お金持ちの御曹司のジョープライスさんが若冲の作品と出会ったのは、
大学を卒業直後の1953年。
美術品にはまったく興味のなかったプライスさんだったそうですが、
浮世絵の好きな、父の友人の付き添いでN.Y.の瀬尾さんという方のお店に行った時、どうしても気になって、高級スポーツカーを買うのをやめて購入したのがこの「葡萄図」なんだとか。
(マガジンハウス社 BRUTUS ジョープライスインタビューより一部抜粋)
展覧会では、『エキセントリックの間』に一番最初に若冲の作品として展示されていました。
これは、渋いですよ。
でもただ単に地味なだけじゃない。
心惹かれる何かがあります。
色使いが派手でデコラティブな印象の強い若冲ですが、
ちょっと意外で、逆に説得力の増す1枚でした。