かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 403

2022-01-13 14:21:20 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究48(2017年4月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【睫はうごく】P160~
     参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


403 あゆみくる君をひかりはあばくなよ夏帽深くまなじりはある

        (レポート)
 夏帽子の君があゆんでくる。「夏帽深くまなじりはある」という美しい描写に対して上句の命令形がいい。夏の強い光りに照射されて傷つきはしないかと相手を思うこころ。(慧子)

        (当日発言)
★まなじりって強い感じを受けますが。上句がいいですね。(T・S)
★「夏の強い光りに照射されて傷つきはしないか」というのはちょっと違って、秘めた恋だから夏
 帽子を目深に被って君は逢いに来るんですよね。だからひかりにあばくなよと言っている。まな
 じりは、いかにもキッと強そうなイメージですが恋を遂げたいっていう決意がにじんでいるの 
 かもしれませんね。もちろん、秘めた恋というのは歌の中の設定であって、現実の作者がそう
 いう恋をしているかどうかは関係ありません。(鹿取)

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