なんくるないさ~、沖縄での研修医生活

臨床研修のメッカ沖縄にあって忙しさNo.1を自負する中部徳洲会病院。スーパー研修医がリレーでつづる研修医ブログ。

ダイエットには低脂肪より低炭水化物 NEJMより

2008-09-30 11:01:46 | Weblog


ダイエットにおける食事の脂質と炭水化物に関する文献を調べ始めているが、次々と新しい文献に出会い、新しい事実を目の当たりにして、ワクワクの連続である。
今朝読んだ論文は、2008年7月に発表された、NEJM(The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE)のもの。NEJMは医学分野では最高ランクの雑誌です。

Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Dietと題された、2年間にわたる調査報告(論文はNEJMにて公開されています)。

322人を3つの食事のグループに振り分けたランダム試験。3つの食事とは、
■低炭水化物食 -- 低炭水化物、カロリー制限なし、
             脂質制限なし、蛋白制限なし
■地中海食   -- 1500kCal(女)、1800kCal(男)、脂質は総カロリーの35%
             牛や羊の代わりに鳥と魚、ナッツ類、オリーブオイル
■低脂質食   -- 1500kCal(女)、1800kCal(男)、脂質は総カロリーの30%
             コレステロール300mg以下に制限

結果はグラフのとおりで、減量に関しては低炭水化物食が最も優れ、低脂肪食が最も劣っていた。体重以外の身体測定値、コレステロールなどの検査、インスリン抵抗性、血圧など、どの指標についても同様な結果であった。糖尿病の人に関しては、地中海食が勝っている項目があった。

JAMAやNEJMの新しい論文を読むにつけ、これまでの肥満指導はなんだったのかと、目からうろこの毎日である。

明日は、ダイエット外来プロジェクトのキックオフミーティングを行う。栄養士と看護師からなるチームで、最新理論をきちんと勉強して、肥満に悩める人々を正しいダイエットに導こうと思う。正しいダイエットとは、「よく噛んで食べること」だろうと考えている。無理を強いるとかならずリバウンドする。

        ダイエット外来 小児科 今西康次

NAHAにむけて 練習報告

2008-09-29 19:00:09 | Weblog
先週は小児救急の研究会があったりして、プールに行く時間はなかった。
まだまだ日中は蒸し暑く、30度を優に越えるので、走るのは夕方以降。
日曜日は午後夕立があり、少し涼しくなったので、夕方より走り始める。
いつもながら、家を出るまではなかなか踏ん切りがつかない。
走り始めてからも、何キロでやめようか?などとすぐ弱気になってしまう。
結局、58号を北上し、普天間方面には行かず、そのまま北谷方面へ。
アラハビーチで一息。
遊具で遊んでいるのは外人の親子。英語じゃない。スペイン語か?
バーベキューで騒いでいるのはウチナンチュー。英語じゃない、日本語。
台風の影響で風強し、波やや高し、それでもビーチパーティーは続いている。
往復15km。これぐらいがちょうどいい。
                                今西康次

脂質よりも炭水化物のほうが肥満への影響が強い ATOZ study JAMAより

2008-09-29 17:56:49 | Weblog


2007年に発行された日本医師会雑誌の別冊に「メタボリックシンドロームup to date」がある。
このなかでメタボリックシンドロームに対する食事療法の実際という章がある。
概略を記すと
 減量を一義的(一番大切)に考えすすめていく
 減塩する
 3大栄養素の中身を吟味する。
  → 炭水化物摂取の低減は重要。
     高GI食の過量摂取は戒める。
     飽和脂肪酸やトランス型脂肪酸を避ける
といったところか。

脂質よりも炭水化物を減らすことが妥当であると述べている点が新しい。


2007年3月のJAMA(The Journal of the American Medical Association)に興味深い報告がある。
ATOZ studyとよばれる食事と減量に関するランダム化試験である。
炭水化物の含有量が異なる4つの食事群で1年間の比較を行っている。
もっとも減量成績がよかったのがAtkins食という、低炭水化物、高脂質食であった。
このての研究は長らく行われているが、標本数や脱落症例の少なさという点で、
これまでのどの研究よりも高く評価されている。

この論文の結論は、「低炭水化物+高タンパク+高脂質の食事が減量にもっとも効果があった」である。

「脂っこいものを避けましょう」と耳にタコができるくらい聞かされてきたが、どうやらこれまでの栄養指導は見直されるべき時期に来ているということだろう。
これからのダイエットは「脂質よりも炭水化物に配慮」がキーであろう。

上記論文はJAMAのサイトから入手可能である。
JAMAは最も信頼できる学術雑誌のひとつである。

                        小児科 今西康次

どうして太るのか? 肥満とは?

2008-09-27 10:45:22 | Weblog
私は結構暴飲暴食をする。月に何度かバイキングに行って、吐きそうになるぐらい食べる。食べたあと数時間は苦しくて動けないくらいだ。甘いものも大好き。
こんな生活を若いころから続けているが、一度も太ったことはない。このような人は結構多いんじゃないだろうか。

肥満と非肥満の違いは何に原因があるのか?

