![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/2c/92d3c8de70a3f1c2b80c434f077c5f79.jpg)
和泉葛城山の南斜面(つまり和歌山県側)に、コースケ滝谷という
隠れた名谷がある。
かねてから行きたかったこの沢を、ようやく遡行してきた。
メンバーはF山さん、IM川さん、ともちゃん、Mr.Dashの4人である。
遡行図が一般に出回っていないので、ネット情報を参考にするしかない。
コースケ滝は、知る人ぞ知る、落差100mのナメの斜瀑という。
こんな落差の滝が無名のままに置き去られているとはなぜだろう。
クルマを和泉葛城山の山頂駐車場に置き、沢支度を整える。
まず下山してから、遡行しようという考えだ。トイレも水もあるからね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2d/49e2060e9ab7d65582fdfb104a9360d8.jpg)
今は閉店した頂上の売店の右側の広場にあずまやがある。
あずまやの右奥の踏み跡をたどり、植林の支尾根の山道に出る。
やがて、ものすごい激下りとなり、木の幹、根をつかみながら下る。
左下から水音が聞こえてくるようになる。
一旦、傾斜は緩くなる中、さらに下ると、右からもヒミズ谷の音が聞こえてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/f7/21332ee24a2dff9384365c2be357e807.jpg)
再び急坂となり、尾根を離れて左に下れば、コースケ滝谷の堰堤の下に飛び出す。
堰堤を2つ、左岸を巻いてから入渓する。小さな流れだ。
膝まで水に漬かることは、わざと狙わない限りあり得ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/3d/345ae67d426855f4ef8e27b5bbc78848.jpg)
最初の5m滝。結構、立っている。左を登るか。
左は岩がもろい。一番下のスタンスは、F山さんが試しに触ったらボロッと取れた。
最初の一歩がどうも遠いので、F山さんに肩を貸してもらって岩にへばりつく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/6a/ac4bf787118225da12753d7ee65c0d34.jpg)
7割方、登ったときに、右トラバースの一歩が微妙に遠くて、自信が持てなくなった。
全体的に滑りやすい上、もろいのだ。あの一歩を踏み出してスリップ又は崩落したら
終わり。上に十分なホールドがあるとも限らない。
仕方なく、後続に左岸を高巻きしてもらい、上からザイルを投げてもらった。
ザイルがあれば楽勝。思い切って右に踏み出し、体を振る。
右足にかかったスタンスは十分強固で、ぐいっと体を持ち上げ、手を伸ばした先に
ガバもあった。要は勇気が出ないことが問題だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/96/3f3782c8d622a7fe8647e12996aabeea.jpg)
続いては10m滝。ここは右岸をスイスイいける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/d3/cfce627d9a1dd1775a18223ac84568ca.jpg)
やや細かいスタンス、ホールドだが十分フリクションが効く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/72/ba4a9d70b2df69f1528bfe71cca43faf.jpg)
ここから先は、驚くべき小滝の饗宴になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/5b/9a85d8680f26b9b8cdce625e727a9e2f.jpg)
これも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/e4/7cc33ca1b1ff3f99c336f09d81bf6ed8.jpg)
これも。
多くは身長程度なのだが、小滝と小滝の間が分からないほど続く箇所もある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/94/fbeb5a0089cdc00127c4822ed709ef47.jpg)
そいて小手調べの2mナメ斜瀑。手がかりに乏しく、敢えなくツルッとスリップ。
左を小さく巻いたIM川さんがシュリンゲを投げてくれてリベンジ登。
この滝で流れが水に転じたと思ったら、眼前にものすごい滝が現れた。
これが、コースケ滝か(冒頭写真)!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/ae/9bddbd25e93ab969005866570a82a0f1.jpg)
水量は少ないが、ネットではもっと流れていないものもあった。
今日はちゃんと流れの軌跡が白く輝いている。
南向きの沢なので、陽が当たってあたたかい。
直登はまずムリ。基本的に逆層なので、大きなスタンス、ホールドは皆無。
右岸の樹木を頼りに、一枚岩の弱点を探して登っていくしかない。
途中にランニングビレイを取りながら、30mのザイルいっぱいまで登り、
尺取虫戦法で少しずつ登る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/87/57b9da2fe436193160b18cd75f8f0691.jpg)
2ピッチ目。樹木はビレイできるのはありがたいが、枝がザックにつかえて
非常に怖い思いもさせられた。おまけに手を伸ばしたところに
イバラの群落があったりして、苦戦のリードである。
ここは後続にはスラブを直登して登るほうが良さそうなので、ランニングビレイを
一旦はずして、ザイルを真下に流す。後続の皆には、ゴボウで駆け上がってもらった。
ここでまだ滝の中点。長いっ!
