Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

生薬「ウコン」の、奥深さ

2011-02-07 07:15:04 | 健康・福祉
ウコン、がんにも有効 世界的研究者が報告(産経新聞) - goo ニュース

この話題、大分前に挙がっていました。「陳腐化」させるには忍びないと思ったので、予め全文を引用しておきました。以下に紹介します。

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 酒の悪酔い防止に効果があるとされるウコンが、がんや心臓病の予防・治療にも効果を持つ可能性が高い-。医薬品メーカー「セラバリューズ」(東京都千代田区)が1日に行った研究発表会「ウコン成分“クルクミン”の多様な機能と応用研究の最前線」で、日米の研究者がこのような報告を行った。

 都内で行われた発表会には、クルクミン研究の世界的権威で米テキサス州立大MDアンダーソンがんセンター教授のバラット・アガワル氏や日本人研究者ら計5人が参加した。

 この中で、アガワル氏は「クルクミンを摂取すると、がんのリスクが低減するほか、肥満、糖尿病、高脂血症などほとんどの慢性疾患を予防できることが実験で示されている」と強調した。

 秋田大大学院医学系研究科の柴田浩行教授も「大腸がんの治療中にクルクミンに出合った。クルクミンは数多くの病気の因子を標的にできる成分として期待できる」と報告した。

 このほか、静岡県立大薬学部の森本達也教授が「心臓病にも効果がある可能性が高い。現在臨床を進めている」と説明した。

 京都大医学部の金井雅史助教は、膵臓(すいぞう)がん治療の新薬としてクルクミンが注目されていることや自然由来の成分であり安全性が極めて高いことを紹介した。

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私は、「薬剤師」の資格も取得していますので、こういう話題には興味が旺盛です。
それに対して思う事を述べる意味でも、ブログを建てて良かったなぁ…とも思います。

「勉強不足」を指摘されれば、それを謙虚に受け止めたいと思うし、ヘルスケアや化学に疎い読者の皆さんに、「へぇ~そうなんだ」なんて思っていただけたら…やっぱり嬉しいと思うので、こういう話題は自分の勉強のためにも紹介していきたいと思います。

私が学生当時は、ウコンと言えば、香辛料としても使用される意味で、「芳香性健胃」の用途として、民間薬的、漢方薬の構成生薬として使用される…程度しか「勉強」してこなかった気がします。

「生薬学」(広くは「天然物化学」)に興味を持って、当時は「厳しい」と噂されていた研究室を選び、入室して知ったのは、ウコンは、産地によって、その主成分であるクルクミンの含有量に差があり、「品質管理が困難」という点で注目されていた…という事でした。

同じ研究室で、更に2年間…では、残念ながらなかったので、ウコンに対する「見識」は、そこでストップしてしまった訳ですが、今や肝機能改善の効果が認められ、ここでも紹介した様に、体内での代謝効率を考慮された様な商品まで上市されているのですから、驚きです。
会食、すなわち酒宴の予定が入ると、その数時間前にあの商品に手が伸び、自然と「お世話」になっていますが、恐ろしいまでに効能を発揮する「実体験」があるので、私の生活の営みには、ある意味欠かせない存在でもあります。

ノーベル化学賞を受賞した、鈴木 章 先生も、自らの研究テーマである「クロスカップリング」の技術を応用して作られた降圧薬を服用なさっているという「オチ」がある程だから、科学技術の進歩というのは、こちらが思っている以上の速度で進化していることを改めて感じます。

そんな最中、ウコンにまた新たな「出口」が発見されたというこの報道には、さすがに驚きを隠せない…。

その主成分が、やはり「クルクミン」というのだから、「研究・開発」には、「粘り」みたいなものが必要だ…という事も、感じさせます。
(あの構造式だから、あれ以上の「出口」はさすがにないだろう…という見方をすると、危険という事も感じます。)

