5年前に始まった新臨床研修制度が見直しの時期を迎えています。
長年のストレート研修の弊害をなくすため、卒後の2年間は複数診療科をローテートして、幅広いプライマリケア能力を身につけることが目標とされました。
この結果、研修医教育に積極的な民間病院などに研修医が集まり、特に地方の大学病院では研修医が集まらないという事態となりました。
本来、大学病院などの高度先進医療を行う病院は、専門的疾患のトレーニングには最適ですが、ありふれたプライマリケアのトレーニングには不向きなことは明らかです。大学はカリキュラムの見直しをすることなく、研修医の偏在を新臨床研修制度が悪者かのごとく、小手先だけの改変をしようと圧力をかけています。見当違いもはなはだしいと私は思います。
私は、「NPO法人 卒後臨床研修評価機構(JCEP)」のサーベーイヤーとしてのトレーニングを受けましたが、本機構の理事長岩崎先生の会員向けコメントを以下に引用いたします。
副研修委員長 今西康次
■「臨床研修制度のあり方等に関する検討会の意見のとりまとめ」を受けて 岩崎榮■
〔まとめの要約〕
・研修期間は2年間、2年間で研修到達目標が達成できなければならない
・必修診療科2科(内科、救急)、2年目に1ヶ月以上の地域医療研修
・選択必修診療科5科目(外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科)の中から1~2診療科
研修の基本理念や到達目標が全く変わらないのですから、当然2年間の研修期間が必要であることは明白です。しかも現在の到達目標を達成するためには、多科ローテイトや総合診療科での研修をしなければ、なかなか難しいのではないでしょうか。しかも、来年度からはプログラムを弾力化するとしながらも、研修の質の確保のための到達度などの第三者評価が強調されているので、今後、評価を受けなければならない方向性が強く打ち出されると考えられます。
このNPO法人が、その任を負うことになりそうですので、会員の皆様方の病院が積極的に評価を受けられることをおすすめすると同時にサーベイヤーの方々をはじめ、皆様のより一層のご協力をよろしくお願いします。
〔語録〕
大体、プログラムの評価点検も行わないで、プログラムのスケジュールのみをいじった今回の検討会の結果の意見のとりまとめは到底受け入れ難い。臨床研修医を何と心得ているのだろうか。じっくり2年間研修してこそ、幅広い医療、断らない医療、全人的医療、そして地域が求める医療に取り組む基本姿勢が身につけられるのでしょう。国民(患者)を欺くことになるのではないか、国民(患者)不在の検討であったと言っても過言ではない。
なお、昨夜のNHK、視点・論点で「医師の研修見直し」という題での飯野奈津子解説委員の解説は当を得た内容で、明日開かれる医道審議会臨床研修部会に対する牽制と拙速にならない審議を求めていました。
長年のストレート研修の弊害をなくすため、卒後の2年間は複数診療科をローテートして、幅広いプライマリケア能力を身につけることが目標とされました。
この結果、研修医教育に積極的な民間病院などに研修医が集まり、特に地方の大学病院では研修医が集まらないという事態となりました。
本来、大学病院などの高度先進医療を行う病院は、専門的疾患のトレーニングには最適ですが、ありふれたプライマリケアのトレーニングには不向きなことは明らかです。大学はカリキュラムの見直しをすることなく、研修医の偏在を新臨床研修制度が悪者かのごとく、小手先だけの改変をしようと圧力をかけています。見当違いもはなはだしいと私は思います。
私は、「NPO法人 卒後臨床研修評価機構(JCEP)」のサーベーイヤーとしてのトレーニングを受けましたが、本機構の理事長岩崎先生の会員向けコメントを以下に引用いたします。
副研修委員長 今西康次
■「臨床研修制度のあり方等に関する検討会の意見のとりまとめ」を受けて 岩崎榮■
〔まとめの要約〕
・研修期間は2年間、2年間で研修到達目標が達成できなければならない
・必修診療科2科(内科、救急)、2年目に1ヶ月以上の地域医療研修
・選択必修診療科5科目(外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科)の中から1~2診療科
研修の基本理念や到達目標が全く変わらないのですから、当然2年間の研修期間が必要であることは明白です。しかも現在の到達目標を達成するためには、多科ローテイトや総合診療科での研修をしなければ、なかなか難しいのではないでしょうか。しかも、来年度からはプログラムを弾力化するとしながらも、研修の質の確保のための到達度などの第三者評価が強調されているので、今後、評価を受けなければならない方向性が強く打ち出されると考えられます。
このNPO法人が、その任を負うことになりそうですので、会員の皆様方の病院が積極的に評価を受けられることをおすすめすると同時にサーベイヤーの方々をはじめ、皆様のより一層のご協力をよろしくお願いします。
〔語録〕
大体、プログラムの評価点検も行わないで、プログラムのスケジュールのみをいじった今回の検討会の結果の意見のとりまとめは到底受け入れ難い。臨床研修医を何と心得ているのだろうか。じっくり2年間研修してこそ、幅広い医療、断らない医療、全人的医療、そして地域が求める医療に取り組む基本姿勢が身につけられるのでしょう。国民(患者)を欺くことになるのではないか、国民(患者)不在の検討であったと言っても過言ではない。
なお、昨夜のNHK、視点・論点で「医師の研修見直し」という題での飯野奈津子解説委員の解説は当を得た内容で、明日開かれる医道審議会臨床研修部会に対する牽制と拙速にならない審議を求めていました。