よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

リハビリ用パンドラ44

2022-12-03 14:51:16 | 日記

15 新たなるパンドラ

 この呪術は無数の呪いの集合体だった。
 まるで、神話のパンドラの箱のようにたくさんの呪いが集まって出来ている。
 希望の光のようにそれぞれの呪いには弱点が必ず存在するがその呪いの種類は無数に存在する。
 この呪術を仕掛けたのは現代の魔女、パンドラだった。
 人の世、全てを憎み、人に不幸を撒き散らす魔女はまだ、どこかに存在する。
「すみませーん、写真撮ってくれませんか?」
 ハネムーンで若い夫婦が凱旋門で写真を撮ってもらおうと女性に声をかけた。
 外国語が不得意な夫婦は同じ日本人っぽい女性を見つけてお願いしたのだ。
「……良いですよ。
 ……新婚旅行ですか?」
「えぇ、まぁ、二年の交際を経てようやくゴールインって感じです」
「……幸せですか?」
「そりゃあ、もう、こんなに幸せで良いのかって……あ、お願いします」
「……はい……、あ、このカメラ、壊れてますよ」
「え?おっかしいなー……、最新式のスマホなんだけどな……あれ?
 本当だ、参ったなーどうしようかな?……」
「……良かったら、これ使って下さい……」
 女性はデジタルカメラを差し出した。
 見たこともない奇妙なカメラだった。
「いやぁ、悪いよ……それに操作方法とかわかんないし……」
「……これに住所とお名前を書いていただけますか?
 そうしたら、後で説明書をお送りいたします」
「……いや、悪いって……」
「――いえ、私が壊したのかも知れないですので……
 それに、これは私から貴方方への結婚祝いだと思っていただければ……
 私は他にもカメラを持っていますし……」
「隆俊(たかとし)、良いじゃない、もらっちゃおうよ。
 私達のご祝儀としてさ」
「理彩(りさ)が、言うなら……
 じゃあ、ただでもらうのも何だからこれ、少ないけど……」
 夫婦は女性にユーロで少しばかりの謝礼金を支払った。


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