朝日のあたるテラスで、鹿レバ刺とビールをごちそうになると、
おやっさんは、みんなを宿から車で20分くらいの場所にある
おすすめスポットに連れて行ってくれた。
車からおりて、しばらく山の中を歩くと、そこには今まで見たことも
行ったこともない日本の美しい自然が広がっていた。
森に囲まれたその小川は、幅80mほどもあって、2-3mはある大きな岩が
ごろごろと転がる間を山からのわき水が勢い良く流れて来ているのだ。
私たちは子供のように岩から岩を飛び歩き、送陽邸のバイトくんは
まだ肌寒さの残る5月だというのに、Tシャツのまま泳ぎだしていた。
前々から思い焦がれ、やっとの思いで行き着くことのできた旅の感動もしかりだが、
こんなふうに、思っても見なかった景色との出会いはまた格別な感慨深さがある。
私たちが遊び疲れておやっさんのもとに休みに行くと、
おやっさんは、魚肉ソーセージとビールをご馳走してくれた


メンバーの中でお酒が飲めない人をきっちりと覚えていて
缶コーヒーも用意してくれた

おっとなー

このとき、おやっさんと何を話したのかまるっきり覚えちゃいないが、
東京に帰っておやっさんにお礼状を書いたとき、
おやっさんのような政治家が日本にいればいいのに。。。
と意味不明なコメントを書いたことを覚えている。
おやっさんがあと20歳くらい若くて独身だったら、
確実にあの宿に通っていただろうな



ちなみに、このとき一緒だったメンバーの中に、
あの「負け犬」という言葉を生み出した作家の酒井さんがいて、
東京に帰ってからもしばらく文通(ふるっ)を続けていた。
どちらかというと、文才はわたしの方が上回っていたと思うが
女を見据える力は負けたようだ。
