かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 281,282

2024-02-17 11:17:01 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子の外国詠37(2011年3月実施)
   【遊光】『飛種』(1996年刊)P121~
   参加者:N・I、井上久美子、崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、藤本満須子、
       渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:曽我亮子 司会と記録:鹿取未放

   
281 うすきゆだるに焼き鯖買ひて頬ばるをたれもとがめず柳が散つて

      (まとめ)
 旅の途次、ウシュキュダルに名物の焼鯖サンドを買って頬ばっているが誰もとがめない。孤独にあこがれた若い日からすれば堕落かも知れないが、旅の途中だからそれもまあよしと思っている。そのやや放埒な気分を「柳が散って」と流して歌っている。
  (鹿取)


282 沈黙せよ旅のかがやく船着場トルコのかもめ啼きかはすまで

    (当日意見)
★「沈黙せよ」は自分自身に言っているのでしょう。心をすませよう、というくらいの
 意味ではないですか。旅の心弾む船着き場の風景の中にいて、カモメが啼きかわす声
 を聞こうと思っている。ほんとうはカモメの奥にもっと深いその国独自の何かを感じ
 取ろうとしているのでしょうね。(鹿取)


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