かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞  22

2022-03-15 15:18:33 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究2の3(2017年8月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
    【四葉鵯】P19~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部慧子    司会と記録:鹿取未放


22 兜虫闘争へゆくさまをせり世界はいずくまでぎらぎらか

     (レポート)
 兜虫をたたかわせる夏のあそびがある。夏のぎらつく暑さの中兜虫一点から「世界はいずくまでぎらぎらか」と広がりを持たせる。兜虫が世界を掌中におさめようとしているかのようだ。「ぎらぎら」のオノマトペが暑さと闘志の双方を思わせ一首を支えている。(慧子) 


    (当日発言)
★兜虫だから、その形から考えて、闘争と言った。闘わせる遊びとは違うと思います。(真帆)
★私も真帆さんと同じ意見です。どこまで行っても闘争、闘いに溢れていてぎらぎらしている。
 それを人間世界に例えているというと歌がつまらなくなるので、あくまで兜虫が闘争に行くよ
 うな格好をしているとイメージ豊かにコミカルな味を持たせながら、闘争のやまない世界という
 のものを描いているんでしょうね。(鹿取)

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