行けば、「複雑系の科学」の注目範囲を「ネットワーク」という言葉で限定してまとめた感じ。
ただ、読んだ範囲では「複雑系」という言葉は文字通り一度も出てこない(追記:本文最後から2ページ目で初めて登場してる模様…)。科学っぽい世界の最近の事情もよく知らないんでなんとも言いがたい。カオスという言葉も日本語の混沌みたいな意味で使ってるみたいだし、徹底的に数式が出てこない。
スモールワールド、ハブ、クラスターあたりがキーワードになってるようだが、この辺がどういう文脈でどういう人にどの程度用語として認知されてるのかよくわからない。
----
この本の主張は、ぼくの理解した範囲では、
「なにかがたくさん集まると、全体の性質は、構成要素に依存しなくなってくる」
「構成要素のつながり方に着目すると、全体の性質が特定できる」
ということだと思う。
----
この本が扱うネットワークは、「友達の友達」やら「生物の神経組織」やら「インターネット」やら「水」やら「発電所と送電網」やら「海洋生物の食物連鎖」やら、かなり広範囲だ。
この本は、ひたすら「ある人がこんな実験をしたらこんな成果だった」という話をたくさん並べて、それをつなぐ形で書かれている。インターネットは関係が集中する「ハブ」を取り除いていくとすぐに崩壊する=>では、海洋生物の食物連鎖で「ハブ」となっているのは何だ?といった具合。
本全体としてまとまりがない気もする。例のつなぎ方もちょっと疑問なところもある。応用範囲は広そうだけど、すぐ使うには、フィールドワークが必要だとか、モデル化の仕方(つながりの強さの表現がかなり疑問)の問題だとか、計算量(おおざっぱだが、複雑系は、一般に計算量が大きいはず)だとかいろいろ壁がありそうな気もする。

が、方向は正しそうな気がする。
大量に列挙される実験例は、それ自体がネットワークについて語ったり考えたりする上で役に立ちそうだ。
誰のどういう実験を元に書いてるか、参考文献はちゃんとまとまってる本だから、興味を持ったら検証もできそうだ。
----
Amazonで、最近出た本ということで見つけたのだが、気がつけば、割と小さな本屋で平積みしてたり、asahi.comで取り上げられてたので、一部で評判になってるのだろう。
技術者が読んでもすぐ役に立つ本ではないし、生活に応用するのは難しそうだ。
BLOGGERが興味を持ちやすい話題であるというのは案外無視できない気もするが、それはそれで興味深い。
ここでヨークのコーラをを思い出したりできるのはこの本を読んだおかげかも知れない。
ここ数日のぼくのBLOGには影響が出てる気もする。
----
実はまだ読み終わってない。あと2割ほど残ってる。

----
追記(2005/04/07):読み終わった。エントリにするほどでもないのでやっぱり追記で。経済関係に適用する例で、タイムリー(?)に「神の見えざる手」とかも出てきたけど、論旨的に引用は不適切っぽいからやめとこう。「ネットワークの科学」の位置付けとか、最近の科学の分類度合いとかが頭にあるともうちょっと理解できた気もする。もしやそれ自体を説明する本だったのか?

KimI

超人ロック--冬の虹--1

2005-03-20 22:23:35 | books
少年画報社刊。聖悠紀著。
超人ロックは、いわゆる超能力者が主人公のコミックスのシリーズです。

詳細は作者のページに説明がありますが、描かれた期間的にも、舞台設定的にも、かなり気が遠くなるような歴史があります。最初の作品が発表されたのは大阪万博より前らしいです。
わたしは、ロックのシリーズは以前から目にすると読んでいたのですが体系的には把握してないです。ライトに読んでます。
超人ロックのシリーズは、単行本半冊から3冊分ぐらいのお話が多くて、それぞれ完結してますので、何十冊も付き合う必要はないです。
----
わたしの知る範囲では、超人ロックは、ほとんどが「恒星間で軍用の宇宙船が飛んでたりする時代」の話なのですが、このエピソード、「冬の虹」は20xx年が舞台となってます。
SFではおなじみ(?)の「軌道エレベータ」の建設をめぐって権益だとかで争いが起こります。
監視下におかれつつも民間の雇われスキャナー(超能力者)をやってるロックが軌道エレベータを守るために戦い、いろんな人と出会います。

