なんくるないさ~、沖縄での研修医生活

臨床研修のメッカ沖縄にあって忙しさNo.1を自負する中部徳洲会病院。スーパー研修医がリレーでつづる研修医ブログ。

糖尿病治療 カーボカウント法 ダイエット

2008-10-23 11:36:53 | Weblog
糖尿病にはインスリンが出なくなる1型糖尿病と、インスリンの効きが悪くなる2型糖尿病があります。1型糖尿病(場合によっては2型でも)ではインスリンを注射で補う必要があるのですが、量を決めるのがとてもむずかしいのです。血糖値を目標値(たとえば100~200程度)に保つには、食事の量と活動量にみあった量のインスリンが必要なのですが、食事量も活動量も常に変化しますので、常に一定の量を投与していたのでは血糖値をうまくコントロールできません。ここに難しさがあるのです。

欧米で最近主流になっている方法に、「カーボカウント法」というのがあります。これは食事に含まれる炭水化物の量に合わせてインスリン量を決める方法です。炭水化物の量を推測するのはやはり面倒ですが、ご飯茶碗一杯なら○○カーボ、というように目安が示されているので、指導を受ければ推測できるようになります。

このカーボカウント法では、インスリンの量を決めるのは炭水化物だけです。炭水化物とは主に糖分のことで、ご飯・パン・麺・芋などの主成分です。血糖は食事中の炭水化物(糖)が消化吸収されることで上昇します。したがって炭水化物の量に応じてインスリンを決めるという理屈です。

日本でも、徐々にカーボカウント法が広まってきているようですが、糖尿病の教科書を見てもあまり記載はありませんし、推進している医者もまだ少ないと思います。欧米ではすでに主流になっているようです。大阪市立大学の小児科の先生たちが本を出しています。わかりやすい解説文書が公開されていましたのでリンクしておきます。

実はカーボカウント法を紹介したくて書いたのではなく、カーボカウント法が意味するところを紹介したいのです。すなわち、糖尿病で重要なのは炭水化物であるということ。さらにいえば、メタボやダイエットにおいても重要なのはやはり炭水化物であるということです。カーボカウント法は糖尿病の治療法ですが、その考え方はメタボリックシンドロームやダイエットにも応用できるということです。なぜなら肥満の原因の内臓脂肪は過剰摂取された糖から作られるからです。ダイエットでまず注目すべきは炭水化物の摂取量です。

いくつか気になったページがありましたので紹介しておきます。
後藤由夫(東北大学名誉教授) 私の糖尿病50年 糖尿病医療の歩み No. 60 食事療法から夢の実現へ

糖尿病ネットワーク トリグリセライド(中性脂肪)コントロールの重要性

カーボカウントな日々(糖尿病患者さんのblog)

11月からのダイエット外来もすでに数名の診察予約が入っているようです。
がんばりましょう!!
               ダイエット外来 今西康次