カノープス・９７

遠い昔
罪につまずいた
自分が嫌で
人から盗んだもので
違う自分を作り
ずっとそれを生きてきた

償いなどしたくない
痛い思いなどしたくない
影のように自分に張り付く
罪の記憶から
永遠に逃げ去り
自分とは違う
美しいものになりたい

悲しい馬鹿者よ
いつまで逃げているつもりなのか
あほうをやり重ねて
膨らんだ罪のかたまりが
糞のように
おまえの尻に
ひっついているというのに

人の美貌を盗んで
どんなにきれいに
外面を磨いても
臭い罪の匂いから
逃れられない
おまえの目つきから
言葉から
行動から
暗いおまえの心が
蛆のようにはい出てくる

美しいものになるために
汚いことをするから
そうなるのだ

もうやめなさい
逃げるのは
罪も影も
一切を認め
本当の自分に戻り
償いを始めなさい

正直な自分で
真面目に良いことをしていき
皆のために尽くして
自分の罪を
正しく清めていくのだ