今回のロックには、後の時代のロックのような超人っぷりはありません。
夜間に飛んでくるステルス機をレールガンで撃ち落したり、相手の思考を読んでて気を失ったり、衛星軌道から宇宙服着て8000キロ落下したあとに格闘する程度(?)のよわよわぶりです。
----
「ベタなタイトルだ!」とか、「超能力者ぁ?」とか、「SFは…」とか、「枕に穴があくぞーっ」とかいうところで「敬遠」するのはもったいないです。
お話がおもしろいのです。

2巻も出てます。が、ごめんなさい。まだ読んでません。

Diska

失踪日記

2005-03-19 03:33:09 | books
吾妻ひでお著。
「失踪日記」は、一世(の一部)を風靡した漫画家が仕事に行き詰まり失踪、路上生活、保護されて強制入院…。実際にあった話を、その本人がマンガに起こした作品だ。本のオビには
「全部実話です(笑)」吾妻
とある。

吾妻ひでお氏がいまどれほど知られてる作家なのか、ぼくはよく知らない。フジテレビでやってた30分アニメの原作者、とか、星雲賞受賞作家、とか言うのも、何か伝わらない気もする。
ヒットメーカーだったかどうかは知らないが、SF、パロディ、美少女マンガの大家で、その分野の人々に一目置かれた人物だったのは疑う余地がない。
ライバルは「NHKマンガ夜話」で有名(?)ないしかわじゅん…手塚治虫の「七色いんこ」で競演してたり…なんてどうでもいいか。

吾妻ひでおらしいギャグマンガの体裁は取っているが、路上の生活ぶりや、拾われて就いた配管工の仕事仲間、アル中入院患者の描写など、具体的で、重みがある。

笑いつつも涙を誘うのは、ファンだったからか、明日は我が身と思わせる世の中のせいか。

失踪日記

KimI

るくるく4

2005-03-19 02:48:37 | books
あさりよしとお著。
アフタヌーン連載のコミックス。おおむね1話完結。
「るくるく」は、貧乏な中学生の家に悪魔が住み着く話。

全編に流れるのは圧倒的なほのぼの感、所帯じみ感。
オチが見えるお約束感も味だ。
分類するならギャグマンガと言って差し支えないと思う。
とはいえ、あさりよしとおの作品の中でも、登場人物はかなりアクが強いような。
いつものSFじゃなく、宗教(?)が入ってるせいかもしれない。

ブラックなユーモアや悲しさも全編に。悪魔を素材にしてるのは伊達じゃない。

いまのところ、るくるくには、「宇宙家族カールビンソン」に出てくる原住民たちのようなオタクっぽさや、「ワッハマン」の終盤のような展開、悲壮感は、期待しないのがよさそうだ(いずれも同氏の作品)。
こんな話が、こんな安定感、安心感を持って読めるのはありがたいのかもしれない。

るくるく4

KimI

げんしけん

2005-03-15 21:52:39 | books
アフタヌーン連載のコミックス。
前から気になってたけどなんとなく手を出してなかった「げんしけん」。
衝動買いして5巻まで一気に読んだ。
----
アニメ文化圏のオタクのサークルの話だ。
一巻の表紙になってる女性が、カレシがオタクだったためにサークルと関わることになる。
嫌悪したり反目したり、いや、しっぱなし。
最後まで染まらないけど、オタクな人々を認めるようになっていく。
というのが大筋の流れ。
---
「ちょっと引く」ようなオタクっぽい生態や考え方もきっちり暗示させてくれるように描かれる。
現役な人たちから見たら人間関係もっとドロドロしてるとか、ディテールが甘いとかいろいろあるのかも知れないけど、世界が充分伝わってくるし、安心して読める。
連載されてるアフタヌーンは「普通の人は知らないか……ちょいマニア向けのマンガ雑誌(一巻p168)」だそうだけど、同人誌べったりな人以外にも受け入れられてるのかな。
----
アニメ作るクラブにいたり、会誌にカットぐらいは描いたことがあったけど、それも遠い昔。
すっかり離れてた世界。
劇中劇「くじびきアンバランス」のディテールとかよりも、登場人物の人間関係の方に目が行ってしまう、オタク視点(?)から逸脱してしまった自分に気がついたりもする。

コアなとこに身を置くのが苦痛になったのは、ゲーム誌の攻略速度に追いつかれるようになったあたりからかなぁ。
----
イタくて、優しくて、かっこよくて、魅力的なマンガだ。
登場人物はみんな好きだけど、一人上げるなら斑目(マダラメ)さん。

KimI