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執事たちの足音
新カテゴリー作りました。「召使いたちの絵画」(今回はノーマン・ロックウェル)
これまでにご紹介した“召使いたちが描かれている絵画”が何枚かたまってきたので、ここはすっきりと、新カテゴリーにまとめることにしました。
カテゴリー名は「召使たちの絵画」です。
で、今回取り上げる召使いの絵は、ノーマン・ロックウェル『靴下の検分』
ノーマン・ロックウェルの絵といえば『サタデー・イブニング・ポスト』紙の表紙が有名です。
ですが、この『靴下の検分』は表紙絵ではなくて、その『ポスト』紙に掲載された広告の絵です。
靴下製造会社“インターウヴン・ソックス”の広告でして、どのような趣向の絵になっているかと言うと、召使いがご主人さまの靴下を検分している場面が描かれているんですねぇ、これが。
こちらがその絵です。
………と、ここでばば~んと絵をお見せ出来ると良いのですが。
載せられないんです。著作権の関係で。
あいやー、新カテゴリー作ったしょっぱなから、なんてこったい。
ノーマン・ロックウェルが亡くなったのは1978年。
著作権が切れるのは作者の死後50年ですから、まだ30年しか経ってないんですねー。
わたしはこの絵を図書館で借りてきた本で見ました。(※書誌データは末尾に記しました)
こちらの本は現在amazonで扱ってないようです。
あ、洋書にはありました。私が見た日本語版もこれとほぼ同じ表紙です。

Norman Rockwell: 1894-1978 America's Most Beloved Painter
『靴下の検分』は(日本語版だと)18ページに載っています。
古風な“おしきせ”を身に着けたひとりの男、召使いが、ゴブラン織りのスツール(オットマン)に腰掛けている。
足もとには口の開いた大きな旅行鞄が置かれいて、おそらく主人が旅行から帰ってきたのだろう、戻ってきた衣類をチェックしている。
背筋をしゃんと伸ばし、胸の前で靴下を両手でピンと伸ばして――靴下の生地はものすごく薄い。召使いのチョッキの柄が透けて見えるほど――じっくり検分する。
どこか破れていないか? 穴はあいてないか?
見つからない。どこにもない。
召使いは満足気に笑みを浮かべ、嘆息をもらす。
すばらしい! なんと丈夫な靴下なのだろう!
とまあ、このような場面が描かれているんですな。
この召使いのモデルさんが誰かははっきりしていまして、デイヴ・キャンピオンという方です。
アメリカの市井の人々の日常生活と深く結びついた作品を描いたロックェルは、自身も住んでいたニューヨーク州のニューロッシェル(当時おおくのイラストレーターが集まっていた町)の住人たちをモデルに、おおくの作品を残しました。
デイヴ・キャンピオンさんはその中でも特にロックウェルお気に入りのモデルだったそうで、細身の身体に骨ばった顔の彼は、衣装や設定を変えてさまざまな絵に登場します。17世紀のピルグリム・ファーザーズになって手足に枷を掛けられたり、プレゼントのリストを考えるサンタクロースになったり、トム・ソーヤの尻を鞭打つ教師になったり…で、召使いにもなっちゃった(笑)。本職は新聞販売店の経営(ロックウェル家の近所)だそうです。
別の絵ですが、こちらAllPosters.co.jpでキャンピオンさんのご尊顔をご覧になれます。
この少しヨレてくたびれたバーコード髪が、召使いなるとピシッと…! その落差がまた良し。
しかし、話はこれだけじゃないんですね。
『靴下の検分』を見ていて、ちと気になった部分があったのです。
旅行かばんの開いた口に、主人のものと思われるネクタイがひとつ、引っ掛けられています。
そのネクタイが、とても目立つ。というより絵から浮いている。色柄がロックウェルらしくない、派手というか、ポップというか。
召使いは古風、正統派の衣装なのに…主人は悪趣味なのかしら?
こんな柄です。