ここから左岸に移って、クラックを頼りに登ることも考えたが、
テカテカのスラブにまともにかじりつく気が失せた。
右岸の樹林帯に「退避」して枝を頼りに登っていく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/06/e46598c728827a316d590f40314cd69a.jpg)
コースケ滝の最上部15m程度は、一枚岩でなく、ゴツゴツした滝相に変わる。
これは却って有難く、愉しく流芯を登る。
登り終え、全員でハイタッチを交わし、遅めの昼食とする。
いや、愉快な滝だった。あとでGPSデータを見たら、等高線上の高低差
80~90mの間、水平距離もおよそ100mに及んでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/84/f2bb13739018c017bba5072aa06da4a3.jpg)
コースケ滝のすぐ上の5m斜瀑は簡単。
この先、しばらくは藪がひどく、障害物競走のような遡行になる。
右からの土石流の跡もあり、倒木を回避しながらなので時間がかかって仕方ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/89/ace602d051d97c150aa106e18fa79965.jpg)
最後に10m滝が出てくる。ここも流芯のすぐ左側を快適に登れる。
詰めは、二股を左に進む。そのまま谷筋を最後まで突き上げた記録もあるが、
倒木、藪に埋もれ、水もなくなったので、標高720m地点で遡行を切り上げた。
右岸の植林帯の急坂を無理やり登り、往路の山道に合流。あーしんど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/8b/2103b540a51683d2e66d6b3b07787d38.jpg)
最後尾をついてきたともちゃんが手に何か持っている。
秋の味覚、アケビを2つ。
あのしんどい登りの途中で、収穫を怠らないとはさすが。
完熟でおいしかったそうだ。
もとのあずまやに出ると、休んでいたハイカーが我々のいでたちを見て
びっくりしていた。
帰りは「いよやかの森(牛滝温泉)」でまったり。
ヌルヌルの泉質がいいのである。
隠れた名谷がある。
かねてから行きたかったこの沢を、ようやく遡行してきた。
メンバーはF山さん、IM川さん、ともちゃん、Mr.Dashの4人である。
遡行図が一般に出回っていないので、ネット情報を参考にするしかない。
コースケ滝は、知る人ぞ知る、落差100mのナメの斜瀑という。
こんな落差の滝が無名のままに置き去られているとはなぜだろう。
クルマを和泉葛城山の山頂駐車場に置き、沢支度を整える。
まず下山してから、遡行しようという考えだ。トイレも水もあるからね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2d/49e2060e9ab7d65582fdfb104a9360d8.jpg)
今は閉店した頂上の売店の右側の広場にあずまやがある。
あずまやの右奥の踏み跡をたどり、植林の支尾根の山道に出る。
やがて、ものすごい激下りとなり、木の幹、根をつかみながら下る。
左下から水音が聞こえてくるようになる。
一旦、傾斜は緩くなる中、さらに下ると、右からもヒミズ谷の音が聞こえてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/f7/21332ee24a2dff9384365c2be357e807.jpg)
再び急坂となり、尾根を離れて左に下れば、コースケ滝谷の堰堤の下に飛び出す。
堰堤を2つ、左岸を巻いてから入渓する。小さな流れだ。
膝まで水に漬かることは、わざと狙わない限りあり得ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/3d/345ae67d426855f4ef8e27b5bbc78848.jpg)
最初の5m滝。結構、立っている。左を登るか。
左は岩がもろい。一番下のスタンスは、F山さんが試しに触ったらボロッと取れた。
最初の一歩がどうも遠いので、F山さんに肩を貸してもらって岩にへばりつく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/6a/ac4bf787118225da12753d7ee65c0d34.jpg)
7割方、登ったときに、右トラバースの一歩が微妙に遠くて、自信が持てなくなった。
全体的に滑りやすい上、もろいのだ。あの一歩を踏み出してスリップ又は崩落したら
終わり。上に十分なホールドがあるとも限らない。
仕方なく、後続に左岸を高巻きしてもらい、上からザイルを投げてもらった。
ザイルがあれば楽勝。思い切って右に踏み出し、体を振る。
右足にかかったスタンスは十分強固で、ぐいっと体を持ち上げ、手を伸ばした先に
ガバもあった。要は勇気が出ないことが問題だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/96/3f3782c8d622a7fe8647e12996aabeea.jpg)
