7月の頭から約2ヶ月ぶりのお休みは、やはりテントと鍋とカメラを背負って山を歩いてまいりました。
スケジュールが変わったりして、穂高周辺や薬師周辺、南アルプスなど、目的地もなかなか決まらず、直前になって、やはり槍を見る山歩きがしたいと、西にそれた台風から少しでも遠いルート蝶ヶ岳、常念岳、大天井岳を、穂高連峰と槍ヶ岳をずっと左に見ながら歩く、2泊3日の新表銀座縦走となりました。7月の燕はお隣、穂高周辺同様、このエリアが好きです。
蝶ヶ岳は、一昨年の日帰り以来、常念岳は10年ぶりくらい?。
休みの度に山に上がりたくなるのは、可憐な花々や下の3枚の画像の様な、たまたま居合わせる、偶然な出会いに、感動したり癒されたりするからかもしれません。
台風は、日本海に抜けても速度を上げず、各地に大雨を降らせて、ゆっくりと北上。
我々の入山も危ぶまれる5日、情報を収集して、取り敢えず登山口の三俣に移動。
事前に、工事による通行規制は確認していたものの、ギリギリ間に合わず、三俣手前で1時間半車内で待機。工事現場のお昼休憩の通行可能時間に入山して、午後からの山歩き開始。
天気と時間から、予想していた通り、どなたとも出会うこと無く、登山道を独占?
このルートは出だしが沢をたどるので、大雨のぬかるみを心配していたものの、登山靴を軽く汚す程度で、沢の水は幾らか多かったものの、気持ちの良いミストを浴びながら涼しい登行。
木の恐竜君に再会し、変わらぬ自然に、やっぱり山は良いなー。
蓄積した疲労に寝不足に、仕事で動いてはいるものの、日頃の運動不足。そして、食料・7リットルの水・テント等、25kgと15kg、二人で40kgと無駄に重いザックを背負って、予定より1時間遅い、日がちょうど暮れた午後6時半に、蝶ヶ岳ヒュッテに到着。
半日、霧雨を浴びて濡れたものを着替えて、お言葉に甘えて、濡れものを乾燥室に干させていただいて、快適に小屋内の自炊室も使わせていただいて夕食。
個人的ですが、他の何カ所かと共に、蝶ヶ岳ヒュッテは小屋も人も好きな山小屋です。
事前に下ごしらえしていたクリームシチューに、茄子とキュウリと人参の一夜漬けと、簡単に済ませて、テントの中で、ビール&日本酒とペプシで乾杯。おつまみも無駄に多いからザックが重いのですが、譲れません。
翌日の常念小屋にもありましたが、今はどこの山小屋もオリジナルのお酒があります。蝶ヶ岳が美味しかったので、翌日の為に、もう1本購入!
翌朝、安曇野の街を墨絵の様に雲海が覆う夜明け前。
小屋どまりの方は案外いましたが、ソロテントがお二人と、我々と3張りだけの寂しいテント場。
前出の画像のご来光を堪能して、ゆっくりと朝食を食べ、山頂で旅の安全を祈願して、常念岳に向け出発。
蝶槍まで、雲にまとわりつかれる穂高連峰を見ながら、楽な稜線歩き。
ハイマツ帯を歩いているとおびただしいハイマツの松ぼっくりの食べかすがいたる所に。雷鳥の他、イワヒバリ、カラス、群れの猿がいましたが、どうやらこの鳥の仕業か、松ぼっくりをセッセッとくちばしでモギっていました。
蝶槍から先は、樹林帯を一気に下降。猿の群れが威嚇してくるけれど、山の猿はかけ声だけで襲ってはきません。里に下りて来た猿はちょっと恐いですけれど。念の為、オレンジと洋梨の実物大のアクセサリーはザックにしまい込みました。
のんびり花や高山蝶の写真を撮りながら、このペースでは今日の目的地大天荘まで行けるのか?そもそも朝からのんびりしすぎですが・・
クジャクチョウ、コヒオドシ、ベニヒカゲの他に、絵を撮れなかった、名前の分からない高山蝶と風に上昇下降を繰り返すアサギマダラと、蝶ヶ岳はやはり蝶が多かったです。
昨日は雨に濡れない様に、デジタル一眼レフは防水袋に包み、デジタルコンパクトカメラで撮ってましたが、天気も良く、被写体が多い2日目は、レンズをズームレンズとマクロレンズと被写体ごとに換えながら、寄り道登山。カメラ小僧の本領発揮。
