番組制作のきな臭さ／『世界卓球』をテレビ観戦して…

フジテレビ系列の、もはや「独占的」とも言える日本国内のバレーボール世界大会の中継。
その番組制作は、いかにもジャパンマネーの行き交いが手に取る様に見える感じで、視聴率優先主義的で、興ざめしてしまうほどでした。

バレーボールに関しては、nanaponさんが、『ガンバレ、ニッポン！』というタイトルの記事に代表されるように、その記事中にも、たくさんのご自身の記事をリンクを貼って紹介しています。

小生…補欠で主将という立場で、中学３年間卓球をやっていた関係で、テレビ東京系列の『世界卓球』（卓球世界選手権）の、主に女子の決勝トーナメント進出をかけた対韓国戦や、決勝トーナメントの準決勝の対シンガポール戦は、じっくり観戦しました。


そこで感じたこと…。


卓球自体は、小生自身も選手だった経験から、観戦していて非常に面白かったのですが、番組制作は、言葉悪く表現すると「フジテレビ系列のバレーボール中継の“二番煎じ”もいいところ」という印象は、さすがに拭えなかったです。

女子には、福原　愛 選手（オフィシャルサイトは、こちら）という、４歳の時から「天才卓球少女」としてお茶の間に登場していた「スター」が、２月の時点で世界ランキング９位という実力から、今大会の「エース」として登場していました。
それに続くのが、『卓球無双』の異名を取った、世界ランキング１９位の平野 早矢香 選手という、すでに北京オリンピックの出場権を獲得している「２枚看板」がいましたから、そこそこ上位に食い込むことは、予想ができました。

しかし、この両選手の選手紹介は、毎回同じＶＴＲ…。
（正直、「もう飽きたよ～」と言いたくなるほど…。）
平野選手に至っては、「ラケットを持つ“鬼”」と紹介…これはさすがに「引き」ますよね…。
（アスリートとしては、そこそこ美人の部類に入ると思うのですが…。）

確かに、決勝トーナメントで銅メダル以上が決定した準決勝で、シンガポール代表（といっても、中国からの国籍変更の選手）のリ・ジャウエイ選手に負けるまでは、怒涛の９連勝で、エースの福原選手より調子が良く、今回の銅メダル獲得の立役者であることは間違いありません。

しかし、競技の素晴らしさを、「フジテレビの番組制作の二番煎じ的な演出」で、相当盛り下げたことは、ちょっとした「罪」のような気がしてなりません。
「きな臭さ」まで感じます。

これでは、日本代表選手…女子では、先に紹介した２選手のほかに、「王子サーブ」というサーブの球に鋭い回転をかけて相手を翻弄させるのが持ち味の、福岡 春菜 選手（ブログは、こちら）や、世界ランキングは１４３位ながら、福原選手の持つ記録を破って、一躍女子卓球界のニューヒロインに上り詰めた、まだ１５歳で「山口県の誇り」でもある石川 佳純 選手の存在も希薄になってしまいます。

女子は、今回エントリーした５選手全員が、それぞれ別の持ち味を持った選手だけに、もっと各選手の技術面を前面に出す紹介をしても良かったと思うのですが、選手紹介の映像は、大袈裟すぎて、選手の持ち味を引き出す感じにはなっていなかった気がします。

キャスターを務めた石原 良純 氏も、卓球をほとんど知らなかったのか、ありきたりなコメントで選手にエールを贈るだけ…。
これでは、フジテレビ系列のバレーボールで、ジャニーズのアイドルを出演させたのとクオリティーは全く変わりませんよね。

競技にスピード感あって、真面目に見れば面白いことをアピールできるチャンスだったのに、これではやっぱり「卓球界のヒロイン」である福原選手の調子が良かった悪かった…で終わってしまいそうです。
（小生が思うに、『世界卓球』では、福原選手は先にも触れましたが「絶不調」で、平野選手が「大黒柱」だったように感じています。）

女子は先の２名、男子も１名、北京オリンピックの出場が『世界卓球』開催前に決まっていて、先日まで、地域別の出場者を決める大会が台湾で行われていましたが、男子は『世界卓球』でも出場した水谷　隼 選手と岸川 聖也 選手が、女子は先の福岡選手が北京オリンピック出場を見事に決めました。

今回の卓球に関しては、テレビ中継の演出に凝る前に、実力も上位にあったのですから競技自体の素晴らしさを、もっと前面にアピールする政策をして欲しかった…と、感じます。

選手に対してももちろんそうなのですが、こうした大きな大会の代表選手の選考やメダルの行方を争う大会の番組制作に携わるニッポンには、「ガンバレ」と叫びたい次第であります。