宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

宝満山と白山

2007-09-09 | Weblog
宝満山と白山

白山への登拝からひと月以上が経過した。
未だに覚めやらぬ心地の残るなかに
登拝した意味をどこかで探し続けている。

白山と宝満
残された記録類からこの二つの山は似通った文脈で
歴史的な説明がなされてきたことに気づく。


宝満山にある宝満宮の開基伝説は
白鳳二(674)年、山中で修行中であった
法相の僧侶心蓮上人の夢想に「玉依姫」が出現、
変じて九頭竜馬に臥した金剛神ともなる、と『竈門山旧記』にある。
本地佛は十一面観音である。


白山の開基伝説は
霊亀二(716)年、泰澄上人の夢想に
「白山妙理大菩薩」(=イザナミノミコト)
が出現。この夢想により泰澄は前人未到の
白山を目指すこととなる。
山頂下の「転法輪岩屋」での禅定中に九頭竜が出現し、
本地佛である「十一面観音」に変じた
と『泰澄和尚伝記』に記される。
白山妙理大菩薩はキクリヒメノミコト
でもあり女神である。

別峰である北の大汝峰は
祭神が高祖太男知(大己貴神)であり
本地佛は阿弥陀如来とされ、
南の別山は祭神が小白山別山大行事で、
この神は本来の地主神で白山妙理菩薩に
主峰を譲ったとされる(『白山記』)。
別山の本地佛は聖観音である。

宝満山にも別宮があり
祭神は大田大明神とされ
この神も本来の地主神で玉依姫に
主峰を譲ったとされる(『竈門山旧記』)。

つづく

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