なんくるないさ~、沖縄での研修医生活

臨床研修のメッカ沖縄にあって忙しさNo.1を自負する中部徳洲会病院。スーパー研修医がリレーでつづる研修医ブログ。

糖尿病患者における低炭水化物ダイエット

2009-06-27 13:56:29 | Weblog
まずはお知らせです。
ダイエットの話題は専用のblogにまとめることにしました。
http://lowcarbodiet.ti-da.net/
をご覧ください。



糖尿病には1型、2型の2つのタイプがありますが、ほとんどは成人になってから発症する2型糖尿病です。

2型糖尿病とは、炭水化物が過剰な食事を続けた結果、血糖値を下げる働きのあるインスリンホルモンの効きが悪くなり、血糖が高くなってしまう病気です。軽ければ内服薬で治療しますが、インスリンホルモンが分泌されないような重症例ではインスリンホルモンを毎日注射で補います。

2型糖尿病の人はインスリンの効きが悪い(インスリン抵抗性と言います)ので、炭水化物(糖質)を控えた食事をするのが本質的な治療です。必要以上の炭水化物を食べるから問題が生じるのであって、最低限度の炭水化物にすれば必要なインスリンホルモンも少なくてすみます。言い換えれば、炭水化物を制限すれば薬の量を減らしたり、なくすことができるのです。

先日、何年間もインスリンホルモンの自己注射をしてきた患者さんが受診されました。低炭水化物ダイエットを試したいというご希望でした。炭水化物制限は糖尿病の本質的な治療ではありますが、内服やインスリン自己注射をしている人は導入にあたって慎重になる必要があります。低血糖になりやすいからです。重症な低血糖では意識障害も起こします。

この患者さんは、インスリン自己注射歴が長く、低血糖発作に対する知識も経験もお持ちでした。いろいろ注意すべき点をお話した結果、やはり試してみたいということで、一緒にがんばってみることにしました。画像は低炭水化物ダイエットを始める前後2ヶ月ほどの記録です。

この患者さんは、持続性の中間型を朝晩」12単位ずつ、毎食前に速効型を10単位ずつ注射していました。
低炭水化物ダイエット開始後は、中間型はこれまでどおり、速効型は食事にあわせて0または3単位程度にしたそうです。
グラフを見てお分かりのように、ダイエット開始後の6/5以降の血糖値は良好です。

とくに、朝の血糖値の変化を見てみますと、7日間の移動平均をみると、明らかに血糖値が下がっています。
注射量をかなり減らしているにもかかわらず、血糖値は以前よりも良好です。

炭水化物を制限する代わりに、肉や魚をはじめとして、炭水化物以外の食材は普通に食べています。
血糖値の改善にはご本人が一番驚いておられます。

最後に繰り返しますが、糖尿病にとって炭水化物制限は理論的にも最適です。しかし、低血糖になる可能性がありますので、必ず主治医の指導の下で行ってください。

徳洲会ソフィアクリニック ダイエット外来 今西康次

灼熱のなか

2009-06-22 13:41:21 | Weblog
日曜日は梅雨明けを思わせるような夏空が広がりました。
気温もグングン上昇して33度を超えていたようです。
すっきり晴れた夏空に誘われて、ジョギングに出たのですが...

炎天下には走るもんじゃないなあと、つくづく思いました。

浦添の自宅を出て58号を北谷方面へ。
アラハビーチで一休みして帰ってくるのがお決まりのコース。17km。
ところが、昨日は5kmあたりで足が止まりました。

出発前にしっかり水分も補給したのですが、さすがにこの暑さはこたえました。
結局、伊佐交差点で折りかえして、10.7kmが精一杯。
炎天下に走るもんじゃありませんね。

そういえば、そろそろTokyoの申し込み時期ではないのかな?
チェックしなければ。           今西

沖縄県医学会総会 発表してきました

2009-06-14 21:54:09 | Weblog
県医師会の医学会総会は年に2回行われる。
今日はその1回目の総会があった。
午前中にポスター発表があり、昼をはさんで研修に関するシンポジウム。
午後は特別講演で聖路加国際病院院長の福井先生によるQIのお話であった。

私は、「EDTA-2K採血管において血小板貪食像を呈した肺炎クラミジア感染症の一例」と題した症例発表を行いました。今回は小児科の症例が他に無かったので、呼吸器のセッションでの発表となりました。検査技師の赤嶺さんから実にきれいに撮れた画像を頂いていたので、めずらしい血小板貪食の症例を発表できました。