続いては10m滝。ここは右岸をスイスイいける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/d3/cfce627d9a1dd1775a18223ac84568ca.jpg)
やや細かいスタンス、ホールドだが十分フリクションが効く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/72/ba4a9d70b2df69f1528bfe71cca43faf.jpg)
ここから先は、驚くべき小滝の饗宴になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/5b/9a85d8680f26b9b8cdce625e727a9e2f.jpg)
これも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/e4/7cc33ca1b1ff3f99c336f09d81bf6ed8.jpg)
これも。
多くは身長程度なのだが、小滝と小滝の間が分からないほど続く箇所もある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/94/fbeb5a0089cdc00127c4822ed709ef47.jpg)
そいて小手調べの2mナメ斜瀑。手がかりに乏しく、敢えなくツルッとスリップ。
左を小さく巻いたIM川さんがシュリンゲを投げてくれてリベンジ登。
この滝で流れが水に転じたと思ったら、眼前にものすごい滝が現れた。
これが、コースケ滝か(冒頭写真)!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/ae/9bddbd25e93ab969005866570a82a0f1.jpg)
水量は少ないが、ネットではもっと流れていないものもあった。
今日はちゃんと流れの軌跡が白く輝いている。
南向きの沢なので、陽が当たってあたたかい。
直登はまずムリ。基本的に逆層なので、大きなスタンス、ホールドは皆無。
右岸の樹木を頼りに、一枚岩の弱点を探して登っていくしかない。
途中にランニングビレイを取りながら、30mのザイルいっぱいまで登り、
尺取虫戦法で少しずつ登る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/87/57b9da2fe436193160b18cd75f8f0691.jpg)
2ピッチ目。樹木はビレイできるのはありがたいが、枝がザックにつかえて
非常に怖い思いもさせられた。おまけに手を伸ばしたところに
イバラの群落があったりして、苦戦のリードである。
ここは後続にはスラブを直登して登るほうが良さそうなので、ランニングビレイを
一旦はずして、ザイルを真下に流す。後続の皆には、ゴボウで駆け上がってもらった。
ここでまだ滝の中点。長いっ!
ここから左岸に移って、クラックを頼りに登ることも考えたが、
テカテカのスラブにまともにかじりつく気が失せた。
右岸の樹林帯に「退避」して枝を頼りに登っていく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/06/e46598c728827a316d590f40314cd69a.jpg)
コースケ滝の最上部15m程度は、一枚岩でなく、ゴツゴツした滝相に変わる。
これは却って有難く、愉しく流芯を登る。
登り終え、全員でハイタッチを交わし、遅めの昼食とする。
いや、愉快な滝だった。あとでGPSデータを見たら、等高線上の高低差
80~90mの間、水平距離もおよそ100mに及んでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/84/f2bb13739018c017bba5072aa06da4a3.jpg)
コースケ滝のすぐ上の5m斜瀑は簡単。
この先、しばらくは藪がひどく、障害物競走のような遡行になる。
右からの土石流の跡もあり、倒木を回避しながらなので時間がかかって仕方ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/89/ace602d051d97c150aa106e18fa79965.jpg)
最後に10m滝が出てくる。ここも流芯のすぐ左側を快適に登れる。
詰めは、二股を左に進む。そのまま谷筋を最後まで突き上げた記録もあるが、
倒木、藪に埋もれ、水もなくなったので、標高720m地点で遡行を切り上げた。
右岸の植林帯の急坂を無理やり登り、往路の山道に合流。あーしんど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/8b/2103b540a51683d2e66d6b3b07787d38.jpg)
最後尾をついてきたともちゃんが手に何か持っている。
秋の味覚、アケビを2つ。
あのしんどい登りの途中で、収穫を怠らないとはさすが。
完熟でおいしかったそうだ。
もとのあずまやに出ると、休んでいたハイカーが我々のいでたちを見て
びっくりしていた。
帰りは「いよやかの森(牛滝温泉)」でまったり。
ヌルヌルの泉質がいいのである。