make my style

日常の視点

こいつはびびった「紫陽花双鶏図」

2007年01月31日 | お気に入り


若冲展で、私が一番気にかかったのは、こちらの鶏と紫陽花の絵。

日常的な鶏さんが、まるで高価で高貴な白鳳くらいに昇華しちゃったような不思議な作品。

躍動感があるようで、一瞬の動きを切り取ったような静寂間もあって、
なんだか現実離れしているけれど、私たちが「イメージする現実」に近い感じもする。

人が桜をイメージするときに、実際の目で観た桜の色よりもピンク色の桜をイメージしてしまうように、
実際よりもより実際らしく処理する技法的な美的感覚は、生け花やお茶の文化にも匹敵するようで、やっぱ日本のお家芸なのかな~?
って深く感嘆してしまった1枚です。

実際の展覧会の掛け軸の方が、鮮やかでダイナミックな迫力がありますよ。

まるで現代でもいけてるグラフィックアートです。






ジョープライスさんが初めて買った若冲

2007年01月30日 | お気に入り


お金持ちの御曹司のジョープライスさんが若冲の作品と出会ったのは、
大学を卒業直後の1953年。

美術品にはまったく興味のなかったプライスさんだったそうですが、
浮世絵の好きな、父の友人の付き添いでN.Y.の瀬尾さんという方のお店に行った時、どうしても気になって、高級スポーツカーを買うのをやめて購入したのがこの「葡萄図」なんだとか。
(マガジンハウス社 BRUTUS ジョープライスインタビューより一部抜粋)

展覧会では、『エキセントリックの間』に一番最初に若冲の作品として展示されていました。

これは、渋いですよ。
でもただ単に地味なだけじゃない。
心惹かれる何かがあります。

色使いが派手でデコラティブな印象の強い若冲ですが、
ちょっと意外で、逆に説得力の増す1枚でした。








【若冲を見たか?】(BRUTUS風に)

2007年01月29日 | ちょこっと旅
21世紀の
クリエイターに
最も興味を与える
江戸時代の天才画家




と去年の8月の「BRUTUS」(マガジンハウス社)で特集の組まれていた伊藤若冲。

福岡には、来ないだろうと高をくくっておりましたら、
なんのなんの、
大宰府天満宮横の九州国立博物館にて

元旦より「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」展が始まっているではありませんか。

これは、実物を見なくっちゃだわ!

と、休みを利用して、行ってまいりましたら、もう、びっくらしましただ!!
と江戸時代の百姓風味で言ってしまいたくなるほど衝撃的な迫力満点の屏風や掛け軸の数々。

いやあ。

よかったですよ。

紹介はしますけど、これはこんな小さい画像で確認している場合ではありません。

実物をこの目で確かめるべし。
(ちなみに上の画像は、屏風のほんの一部の切り取りです)




「若冲と江戸絵画展」コレクションブログ






紫色のカリフラワーバイオレットクイン

2007年01月28日 | kitchen
続々と大きく育って収穫の時期を迎えている紫色のカリフラワー、バイオレットクイン。

今日のメニューは、たくさんあって使い道に困っているくらいのカブとベーコンで、クリーム煮を作りました。

お食事に紫色が入っていると、やっぱり食欲をそそりませんね~(笑)。

おもしろがって作っておりますが、
実際目の当たりにすると、見慣れていないせいか、ちょっとだけギョギョ、とします。

見た目はこんなですが、煮えてくると、もったいないことに、グリーンに変色してしまうんですね~。

出来上がりは、カブとブロッコリー(に見せかけてカリフラワー)のクリーム煮風になります。

ややこしいけど、おいしいです♪



ちなみに収穫前のバイオレットクインはこちらです↓↓

my畑のバイオレットクイン


仕事の話

2007年01月27日 | 仕事
コーチングの仕事は、電話で行なうことも多いので、
依頼される方の住んでいらっしゃる場所に関わらず、全国どこからかかってくる電話(やスカイプなどのネット電話)でも受けることができるという特性上、
クライアントさんの中には関東にお住まいの方もいらっしゃいます。

東京と千葉を中心に幹部職をまとめているエリアマネジャー職のこのクライアントさん、ちょうど来福の予定ができたようです。

この機会に自分の部下にもコーチングを知ってほしいということで、
「3名の部下を連れてきますから、僕も一緒にコーチングの講座をしていただけませんか?」
ということで、2時間の講座を受け持つことになりました。