肥満とは何か?
脂肪が過剰に蓄積された状態である。

脂肪はどうやって作られるのか?
食事として摂取したブドウ糖が主な材料になって、体内で脂肪が作られる。
ぶどう糖は一番大事なエネルギー源であるので、必要十分な量を摂取しなければならないが、余分に摂取した分が脂肪として蓄積される。将来のエネルギー不足に備えての備蓄である。

実は昔から言われていることであるが、ブドウ糖を含む食品を適切な量に減らせば、肥満にならないはずである。ブドウ糖を多く含む食品とは、すなわち炭水化物多くを含むもので、ご飯、パン、麺類などである。肉や酒ではない。

脂肪が作られる仕組みはブドウ糖からだけではないが、ブドウ糖からの経路が一番重要であろう。ダイエット外来を開くにあたって、このあたりの理論武装をきちんとやっておかないといけないので、目下、生化学の教科書や各種論文を勉強中である。

  小児の肥満にも取り組みます!!
  11月よりダイエット外来を開くことが決まった 今西康次

1時間で2kg減 暑かった!

2008-09-21 19:30:33 | Weblog
台風も過ぎ去って好天が続く沖縄地方です。
今週旅行に来た人はラッキーですね。
今日はハーフ走ろうかなと、勇んで自宅を出たものの、なんだか体が重い。
日差しも強く湿度も高い。発汗がすごい。
これはきついなあ、と、10kmに変更。
途中で給水とストレッチをかねて、海を見ながら休憩。
ペットボトル500cc給水。
ペースも上がらず、1時間少しで帰ってきた。
シャワーを浴びて体重量ってびっくり。2kg以上減っていた。
いつもなら10kmだとほとんど減らないんですがね。
暑いときに走るのは、きっと体に悪い!!
北京オリンピックのマラソンって、さぞかし辛いんだろうなあ。
NAHAが涼しい時期でよかった。
               今西康次

ダイエット外来 at 徳洲会ソフィアクリニック

2008-09-18 11:33:07 | Weblog
この画像はおへその高さでのCT画像で、周辺のピンク色の部分が皮下脂肪、
内部の赤い部分が内臓脂肪を示すように加工したものです。
ちなみにこの画像はほぼ正常範囲ではないかとおもいます。
腹囲85cmは内臓脂肪が100cm2に相当するといわれており、
メタボリックシンドロームの基準のひとつになっています。
医療機関で行われているダイエット外来では、このような内臓脂肪の測定を行うことが一般的なようです。
当院でも内臓脂肪の評価は以前から行っており、私もダイエット外来を受診する患者さんには、
CT画像を印刷してお渡ししようと考えています。

CT画像だと、どこに脂肪がついているのかひと目でわかります。
内臓脂肪もさることながら、腰の上のほうの皮下脂肪が多い方もすくなくありません。

前回のblogで触れていた渡辺先生のインタビュー記事をアップしました。
1ページ目
2ページ目
3ページ目
4ページ目

さっそく、栄養士や看護師に声をかけて、ダイエット外来に興味をもっているスタッフ集めを開始しました。
10月中旬ごろのオープンを目指して、プロジェクトを立ち上げていきます。
特に小児のダイエット外来では、積極的に栄養指導をしていきたいと考えています。

継続可能なダイエットを目指して          ダイエット外来プロジェクト 今西康次

ダイエット外来計画中 at 中部徳洲会

2008-09-15 23:14:18 | Weblog
この2週間、私の頭から離れないこと、それは、NAHAマラソンのことではありません。ダイエットのことです。
ジョギングの最中も、ダイエット外来のアイデアをいろいろ考えながら走っていました。考えながら走ると疲れ知らず、おまけにいろいろとアイデアが浮かんできます。

先日、院長と立ち話をしていたときに、ダイエット外来を開きたいとすでに伝えている。はやくチームを作って準備を始めたいと思う。

私が行おうと考えているダイエット外来は、新都心クリニック渡辺院長の手法である。宮古や石垣で実績を積んできた方法である。継続できることを主眼に、咀嚼法を中心にしたダイエット法である。

医療機関で行うダイエット法といえば、食事や運動を中心にしているが、すぐにドロップアウトしてしまうケースが多いのではないだろうか。

肥満の原因は過量摂食と運動不足にあるのは間違いないが、食欲という人間の欲求と相反することをしようとするのだから難しい。渡辺方式はこのあたりを実に上手に操っている。詳しくは、下記の文献を見ていただきたい(本文は後日アップします)。
http://www.lifesci.co.jp/cgi-bin/search/backnumber.cgi?type=mn&status=1937

当初は、成人のダイエット外来を始めて、うまくいったら小児ダイエット外来も始めようと思っていたのだが、小児の肥満も大きな問題であり、やはり早くから取り組むべきかなと思っている。

たとえば食事指導。成人の場合は、長年染み付いた食生活をそう簡単には変えられない。だから成人への食事指導(食事の内容の指導)というのはあまり効果がないのではないかと思っている。一方、小児に関しては、料理をする母親が協力してくれれば勝算が見込める。検診のときに食事の調査があったりするが、受ける側は記入するのが実に面倒である。何をどの程度食べたかなどいちいち覚えていないよね。こういうのは、写メで毎回食事の写真を送ってもらって、栄養士が写真を見て分析するという方法はどうだろう。こんなやり方なら楽しんでできるし、食事の写真集を作ってコメントを書いて返してあげれば、効果も上がるかなと思う。小児のダイエット外来は栄養士にもチームに入ってもらって、しっかりやりたいと考えている。1回指導しておしまい、というのではなく、長期間一緒にフォローしていくようなプロジェクトチームにしたいと思う。コレを読んでる栄養士の方がおられたら、一緒にやりませんか?

