以前、減量に対して針治療を単独で用いるべきではないという教科書の記述をご紹介したが、今回は2003年のInternational Journal of Obesity という雑誌に掲載された論文をご紹介します。
出典は、「Acupuncture for the treatment of obesity: a review of the evidence J M Lacey, A M Tershakovec and G D Foster」International Journal of Obesity (2003) 27, 419–427である。この医学雑誌はnatureと同じ出版グループからだされたもの。それまでに出された論文を横断的にまとめた、「総説(Review)」である。
これまでの報告に対して、「まだ十分な評価はなされていない、試験期間が短い、対照群の設定が難しい、プロトコルの標準化がされていない」などの問題点を指摘しながらも、ダイエットの補助手段としての有用性が秘められているのでより詳しく研究されるべきとしている。なんだかすっきりしない論文だが、はり治療を行う部位が詳しく記されており、私には有益であった。
これまでの肥満治療研究で主として使われているはり治療の部位は3つある。「Hunger(飢点)」「stomach(胃)」「shenmen(神門)」の3つである。最初の2つはともに満腹に関係するポイントで、3つ目はイライラを改善するポイントだそうだ。
「Stimulation of auricular acupuncture points in weight loss」Dean Richards, MBBS, MDMA John Marley MDという論文では、「stomach」と「shenmen」を一日2回、4週間刺激して効果が出たと報告していた。この報告は鍼ではなく電気的なつぼ刺激のようだ。
肥満に対するはり治療の効果は、有効とする報告は数多くあるものの、総説を読む限りでは、はっきりした結果はまだ出ていないというのが現状のようだ。
ダイエット外来 今西康次
出典は、「Acupuncture for the treatment of obesity: a review of the evidence J M Lacey, A M Tershakovec and G D Foster」International Journal of Obesity (2003) 27, 419–427である。この医学雑誌はnatureと同じ出版グループからだされたもの。それまでに出された論文を横断的にまとめた、「総説(Review)」である。
これまでの報告に対して、「まだ十分な評価はなされていない、試験期間が短い、対照群の設定が難しい、プロトコルの標準化がされていない」などの問題点を指摘しながらも、ダイエットの補助手段としての有用性が秘められているのでより詳しく研究されるべきとしている。なんだかすっきりしない論文だが、はり治療を行う部位が詳しく記されており、私には有益であった。
これまでの肥満治療研究で主として使われているはり治療の部位は3つある。「Hunger(飢点)」「stomach(胃)」「shenmen(神門)」の3つである。最初の2つはともに満腹に関係するポイントで、3つ目はイライラを改善するポイントだそうだ。
「Stimulation of auricular acupuncture points in weight loss」Dean Richards, MBBS, MDMA John Marley MDという論文では、「stomach」と「shenmen」を一日2回、4週間刺激して効果が出たと報告していた。この報告は鍼ではなく電気的なつぼ刺激のようだ。
肥満に対するはり治療の効果は、有効とする報告は数多くあるものの、総説を読む限りでは、はっきりした結果はまだ出ていないというのが現状のようだ。
ダイエット外来 今西康次