月の岩戸

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アンタレス・50

2023-05-07 04:26:59 | 詩集・瑠璃の籠

盗みで作った
美人の顔を惜しんで
永遠を棒に振るのが
馬鹿というものだ

逃げることはできない
自分を逃げ捨てて
車を乗り換えるように
他人の自分になることなど
できはしないのに
馬鹿はそれをやろうとする

馬鹿なことばかりして
醜くなった自分が
いやでたまらないのだ
だから
あっちのきれいな自分がいいと
単純に思って
それに乗り換えようとする
そのために
あらゆる馬鹿なことをする
ますます自分がいやになる

ひっついてとれない
自分から逃げようともがくたびに
どんどん自分が醜くなる
そのあまりの汚さに
神でさえ目をそむける

きれいになりたい
きれいになりたいと
汚い糞の海に溺れている
馬鹿な女はまとめて捨てられる

もう二度と
あんなものを愛したくはないと
永遠の絶縁状をたたきつけられ
遠い虚無の地平へと
追い出される





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