かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 23

2022-03-16 13:27:23 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の3(2017年8月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【四葉鵯】P19~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子    司会と記録:鹿取未放


23 ゆく雲をはるかに眺めおりたれば悠久があり熊とあそぶ雲

      (レポート)
 雲はどこから来てどこにゆくのか。山肌にふれたり、山頂にしばらく留まったり、そのような中に熊とまぢかになることもあろう。(慧子)


     (当日発言)
★天高く流れるような雲もあれば熊のいる山肌を這うような雲もある。(T・S)
★雲が熊の形になったりするということかと思っていましたが、分かりました。でも、この時の松
 男さんの立ち位置は何処なんでしょう?(真帆)
★山の頂上じゃなくてもいいけど高いところでしょうかね。そうすると熊も身近に感じられる。「肌
 を這うような雲」というT・Sさんの意見を面白く思いました。(鹿取)
★さっき鹿取さんが21番歌(天道虫にわれわれはどう見ゆるのか積乱雲は膨れあがりたり)で雲
 のことをおっしゃったので、悠久ということと「熊とあそぶ雲」の落差を言っていると思いまし
 た。4句までは悠久をいっているんです。そして結句で「熊とあそぶ雲」が出てくる。(慧子)
★落差というよりも悠久の中に現在の「熊とあそぶ雲」も含まれるんじゃないですか。(鹿取)



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