当院からは、心臓血管外科の池村先生が循環器外科セッションの座長を担当していました。研修医たちは冬の総会のときに全員発表する予定です。

QIとはQuality Indicatorの略で、病院の医療の質を評価する尺度です。
いくつかの例が紹介されていましたが、たとえば、急性心筋梗塞の患者がERに到着してから心カテを受けるまでの時間などがあります。聖路加での目標は90分だそうで、何%達成できているのか、超過した症例の原因は何かと言うことを委員会できちんと討論して対策を考えているとのことでした。素晴らしい取り組みです。

もっと驚いたのは、DMに処方している全症例を調べて、HbA1cがコントロール目標内の割合を医者別に調べ、院内で公表しているそうです。もちろん医師名は伏せているそうですが、公表することでDMのコントロールは自然に改善されたとのことです。このような分析は、電子カルテを導入してから可能になったそうですが、まさに電子カルテの利点の一つだと思います。データ解析に利用できないような電子カルテは全く片手落ちとしか言いようがありません。

福井先生には聖路加で研修していたときに何度かお会いしましたが、私のことを覚えていてくださって、とてもうれしかったですね。
         副研修委員長 今西康次

今週の学生さん 筑波大学

2009-06-12 12:45:52 | Weblog
今週はクリニカルクラークシップの一環で、筑波大学の6年生が来院されています。
救急総合診療部や内科、外科、小児科などを、前期研修医について実習しています。
飲み会では、1年次研修医が熱く語りかけていました。
当院OB(筑波大小児外科の坂元先生)からも電話が入って盛り上がりました。
           副研修委員長 今西康次

そういえば。

2009-06-05 19:02:35 | Weblog
Kです。

離れていても中徳の研修医に伝えられることもたくさんあるなと思い久々に書いてみました。

1年生の皆さんは、少しは慣れてきたでしょうか。
僕から伝えておきたいことを少し書いておきます。

研修医といえども、そこでは紙切れ一枚で一人前の医者扱いをされます。
しかし、所詮1年目の研修医、僕でさえまだ6年目のペーペーの医者です。
僕らを指導してくれるのは、先輩医師だけではなく、病院全体の先輩方です。

僕らはDr.は常に皆に支えられて働いていることを忘れてはいけません。
僕らが一人の患者さんに接しているのはたかだか一日のうち1時間もないでしょう。
看護師さんはほぼ24時間僕らの目となり患者さんを看てくれており、
僕らが出した薬を薬剤師さん達が病棟まで運んでくれ、
毎食の食事栄養管理を栄養士・調理師さんがしてくれています。
リハビリはPT・OT・STの人たち。
身の回りや部屋の掃除は、清掃の人たち。
XPやCTに行くのに、助手さんやクラークさん。
レントゲン技師さんがいないとレントゲンも自分でとらないといけません。
転院先の病院や施設に連絡をしてくれている連携の人たち。
全ての指示から病名漏れがないか確認してくれている事務の人たち。
影で支えてくれている総務の人たち。。

とにかくたくさんの人がいて、初めて自分が担当医/主治医として
患者さんに接していることを一時たりとも忘れてはいけません。
僕らが上のことを患者さんのために全て一人でできるわけないのですから。

Dr.は時として皆のリーダー(司令塔)にならなければなりません。
つまり、皆の仕事を知って初めて、皆に伝えることができるのです。

もう2ヶ月が過ぎました。
病棟の採血は何時にされていますか?何回採血をしに行きましたか?
食事は何時で、血糖測定は何時でしょう?おむつ交換は何時?
薬局から点滴や薬が上がってくる時間は何時でしょう。
クラークさんはどういった患者さんを何時まで検査に連れて行ってくれるのでしょう。
リハビリをオーダーして何時にそれらをみてくれているのでしょう。
MRIは何曜日が空いているのでしょう。

他職種の人たちの仕事を知りましょう。
できればやるのが一番いいです。
おそらく新開達は、薬を詰めたり、経管栄養を入れたり、陰洗したり、食事の変更を電話したり、自分でレントゲンの親袋や外来カルテを取りに行き、レントゲン技師さんに電話ではなく直接どのような部位が撮影したいか説明してたと思います。

先輩達によくよく話を聞き、いいDr.を目指して下さい。
僕もまだまだですけどね。

ではまた。

1年次研修医集合研修

2009-06-02 15:37:12 | Weblog
全国の徳洲会病院の1年次研修医100名が幕張に集合しました。

研修医となって2ヶ月が経過しました。
やっと病院の雰囲気に慣れ始めたところでしょう。
今年は約100名の新研修医が徳洲会病院で研修を受けています。
全国から集まるので、同じ出身大学の同級生に再会したり、
他の病院の研修の様子を聞いたり、ちょっとした気分転換になりました。

研修は2日間で、災害支援、虐待、救急医療、がん治療、臨床治験、安全管理、
最後に海外からの講師による幹細胞移植の講演がありました。
初日の夜は院長会に合流しての歓迎レセプションがありました。

                  副研修委員長 今西康次