ひとりごと

ほっとひと息、心がなごむひとりごと

映画「1000 年の山古志」 &  「葦牙 - あしかび - 」

2009-12-01 22:45:33 | Weblog
久しぶりに深谷シネマに出かけました。
ドキュメンタリー映画週間ということで、続けて2本観てしまいました!

一作目は、橋本信一監督の「1000年の山古志」。
2004年の中越大震災で壊滅的な被害を受けた山古志村の人々の、復興に向けた4年間を追った映画です。
6月に仕事で長岡に行った時に、案内してもらった山古志の風景と重ねながら、震災直後の映像も、「あっ、あの場所だ!」と思い当たる場所が映し出されていて・・・「知らない土地」ではなくなったことが一層胸に迫りました。
それまで積み重ねて来た人生、夢見ていた将来が一瞬にして失われてしまった絶望的な思いに陥っていた皆さんが、1000年の歴史を持つ故郷への強い思いで復興に立ち上がる姿・・・。棚田に水を引くために険しい山の藪の中を重いホースを担ぎながら歩き回るUさん。亡くなった父親の養鯉の仕事を継ぐために会社勤めをやめて村に戻ったIさんの苦労。多くの牛たちが牛舎の下敷きになって死んでいったことが哀れでならなかったと語る畜産のSさん親子が、再び新しい設計の牛舎で牛たちとの暮らしを始めることができて・・・。それぞれの皆さんの、深い絶望の淵から喜びの笑顔に変わる瞬間の、その表情、言葉のひとつひとつに涙がこぼれました。
「生きていくこと」への強さ・・・「1000年の間、祖先たちはこの土地で色々な過酷な目に遭いながら我々に残してくれたのだから、自分たちもなんとか次に渡していかなければ・・・」と語っていた言葉がずしっと胸に残りました。


「葦牙 -あしかび-」は小池征人監督の作品。
盛岡市の児童養護施設「みちのくみどり園」で生活する子どもたちの生活、生の言葉が描かれている作品です。
虐待によって施設に保護されている子どもたちは全国で35000人にも及ぶ・・・ということに本当に胸が塞がれるような思いですが、この「みちのくみどり園」で、子どもたちが受けた深い心の傷にまっすぐに向き合う職員や地域の人たちの温かなまなざし、取り組みの数々。それでも、簡単に癒されるものではない「心」というものを改めて見せられたような気がしました。
でも、自分たちの境遇を客観的に捉えながら、「虐待という負の連鎖は自分で終わらせたい」と語る子の言葉に、この学園の中で確実に「心」が再生されているんだ・・・という光と生きることへの「強さ」を感じて、とにかく「頑張って!」と叫びたくなりました!

「葦牙」は葦の若芽のことだそうで、生命力の象徴だそうです・・・・!

2本も観てしまって、ずっしり重い荷物を背負ったような気がしていましたが、帰る道々、どちらの映画からも「生きる」ということの本質を受け取ったような気持ちになりました。