………バーティ?
※書誌データ
『ノーマン・ロックウェル』
著者:カラル・アン・マーリング Karal Ann Marling
タッシェン・ジャパン株式会社 2007年発行
カテゴリー名は「召使たちの絵画」です。
で、今回取り上げる召使いの絵は、ノーマン・ロックウェル『靴下の検分』
ノーマン・ロックウェルの絵といえば『サタデー・イブニング・ポスト』紙の表紙が有名です。
ですが、この『靴下の検分』は表紙絵ではなくて、その『ポスト』紙に掲載された広告の絵です。
靴下製造会社“インターウヴン・ソックス”の広告でして、どのような趣向の絵になっているかと言うと、召使いがご主人さまの靴下を検分している場面が描かれているんですねぇ、これが。
こちらがその絵です。
………と、ここでばば~んと絵をお見せ出来ると良いのですが。
載せられないんです。著作権の関係で。
あいやー、新カテゴリー作ったしょっぱなから、なんてこったい。
ノーマン・ロックウェルが亡くなったのは1978年。
著作権が切れるのは作者の死後50年ですから、まだ30年しか経ってないんですねー。
わたしはこの絵を図書館で借りてきた本で見ました。(※書誌データは末尾に記しました)
こちらの本は現在amazonで扱ってないようです。
あ、洋書にはありました。私が見た日本語版もこれとほぼ同じ表紙です。

Norman Rockwell: 1894-1978 America's Most Beloved Painter
『靴下の検分』は(日本語版だと)18ページに載っています。
古風な“おしきせ”を身に着けたひとりの男、召使いが、ゴブラン織りのスツール(オットマン)に腰掛けている。
足もとには口の開いた大きな旅行鞄が置かれいて、おそらく主人が旅行から帰ってきたのだろう、戻ってきた衣類をチェックしている。
背筋をしゃんと伸ばし、胸の前で靴下を両手でピンと伸ばして――靴下の生地はものすごく薄い。召使いのチョッキの柄が透けて見えるほど――じっくり検分する。
どこか破れていないか? 穴はあいてないか?
見つからない。どこにもない。
召使いは満足気に笑みを浮かべ、嘆息をもらす。
すばらしい! なんと丈夫な靴下なのだろう!
とまあ、このような場面が描かれているんですな。
この召使いのモデルさんが誰かははっきりしていまして、デイヴ・キャンピオンという方です。
アメリカの市井の人々の日常生活と深く結びついた作品を描いたロックェルは、自身も住んでいたニューヨーク州のニューロッシェル(当時おおくのイラストレーターが集まっていた町)の住人たちをモデルに、おおくの作品を残しました。
デイヴ・キャンピオンさんはその中でも特にロックウェルお気に入りのモデルだったそうで、細身の身体に骨ばった顔の彼は、衣装や設定を変えてさまざまな絵に登場します。17世紀のピルグリム・ファーザーズになって手足に枷を掛けられたり、プレゼントのリストを考えるサンタクロースになったり、トム・ソーヤの尻を鞭打つ教師になったり…で、召使いにもなっちゃった(笑)。本職は新聞販売店の経営(ロックウェル家の近所)だそうです。
別の絵ですが、こちらAllPosters.co.jpでキャンピオンさんのご尊顔をご覧になれます。
この少しヨレてくたびれたバーコード髪が、召使いなるとピシッと…! その落差がまた良し。
しかし、話はこれだけじゃないんですね。
『靴下の検分』を見ていて、ちと気になった部分があったのです。
旅行かばんの開いた口に、主人のものと思われるネクタイがひとつ、引っ掛けられています。
そのネクタイが、とても目立つ。というより絵から浮いている。色柄がロックウェルらしくない、派手というか、ポップというか。
召使いは古風、正統派の衣装なのに…主人は悪趣味なのかしら?
こんな柄です。

………バーティ?
※書誌データ
『ノーマン・ロックウェル』
著者:カラル・アン・マーリング Karal Ann Marling
タッシェン・ジャパン株式会社 2007年発行
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