エリザベス女王の国葬も無事に終わりました。
あれほど多くの国々から国を代表する要人が集い、その上で「大英帝国」をあれほどまでに美しく、壮麗に見せつける大事をつつがなく終えられる・・・さすがですねえ 私はあらためて、イギリスという国を「やっぱりすごいんだなあ・・・」と、感動しながら眺めました。そして同時に、あれほどまでに国民に愛されたエリザベス女王の人生が、どれほど滅私奉公した人生だったのか、ということを想像し、胸が痛くなりました。今まで、あまり考えたこともないことですし、決して女王を身近に感じていたわけでもありませんでしたが、奇しくも夫がプラチナジュビリーのお祝いの直前にロンドンに出張し、いくつかプラチナジュビリー印?!のついたものを記念に買って帰ってきていたのです。大切にしたい、と思います
前回、秋の保税展のご案内をした時、詳しくは次回に!としましたが、ちまちまッと催しの詳細をお知らせするよりも、今日は女王の棺の上に乗せられていた王冠「大英帝国王冠」の宝石達について、ちょっとお話をしましょう
イギリス王室には、13個の王冠があります。その中には、時々話題に上っている「コイヌール」という名前のダイヤモンド(インドで発掘されました)で飾られたものもありますが、今回は「大英帝国王冠」に使われているダイヤモンドは、そのコイヌールではありません。
大英帝国王冠に使われているダイヤは「カリナン」という南アフリカで発掘されたダイヤモンドです
このカリナンは、1905年、南アフリカのプレミア鉱山で発掘されました。3106カラットという、とてつもなく大きな原石でした。当時、南アフリカは大英帝国の支配下にありましたので、当然の如く、当時の英国の国王エドワード七世に献上されました。しかし、あまりに大きな原石だったため、いくつかに分けて宝石としようということになりました。
カリナンは、早速、オランダの職人のもとに送られました。その時、この貴重なダイヤモンドをカットすることになったのがジョセフ・アッシャー。「えっ?誰って?アッシャー、って?」と思われた方は、宝石好き、ですね そうです、オランダの「ロイヤル・アッシャー」の創業者です。
アッシャー氏、カリナンを前に、どのようにカットするか?を考えたのでしょうねえ・・・結晶に沿ってカットしなければなりませんから。その時の有名なお話 アッシャー氏が、カットする位置を決め、ノミをセットし、勢いよく打ち込むと、何と、ノミのほうが真っ二つに折れた、とか
しかし、さすがのアッシャーさん 無事にカットを終え、大きな9個のピースと、96個の小さなピース、となりました。
そのうちの1つ「カリナン1」は「勺杖」に、そして「カリナン2」が、大英帝国王冠にセットされたのでした。
大英帝国王冠には、「黒太子のルビー」と呼ばれるルビーもセットされています。
このルビーは、1415年、ヘンリー五世が、アジャンクールの戦いでかぶった兜に付けられていて、ルビーに穴を開け、そこに鳥の羽を刺していた、という絵画も残っているのだそうですよ
1649年、クロムウェルによって国王チャールズ1世が処刑され、イギリスが共和制になった時代、多くの王室の宝石は売り払われました 黒太子のルビーもその一つ。しかし、あらためて王政に戻った時、また王室のもとに戻り、大英帝国王冠にセットされる・・・数奇な運命ですね
王室所有の宝石とは大きさは違っても、ダイヤモンドはダイヤモンド、ルビーはルビーです
宝石とは、やっぱり、摩訶不思議なパワーを持った鉱物・・・
せっかくのチャンスです どうぞ、ご案内をする様々なジュエリー・マナーズの催しに、パワーをもらいにいらしてくださいね
秋の保税展
開催日時 10月7日(金) 14:00 ~ 18:00
10月10日(祝)、10月14日(金)、10月16日(日)、10月21日(金)、10月23日(日)、
10月28日(金)、10月30日(日)、11月3日(祝) 以上8日間 10:30 ~ 18:00 10月15日(土) 13:30 ~ 18:00
会場 内原東京保税蔵置場 (ガレリアUCHIHARA 地下2階ホール)
東京都港区六本木7-2-7