まさに「奥深い」生薬だなぁ…と、改めて感じた次第です。

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2 Comments

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具体的に (imuimu)
2011-02-07 12:55:30
ウコンがいい事は聞いていましたが
具体的に何がどういいのかな?(^^;)お酒に弱いので
こんな私が飲んだらいい事起こりますか?(笑)
もしかして明記すると薬事法に触れる?(汗)
返信する
具体的にですか(笑)。 (Dancho)
2011-02-10 20:23:25
imuimuさん、こんばんは。

ご質問コメント、ありがとうございます。

具体的にですか…。薬事法的には、問題ありません。
ウィキペディアで調べて下さい…と申し上げるのは、あまりに不親切なので、私が理解している範囲で、できるだけ分かりやすい様には回答してみましょう。ただし、私には、池上さんの様なプレゼン力がないのであしからず。

お酒がそんなに飲めない方は、肝臓に存在する、アルコール脱水素酵素や、アルデヒド脱水素酵素の働きが活発でない方とされています。日本では、東北地方と九州地方の方が、遺伝子学的に、この酵素の活動が活発な傾向があり、だから「お酒が強い方が多い」とも言えます。
この酵素の数が多く、活発とされているのは、肌が黒いか、もしくは全く白い方らしいですね。日本人は「黄色人種」ですから、その「谷間」にあって、そんなに人種的には「お酒には強くない」様です。

お酒は、上手に付き合えば、凄く良い「コミュニケーションツール」になると、個人的には感じています。
持っている酵素の活性は、過ぎない程度、すなわち、嗜む程度に少しずつでも飲み続ければ「鍛える」事もできるみたいです。
「ノミュニケーション」とか、「お酒は、飲まれなければ百薬の長」とは、良くできた言葉ですね(笑)。

さて、今回取り上げたウコンですが、この生薬自体は、「芳香性健胃」として使用されます。すなわち、ショウガ科独特の薫りある成分が、胃や腸を適度に刺激して、内分泌を促し、調子を整える…という効能です。
因みに、ウコン自体は、漢方薬の構成生薬としてはどの処方にも使用されておらず、専ら「生薬」として「民間薬」的に用いられています。

そのウコンに含まれる主成分が、クルクミンと呼ばれるもので、これ自体には、実は肝機能促進という効果はそんなに高くないというのが最近の研究結果で出ているようです。むしろ、今回取り上げた、免疫賦活とか、抗腫瘍活性といった「出口」の方が、より正しい様ですね。人間の体には「害」とされる「活性酸素」を「捕まえる」役割がある事も分かってきています(その化学構造から、私は納得できました)。

したがって、あの製品…私も愛用していますが、クルクミンが肝機能促進で、代謝が良くなるから…というのは、あまり筋が通った事ではないんですね。
(ここだけは、ちょっと「アングラ」で勉強しました。)

ですが、「生薬・ウコン」と捉えた場合は、やはり肝機能促進の効能があるようで、先に述べた2つの酵素の働きが良くなり、結果的にアルコールが水と二酸化炭素にまで分解される一連の「化学反応」がスムーズにはなるようです。

なお、「二日酔い」という状態は、アルコール脱水素酵素によってアルコール(エタノール)が「酸化」されて、アセトアルデヒドに変わり、これが毒性が強くて、アルデヒド脱水素酵素によるアルデヒドの「酸化」により、酢酸(「酢」と同じです)に変わる反応が追いつかず、アルデヒドが「居すわった状態」がもたらす嫌悪感の事を指します。

アルコールの「酸化」に関与するアルコール脱水素酵素にしても、アルデヒド脱水素酵素にしても、「糖分」と「水」が、その活性を高めるのには必要とされ、「二日酔い」は「脱水症状」の一種と考えられていることから、その状態の時に、スポーツドリンクをやや温めて摂取させるというのは、実は理にかなっています。

とまぁ、こんな感じですが、ご質問の答えになっていますでしょうか?(汗)。


先ずは、ご質問コメントを頂戴した事に対し、心より御礼まで。
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