成人と小児では手法を使い分ける必要があるだろう。しかし大切なのは継続できること。継続することで自然と過量摂取が改善できるような仕組みを目指していきたい。とても楽しみである。

         ダイエット外来を始めたい 小児科 今西康次

NAHAマラソン 練習状況

2008-09-15 22:25:48 | Weblog


NAHAまであと3ヶ月。
今月からふたたび距離を走る練習を開始した。
この2週間は、10km走、1km水泳、20km走、1km水泳、そして今日は10km走。
こんな感じで2週間ごとにハーフを走っていこうと計画している。
その合間に10km走って、水泳で全身トレーニング。
私は5年前からマラソンを始めた。おきなわマラソン4回、NAHAマラソン2回。すべて完走できたがタイムはまだ5時間台の初心者ランナー。今回こそ5時間を切りたいなあと、毎回思っている。今回こそ!
                今西康次

PowerBall

2008-09-12 14:49:31 | Weblog

ついに本物のパワーボールを入手した。しかもLED内臓型。
びゅんびゅん回すとLEDが鮮やかに光る。
隣のM先生もほぼ同時に購入。
二人とも納品先を職場にしたので、販売業者も笑ってんだろうなあ。

さて、本物powerballには回転数を示すデジタルメータが内蔵されている。
これが競争心をくすぐるからたまらない。
私はまだ手にして3日目くらいで、10800回転ぐらい。S先生は11300回転と現在の記録保持者。
近く第一回powerballコンテストを行う予定。握力も同時に測定しておきましょう。
私たちのpowerballは同僚のpoerballerたちに引っ張りだこです。
今西康次

研修医通信SmileSmile 第6号  新スタッフドクターからのメッセージ、離島研修だより

2008-09-11 14:39:53 | Weblog
研修医通信SmileSmile第6号ができました。

今回は、4月から加わったスタッフドクターの皆さんに、研修医へのメッセージを書いていただきました。
研修医時代に苦労したことや、現在の専門を選んだきっかけ、他院と比較した当院の研修内容など。
みなさんそれぞれの経歴が読み取れます。

離島僻地だよりは、宮古島で研修中の2年次向井先生、徳之島で研修した3年次の仲間先生からアツーイレポートが届いています。2ヶ月の離島研修で必死に努力している様子や、息抜きの様子が手に取るようにわかります。
以下のページでごらん頂けます。

http://www.cyutoku.or.jp/rinshou_prog/homepage/1301.html
http://www.cyutoku.or.jp/rinshou_prog/homepage/1000.html

研修委員会 今西康次

パワーボール、リストマッサージボール、ジャイロエクササイザー

2008-09-08 22:19:21 | Weblog

私の周囲で大ブレークしているのが、このジャイロ機能を内蔵したエクササイズボール。M先生が通販で購入したものを持ってきたのが発端で、スポーツマン系の先生方が群がる大騒ぎに発展している。

この器具だが、10年位前からあるらしく、ある外科の先生は学生時代に使ったことがあると言っていた。

手首をぐりぐり回転させることで、内部の回転数が上昇し、回転で発生した力(コリオリ力か?)が腕を鍛えるという仕組み。世界チャンピオン?は15000RPM以上の回転数を誇るらしく、YouTubeにビデオがアップされている。
http://jp.youtube.com/watch?v=E0v05iaYZC0

昨日私も某ディスカウントストアで980円のまがい物を買ってきた。練習の結果、やっとまわせるようになったのだが、私のボールはなぜか回転数が余りあがらない。M先生のボールを使うとビュンビュン回り、腕へのストレスも強い。握力も鍛えられる。ちなみに、本物のpowerballは6000円~9000円くらいの高価な品物である。

これで、しばらくは盛り上がりそうです。
小児科 今西康次


今週の学生さん 東海大学5年

2008-09-04 09:34:23 | Weblog
今週は東海大学の5年生が研修に来ています。
すでに他の病院もいくつか見学したそうです。
沖縄は研修に対して熱いというのが第1の感想だとか。

当院での研修中は主として研修医と一緒に行動して頂いていますが、
他病院と比べてやはり研修医の仕事量がとても多いそうです。おまけに生き生きと。
診療としての仕事が多いので、卒後バリバリ研修したい彼には魅力的だそうです。
ぜひ来年ももう一度研修に来たいと言っていました。
うれしいことです。ぜひおいでください。
                            研修委員会 今西康次