鞍部まで降りて、また登り返すと、常念岳の領域になったのか、地質が変わって山は面白いです。左手に穂高連峰と槍ヶ岳を堪能しながら、ルートの読み難い岩稜を、気をつけ登れば、常念岳はもう少し。
ここで、アクシデントが発生。カメラが壊れました。
カメラ小僧は、デジタル一眼レフにレンズ2本とバッテリー2個。他に予備にコンパクトデジカメ一台と、これでまた重量オーバー。毎度、バッテリーが切れたり、メモリーがいっぱいになるので、念のため。今回は、常念岳手前で、デジタル一眼レフが壊れてしまいました。仕事でも使っているので、酷使しすぎではあるのですが、帰って修理に出さなくては・・。この後は、只の重しになってしまいました。カメラ小僧としては、予備カメラがあって救いでしたが・・。
常念は富士山、北アルプスの主要山岳他南アルプス、八ヶ岳と360°眺望を楽しめる山です。
山頂には、我々だけ。すぐに20代の若者二人が上がって来て、山の話に盛り上がり、彼らが剥いてくれた梨と我々のプチトマトで30分以上楽しい話をしていると、先ほど追い抜いた70代のご夫妻が上がって来て、6人で写真を撮ったり、尽きない山話に、今日は常念小屋泊という二組と共に、大天井はあきらめ、常念小屋でゆっくりすることになりそう。
若者二人は、上高地から横尾経由、蝶、常念、大天井まで一緒で、そこから一人は燕へ、一人は東鎌から槍ヶ岳、上高地とロングトレックで羨ましい。70代のご夫妻は、雑誌の田部井さんの写真を見て、この標識の前で写真を撮りに来たと、上高地から徳沢経由、蝶ヶ岳、常念岳、一の沢に下山と、一眼レフカメラ片手に、これが最後と山を堪能してます。きっと最後ではなさそうでしたけれど・・。
目的の槍を存分に楽しんで、
十分に雲上の談笑を楽しんで、常念小屋へ移動。
早くに着いて、久々にテント場で余裕のビールタイム。まず生ビールから始まって・・
昨日の蝶ヶ岳を飲んで、冷酒常念小屋はやめて、缶ビールと黒霧島を購入。
小屋前で、オコジョと遭遇。1m位離れた岩の間からスーッと体を伸ばした姿は、映像や写真で見るあの可愛い姿。カメラを撮りに行ったら、いなくなってましたが・・きっとまた会えるでしょう。
夕食は冷えて来たので、テントの中で。換気を良くして、ショートパスタを茹でて、ナスやタマネギや赤ピーマン、モロッコインゲン等の具は事前に切って、時間がなかったので、天日ではなくレンジで乾燥させたものを投入、オリーブオイルに漬けたプチトマトを加えて、コンソメと塩こしょうで仕上げ。焼き鳥は缶詰を2種。早い人は7時8時に寝られる方もいるので、我々も早めの夕食とお酒タイム。
翌朝は、2時3時に起きて、早めの出発の人も多くて、多くの方が、満天の星空に人工衛星や流れ星に感動していました。
我々も、星空を楽しんだ後、インスタントラーメンにアルファ米の赤飯で簡単に。
最終日は前常念岳経由の下山だけなので、のんびりと山の朝を楽しみました。
もう山は、朝晩寒いです。テントのフライシートが凍ってます。
夜明け前、朝焼けとどんどん山は表情を変えて行きます
山での休日も下山を残すのみ。名残惜しむ我々に、槍は最後までしっかり勇姿を見せてくれました。
岩稜帯を前常念岳に下山。
昨日今日は、天気が良くなったからか、多くの方が山に上がってます。特に女性、ソロの若い女性トレッカーや楽しそうに登る山ガールグループ(失礼な言い方かな?)が増えてます。つられてかお母さん達も、元気に笑ってました。山は女性の時代到来でしょうか。
岩稜帯と安曇野の街。
あそこに降りて行くのですね。
雷鳥の親子が見送りに?
また来るよー!
石の恐竜にもご挨拶。
このエリアの下山後は、定番の、
ホリデーユーでお風呂に入って、
ご飯を食べて、現実に戻ります。
次、山を歩くのは、いつでしょうか・・