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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 13(アフリカ)

2018-12-07 21:02:29 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠2(2007年11月実施)
    【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P155~
       参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:崎尾 廣子 司会とまとめ:鹿取 未放
 

13 陽出づるは滴のごとき光すと待てば砂漠の風深く冷ゆ

      (まとめ)
 「滴のごとき」とは詩的で美しいイメージだ。それを誰が言ったのかで会員の意見が紛糾した。私自身は現地の人がそう感じていることを、ガイドが代弁して言ったのだろうと考える。もちろん言葉としてはもっとざっくりと「一点の光が射して」などだったのを馬場が「滴のごとき」と歌にする段階で翻訳したのかもしれない。ちなみに馬場に同行した人の旅日記によると3時30分起きで、4時15分にランドローバーに分乗してメズルーカという沙漠の入り口に着き、駱駝や徒歩で砂丘に登り6時の日の出を待ったそうである。あこがれて日の出を待っている時、広大な沙漠は「風深く冷ゆ」という状態だった。(鹿取)


      (当日発言)
★他人が言っているのか、他人が言ったように詠っているが自分の感じか。(慧子)


      (レポート)
 陽の出を詠った美しい歌である。2句の「滴のごとき光す」が印象深い。渇ききった大地に言葉による潤いを帯びさせている。過酷な地に暮らす人々がもつ心のゆとりが伺える。結句「深く冷ゆ」
によってその一瞬はより美しく透明となり心に響く。冷たかった風が暖かい風に変わり、太陽がしずくのような光となって射す。その時をゆっくりと待つのである。見たことのない沙漠の民が持つ文化の一滴が立ち上がってくる。(崎尾)
コメント
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