きっと部下のみなさんは、この上司から「コーチングっていいよ~」というのは常々聞かされているのでしょうが、
いったいなんのことなんだ?と疑問を持ちつつ、そして時間の無駄にならないといいな~なんて思いながらわざわざ関東からいらっしゃったことでしょう。

こういう、難しそうな相手になればなるほど、
わかりやすく伝えた上に「早速行動できる役にたつ何か」を考えるきっかけになるような講座にしたいな~、と、燃えてしまう私の性分です。

充分に下準備をして、2時間の講座を行ないました。

講座を担当して毎回感じるのは、最終的には予想以上の感動や共有感を持って終了する一体感や高揚感。そして多くの「気付き」の発見。

どんなにしっかり準備をしておいても、
こういうのは、まさにライブです。

その場のメンバーの資質から出てくるみなさんの疑問や質問の内容や、私から投げかけた質問に対して返ってくるリアクションやその奇想天外な返答。

毎回やってることはこの繰り返しですが、
返ってくるものが毎回全く違います。
同じ講座なんて2度とありません。

これらを全て受け止めた上で、今この場に必要なもの、不必要なものを瞬時にえり分けて、こちらからも新たな提案をしたり、真意を知るためにもっと深く掘り下げたり、とにかく初めて会う方ばかりですから一瞬一瞬が真剣勝負。

『この新しい学びは、今の自分にとって大事なことかもしれないぞ』という興味を早いうちに感じてもらえるか否か。

もしくは最初の講師の自己紹介のところから、
相手に講座への興味を持っていただくことができるか否か。

こういうのは、プレゼンテーションの技術かもしれませんが、
相手の興味をひかなければ、最初からこちらの話など聞いてもらえません。

では、どうしたら、相手の興味をひくことができるのか?

それは、こちらが相手に対して「心から興味を持つ」以外にないような気がします。

自分のことだけに精一杯になって一方的にしゃべっているとき、
相手には何も伝わっていません。

相手は何を知りたいと思っているのか?
なんとなく心を開けない原因(要因)はなんなのか?

そこを質問してみると、相手から予想不能な、時には個人攻撃のような攻撃的な一言が返ってくるかもしれません。

私たちは、いらぬ攻撃を受けたくないために、あえて質問をしたがらないという側面があるように思います。

そこで、親、先生、管理職のみなさんなどは、
自分の予定通りに進めるために、一方的にいろいろなことをまくし立てるのでしょう。

きっと、違う意見が出てきて、自分が準備してきたもの(培ってきたもの)が台無しになってしまうのが怖いのです。

こういう時は「相手に心から興味を持っているか」といえば、きっとそうではないのでしょう。

本当に伝えたいことであれば、相手の立場になってわかりやすいように伝えようと努力することでしょう。
今伝えていることは、「本当に伝えたいこと」ではなく、「伝えないといけないと思われているもの」なのかもしれません。

自分も納得していないテキトーな主旨では伝えるときにも気分が乗りません。
邪魔しているのは、自分の保身のプライドなのかもしれません。

急遽、個人攻撃にあったり、奇想天外な質問が出てきたとき、不測の事態に、「どう対応する」のか?

これが、人間としての価値のような気がしています。
普段の価値観が最終的にはきっとここに現れてきます。

このために毎日、積み重ねていく生活は訓練なのかもしれませんね。

対応はひとそれぞれ。
そこにその人らしさが現れるのかもしれません。

毎回講座を担当するたびに、真摯に自分と相手とに向き合って、
お互いに実りあるいいものを作っていこうという真剣で濃密な作業を通して、
学ぶことがたくさんあります。

今日も最後に頬を紅潮させて、
「ありがとうございます!早速やりたいことが決まりました!」とか
「ふっきれた感じです。納得しました!」

とイキイキとした笑顔を感じると、
今この瞬間、私も誰かのお役にたてたんだな、と実感することができ、
これが私の活力となります。

色々シミュレーションして時間をかけた下準備は、ここで報われたという感じです。

準備は怠り無く。
でも、その通りにならなくても気にはとめずに。
選択権は相手にある。
さらにもっとよい効果を。

コーチングを教える以上、自分もその原則は実践していくべきでしょう。