Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2012年10月21日(日)[大阪近郊の沢] 和泉葛城山・コースケ滝谷に沢登り

2012年10月28日 | 沢登りの記録
和泉葛城山の南斜面(つまり和歌山県側)に、コースケ滝谷という
隠れた名谷がある。
かねてから行きたかったこの沢を、ようやく遡行してきた。
メンバーはF山さん、IM川さん、ともちゃん、Mr.Dashの4人である。

遡行図が一般に出回っていないので、ネット情報を参考にするしかない。
コースケ滝は、知る人ぞ知る、落差100mのナメの斜瀑という。
こんな落差の滝が無名のままに置き去られているとはなぜだろう。

クルマを和泉葛城山の山頂駐車場に置き、沢支度を整える。
まず下山してから、遡行しようという考えだ。トイレも水もあるからね。



今は閉店した頂上の売店の右側の広場にあずまやがある。
あずまやの右奥の踏み跡をたどり、植林の支尾根の山道に出る。
やがて、ものすごい激下りとなり、木の幹、根をつかみながら下る。
左下から水音が聞こえてくるようになる。
一旦、傾斜は緩くなる中、さらに下ると、右からもヒミズ谷の音が聞こえてきた。



再び急坂となり、尾根を離れて左に下れば、コースケ滝谷の堰堤の下に飛び出す。
堰堤を2つ、左岸を巻いてから入渓する。小さな流れだ。
膝まで水に漬かることは、わざと狙わない限りあり得ない。



最初の5m滝。結構、立っている。左を登るか。
左は岩がもろい。一番下のスタンスは、F山さんが試しに触ったらボロッと取れた。
最初の一歩がどうも遠いので、F山さんに肩を貸してもらって岩にへばりつく。



7割方、登ったときに、右トラバースの一歩が微妙に遠くて、自信が持てなくなった。
全体的に滑りやすい上、もろいのだ。あの一歩を踏み出してスリップ又は崩落したら
終わり。上に十分なホールドがあるとも限らない。
仕方なく、後続に左岸を高巻きしてもらい、上からザイルを投げてもらった。
ザイルがあれば楽勝。思い切って右に踏み出し、体を振る。
右足にかかったスタンスは十分強固で、ぐいっと体を持ち上げ、手を伸ばした先に
ガバもあった。要は勇気が出ないことが問題だ。



続いては10m滝。ここは右岸をスイスイいける。



やや細かいスタンス、ホールドだが十分フリクションが効く。



ここから先は、驚くべき小滝の饗宴になる。



これも。



これも。
多くは身長程度なのだが、小滝と小滝の間が分からないほど続く箇所もある。



そいて小手調べの2mナメ斜瀑。手がかりに乏しく、敢えなくツルッとスリップ。
左を小さく巻いたIM川さんがシュリンゲを投げてくれてリベンジ登。

この滝で流れが水に転じたと思ったら、眼前にものすごい滝が現れた。
これが、コースケ滝か(冒頭写真)!!



水量は少ないが、ネットではもっと流れていないものもあった。
今日はちゃんと流れの軌跡が白く輝いている。
南向きの沢なので、陽が当たってあたたかい。

直登はまずムリ。基本的に逆層なので、大きなスタンス、ホールドは皆無。
右岸の樹木を頼りに、一枚岩の弱点を探して登っていくしかない。

途中にランニングビレイを取りながら、30mのザイルいっぱいまで登り、
尺取虫戦法で少しずつ登る。



2ピッチ目。樹木はビレイできるのはありがたいが、枝がザックにつかえて
非常に怖い思いもさせられた。おまけに手を伸ばしたところに
イバラの群落があったりして、苦戦のリードである。
ここは後続にはスラブを直登して登るほうが良さそうなので、ランニングビレイを
一旦はずして、ザイルを真下に流す。後続の皆には、ゴボウで駆け上がってもらった。

ここでまだ滝の中点。長いっ!
ここから左岸に移って、クラックを頼りに登ることも考えたが、
テカテカのスラブにまともにかじりつく気が失せた。
右岸の樹林帯に「退避」して枝を頼りに登っていく。



コースケ滝の最上部15m程度は、一枚岩でなく、ゴツゴツした滝相に変わる。
これは却って有難く、愉しく流芯を登る。

登り終え、全員でハイタッチを交わし、遅めの昼食とする。
いや、愉快な滝だった。あとでGPSデータを見たら、等高線上の高低差
80~90mの間、水平距離もおよそ100mに及んでいた。



コースケ滝のすぐ上の5m斜瀑は簡単。

この先、しばらくは藪がひどく、障害物競走のような遡行になる。
右からの土石流の跡もあり、倒木を回避しながらなので時間がかかって仕方ない。



最後に10m滝が出てくる。ここも流芯のすぐ左側を快適に登れる。

詰めは、二股を左に進む。そのまま谷筋を最後まで突き上げた記録もあるが、
倒木、藪に埋もれ、水もなくなったので、標高720m地点で遡行を切り上げた。
右岸の植林帯の急坂を無理やり登り、往路の山道に合流。あーしんど。



最後尾をついてきたともちゃんが手に何か持っている。
秋の味覚、アケビを2つ。
あのしんどい登りの途中で、収穫を怠らないとはさすが。
完熟でおいしかったそうだ。

もとのあずまやに出ると、休んでいたハイカーが我々のいでたちを見て
びっくりしていた。

帰りは「いよやかの森(牛滝温泉)」でまったり。
ヌルヌルの泉質がいいのである。

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